七福神の恵比寿、大黒天の両雄に続きましてまずは毘沙門天がおります。元々はインドの神様でして、伝説の山である須弥山(しゅみせん)の四方を守護する四天王の一神で、別名を多聞天といいます。「多聞」とは「仏の教えをよく聞く」という意味だとか。
なお、四天王は他に増長天、持国天、広目天がおります。この四天王の像を掲げ、物部氏と戦ったという聖徳太子は、後に四天王寺を建立しております。以降、特に毘沙門天は戦いの神として信仰されたとされます。
名将上杉謙信もまた、この信仰を持ち「毘」の字を旗印にして戦いました。
この毘沙門天はそもそも戦いの神、武神であったわけですが、ならば邪悪なものを武で追い払ってくれるのではないかという、それこそ後には牛頭天王と同一視された、京都は八坂神社の祭神である須佐之男命を思い出させます。
ちなみに、毘沙門天も、本来は悪霊の長とされ、この須佐之男命も、言うなれば荒ぶる神であったわけですがいずれも守護神になってます。さらには、朝廷に対し反逆を企てた平将門もまた、その反骨精神を高く評価され、後には関東の守護神となっております。
日本人はこのように荒ぶる神、いっそ邪神すらも、巧みにおだて上げ、祀り上げ、御利益を与えてくれる神様にしてしまうのが上手いのであります。なかなか賢いのであります。
なお、今は「節分」と呼ばれている「追儺(ついな)」という厄払い行事ですが、これが寺院に伝わりますに、鬼を追い払うのが、この毘沙門天だとされます。
興福寺 増長天に踏みつぶされている邪鬼
余談ながら、この踏みつぶされている邪鬼ですが、この可哀そうな邪鬼に共感、同情を覚える方も少なくないのだとか。
まあ、増長天がハイヒールでも履いていて、邪鬼が「じょ、女王様ー!」なんて言っていたら、「いっそ邪鬼になりたい」なんていう方もいるかもしれませんが。
続きまして弁財天です。弁才天とも言います。
江の島 弁財天
元はやはりインドの河の女神だとされます。美と知恵と音楽の神として知られ、鎌倉の銭洗い弁天のようにお金を増やしてくれるという神様です。(※ 「銭洗い」というのは、本来、お金に付いたケガレを浄化するという意味であったのが、いつしか、増やしてくれるというものになったともされます)
滋賀は琵琶湖の竹生島、広島の厳島の弁天とともに、江ノ島の弁財天を「日本三弁天」というのだとか。
なお、この裸で琵琶を弾く弁財天ですが、古代ギリシアの女奴隷の中には、同じように宴席にて楽器を奏でる方もいたとかで、その絵を見る限りこの弁財天によく似ています。
以下、あまり馴染みのない神様ですが、まず布袋様ですが中国は当の時代に実在した方で、生涯放浪の生活を送った乞食僧であったようですが福々しい容貌と太鼓腹から、弥勒の化身ともされ七福神の一人になったとされます。
福禄寿と寿老人は、中国人でいずれも南極星の化身で、幸福、不老長寿を約束するとも言われてきたようです。
なお、『梅津長者物語』では、憎っくきねずみ男、ではなく、貧乏神を追い出した七福神が、貧しかった夫婦の家にて祝いの宴会をおこなうということになっております。
絵では、亀は見当たりませんが鶴の姿も見えます。縁起がいいわけです。
黒人霊歌に『聖者が街にやって来る』というのがありますが、こちらは「福の神が家にやって来る」ですねえ。
いいですねえ。羨ましい限りです。
あっしの家にも来ないかな。
お、玄関のチャイムが鳴った。まさか、噂をすれば・・・。
傘地蔵!?
ねずみ男、お前さー、前の晩、酔っ払って俺らの前で立ションしたろ
そのお礼に、いやお礼参りに来たぞ
・・・・・・。
なーんて、やっていると、縁の下の方から、
お前んとこ、煙突がないのか。仕方がないから縁の下からなー
サンタクロース!?それも時季外れの
続いて、
おーい、宴会やろうぜ。酒は任せろ。水があればワインに変えてやるよ
前にカナの婚礼でやったことがあるんだよ
イエスの大将!!?
さらには、
燃える柴・・・、ってこたー。
うぞ!!
(※ わからないという方は旧約聖書を読みましょう)