どうしても日本に行きたかった!
なんて街頭インタビューで答えてくれた訪日外国人も少なくありません。
今回も、訪日外国人が日本で食べて感激したという食べ物を中心に考えてみます。寿司やラーメン、すきやきといったものは海外でも知名度があり、諸外国にもそのような店もあるようですが、やはり本場のものは違うのか。
ちなみに、もうかなり昔の話ですが、あっしはフランスはパリで、当時はまだ珍しかったラーメン屋でラーメンを食べたことがあります。んで、
なんじゃこりゃ。ラーメンちゅうもんをナメとんのか!
というくらい、クソまずかったですねえ。このぐらいでも、フランス人は旨いと思うだろう、なんてことで思いっきり手抜きしていたんでしょうか。さすがに最近では、日本でも人気店が進出しているとされますから、さすがに味も日本と同じぐらいのものになっているとは思いますが。
さて、先回は寿司とラーメンについて書きましたが、和牛のおいしさに感激したという方々も少なくありません。
神戸牛、松坂牛といった超有名ブランド牛に限らず、牛肉一般は飛びぬけておいしいのだとか。
思うに、例えばアメリカやオーストラリアこそが、牛の飼育で有名であり大きな消費国ですが、その飼育の仕方が全く違うように思います。例えばの話、アメリカなら西部劇に出てくるようなカウボーイが巨大な牧場で牛を追いかけていたりもするのでしょう。牛の運動量も多いはずで、肉が締まった、言うなれば固い肉となるように思います。
一方の日本はと言いますと、こちらは、一頭、一頭丁寧に育てるとされます。話に聞けば、酒を飲ませたり、果物をふんだんに食べさせるなんて飼育方法もあるのだとか。音楽(クラッシック)を聞かせる、なんてことも聞いたことがあります。
言うなれば温室育ちというか、いっそもう深窓のお嬢様の扱いですから、これはもう柔らかく、質の良い肉となるのでしょう。
また、欧米ですと、味付けは基本的に塩コショウで、シンプルですが、日本の場合は他にも様々なタレやソースがあり、バラエティに富んでいます。
この調味料もまた、外国人には好評のようで、醬油は今や世界中で販売されていると言いますが、他にもマヨネーズ、ポン酢も人気があるようです。香辛料としてのワサビを好む方もいます。
意外なようですが、「日本のマヨネーズは最高だ」なんて言うヨーロッパの方もいました。本場のものよりもいいしいのでしょうか?
これを付けて鶏のから揚げを食べたという方が「天国の門が見えた!」と言っていたのに笑いました。このから揚げなんかは、やはりアメリカが本場だと思いますが、やはり味付けは塩コショウ程度なのか。
日本ですと、下味をつけることが多いですからねえ。ひと工夫されているわけです。
また、これは、あっしも初めて知りましたが、生卵を食べるという習慣は海外にはなく(※ 衛生上の問題もあるのだとか)、日本にきて生まれて初めてこれを食べて感激した、という方も少なくないようです。
卵かけご飯が人気になっているともされますし。ちなみに、これは香港であったか。
もっとも、日本の卵でないとダメだそうです。
納豆は、最初食べた時はまずほとんどの方が拒絶反応を起こすようですが、意外にも次第に好きになってゆく方も少なくないとされます。中には、毎日食べているとか、海外でも作って欲しい、なんて言っている方もいるようです。
またB級グルメともいうべき、たこ焼き、お好み焼きも人気で、自分の国に帰っても、これを自宅で作っているという方もいました。
他にも、そばやうどんも人気で、例えばレディー・ガガなんかだと、日本で、東京は品川駅の立食いそばにハマってしまい、来日した時は必ず食べる、なんて聞いたことがあります。
とんかつ、かつ丼もまた人気で、とあるアメリカ人に、とんかつを食べさせたら、どハマりして、毎日食べていたとか。さらに、かつ丼やカツカレー、カツサンドの味を覚えてしまい、「もう日本から離れられない」なんてことを言っていたかたもいたようです。
またまた笑えるのが、西アジア系の、どうもイスラム教徒の方であったようですが、このとんかつに、やはりドハマりし、「ムスリム(イスラム教)をやめた」(※ イスラム教では豚を食べるのは禁じられている)なんて言っていた方がいたとか。
そんなに簡単に棄教、宗旨替えできるんかいな、ってもんですよねえ。
また、日本の漬物や定食が大好きという方もいました。この方に言わせますと、例えばヨーロッパなどでは、基本的に料理は単品だそうで、そこにサラダがつくだけのようですが、なるほど定食などでは、幾つかの総菜や漬物が付いたりもしてますからねえ。
いろんなものを、いろんな味を少しづつ味わえるのがいい、のだとか。
ゆえに、日本式旅館の、懐石料理なんかにも感激しているようです。
この懐石料理ですと、季節ごとの素材を活かし、ヘルシー(健康的)で、味も淡白で飽きが来ず、様々な調味料も美味で、さらにはその盛り付けが芸術的で、食べるのがもったいない、なんて方も少なくないようです。
器もまた、ものすごく凝っていて、これが気に入ってお土産に、こういった皿や器を買ってゆく方もいるといいます。
また、ただ、つまり無料の水(またはお茶)がもらえるのに感激した、という方は多いです。
ヨーロッパなどですと、水は硬水ですから、水が飲みたいともなれば、お金を出してミネラルウォーターを注文するしかないのだそうです。
カレーも、これまた人気のようです。
言うまでもなく、これはインド発祥のものですが、インドを植民地にしていたイギリスに伝わり、明治期に、このイギリスの海軍を真似て日本の海軍を作り上げた時に、この料理もイギリスから伝わったとされます。当初は「海軍カレー」なんてものであったようですが、中華料理と同じく日本で独自の進化をとげ、あまり辛くはない、日本人好みの味になっているとされます。
また、カレールウさえあれば簡単に作れるため、海外にいる日本人の方が、現地の方に作って食べさせたところ大好評だった、という話もあります。
マイナーなものでは、おやき(※ 長野の名産)、ほうとう(※ うどん。山梨の名産)も大好きという方もいました。
おやきなどは、ロシアのピロシキにも似ている、とされます。
日本の菓子もすごい人気のようです。
マンガ家の西原理恵子が、アメリカに留学している息子の所に、コンビニで売っているような菓子をまとめて送ったところ、ホームスティ先の家族や、学校の友人が、やはりドハマりしたのだとか。
して、この息子が言うには、
母ちゃん、この国(アメリカ)は日本の菓子で征服できるぞ
とか。
なるほど、日本の菓子を大量買い(爆買い)してゆく外国人もいるようです。味も品質も、母国のものとは全然違うのだとか。
あの、キット・カットも、本来はイギリスのものですが、日本には抹茶味をはじめ多数の種類があっていい、という方もいました。
柿の種やせんべい、駄菓子といったものも人気ですし、グミやゼリーも好まれているようです。
他にも、「団子やまんじゅうが大好き」、「日本の果物は世界一おいしい!」とか、「日本酒(ライス・ワイン!)は最高。特に、大吟醸はたまらん!」なんて声もありました。
そーですか、そんなに褒めていただくと・・・
いやー、照れるなー
って、お前は料理人でも、店屋でも、食品メーカーでも何でもないだろう、なんて言われそうですけど。