ONE HIT TO THE BODY
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邦楽ファンも聞く、エアロスミス

自分の持っているエアロスミスに対する印象は、「シャブ中・アル中のドロドロブルースファンクバンド」というものでした。
今でこそ洋楽ファン以外にもアピールするスタジアムバンドになっていますが。この変貌ぶりはどうしてなんでしょう?何故こうも一般的に売れてるんでしょうか?

ご存知の方も多いと思いますが、エアロスミスはブルースやファンクを根底にし、レッド・ツェッペリンローリングストーンズへのリスペクトを作品にしていきます。デビューアルバムはモロにローリング・ストーンズの影響が出てますし、それ以降の作品もブルースロックのフォームは継承されていきます。どんどん人気もセールス面も上がっていきます。
そんな彼らも70年代後半にはボーカルのスティーブン・タイラーとギターのジョー・ペリーとの仲が悪くなりジョーが脱退してしまいます。さらにもう一人のギター、ブラッド・ホウィットフォードまで脱退してしまいます。

その後も活動は続けるんですがパッとせず、埋もれていきます。そんな中80年代後半に、もう一度オリジナルメンバーでエアロは復活を遂げます。復帰第一弾こそ凡庸な出来でしたが二作目「パーマネント・バケーション」から勢いを取り戻していきます。「パンプ」「ゲット・ア・グリップ」「ナイン・ライブス」と名盤を連発、アルマゲドンの主題歌「ミス・ア・シング」も売れに売れ(ジャーニーみたいで嫌いですが)スタジアムバンドとして磐石の体勢を気付きます。

そこで冒頭の疑問に戻るんですが、なぜ復帰以降こんなにうれたか?答えは外部のライターに曲を書かすようになったことが最大の原因だと思います。
最初の黄金時代のころは、ほとんどの曲をバンド自身が書いてましたが、復活以降はこれまたほとんどの曲を外部のライターとの共作あるいは完全に他人の曲だったりします。
どういうことかと言うと、復活にあたりエアロ自身も気付いていないエアロらしさというものをプロデューサーやライターがもちこみ「こんな曲がエアロらしい」「いい曲だけどこうするともっといいっすよ!」てな感じでその意見をどんどん取り入れた、結果めちゃ売れした、じゃーこの線でいこうや!!というように。
その証拠に、初期の頃にあったファンクっぽさというのが近作には全然見られなくなったし。(「WALK THIS WAY」や「LAST CHILD」の路線です)

復活以降のエアロもかっこいいけど、こんどは全曲自作で固めたエグエグファンクなエアロが聞きたいです。
「ロックス」「TOYS IN THE ATTIC」がやっぱ一番好き、次は「ゲット・ア・グリップ」か。


アーティスト: Aerosmith
タイトル: Rocks




アーティスト: エアロスミス
タイトル: ゲット・ア・グリップ

昔ファッションンリーダー、今はええオヤジ。エリック・クラプトン

初めてクラプトンのライブに行ったのは復活の名盤「ジャーニーマン」を引っさげてのツアー、大阪城ホールでした。
この頃はまだ例の「アンプラグド」は出てなくて、コアなファンプラスαという客層だったように思います。最近のライブでは後半の「コカイン」「レイラ」にならないと総立ち状態にはならないんですが、この時は選曲のせいでもあろうかと思うんですが最初からかなりもりあがってたように思います。当然騒ぐの好きな性質なんで最初から立ってましたけど。

エリック・クラプトンという人はそのミュージシャンとして、ことギタリストとしての圧倒的な才能を武器に、もう何十年も第一線で活躍し続けてます。 クリームの頃の聞くものを椅子に押しつけるようなブルージーで攻撃的な演奏、その後ザ・バンドに影響されて以降のレイドバッグした(美しいソロも存分楽しめる)スタイル。80年代は機械かぶれであんまり好きではないんですが、、、

その彼の復活の狼煙をあげたのが「ジャーニーマン」です。
機械の使用もほどほどになり、泣きのギターも十分楽しめます。コンテンポラリー(当時)なバッキングもあまり気にならず、オープニングの「プリテンディング」は渋いボーカルと泣きのギターで決めてくれます。3曲目の「バッド・ラブ」は全体の雰囲気はレイラ、途中のブレイクのギターはバッジという感じでかっこいいです。フィル・コリンズのドラムもこんな感じなら許せます。
続く「ランニン・オン・フェイス」ではこれまたかっこいいドブロを決めてくれています。多分彼のボーカルのお手本であるレイ・チャールズの「ハード・タイムズ」も円熟の極みです。
あとジョージ・ハリソン作の「ラン・ソー・ファー」(彼の遺作にも収録されました)ではジョージの12弦ギター、ボーカルとのレイドバックした感じがいいです。ラストはブルースカバー「ビフォー・ユー・アキューズ・ミー」で、ロバート・クレイとのギターの掛け合いをびしっと決めてくれます。

思うにこの人は昔からずーっとブルースという大きな軸を持ちつつ、結構したい放題且つミーハーだったんだなーという感じがします。ザ・バンドに憧れたときはレイドバックした音を、ボブ・マーリーにはまった時はレゲエを、コンテンポラリーサウンドに興味があったときは機械をいっぱい使い(この時期は嫌いです)という感じで。裏返すとプロデューサー次第でころころ変わるんではないかなと。
次作はジェフ・リンかダニエル・ラノアかドン・ウォズと組んで欲しいな。フィル・コリンズとは縁切ってくださいね。



アーティスト: エリック・クラプトン
タイトル: ジャーニーマン

奇天烈大百科、PET SOUNDS

前回の続きとなりますが、PET SOUNDSについて書きたいと思います。このレコードを初めて聞いたときの印象は、ポップだけどおかしい、同じ時代に出たロックアルバムと比べて比較しようの無い異端なアルバムだなーと思いました。
その理由は、まずアルバムのほとんどの曲のコード進行が変なこと。
極めつけは「駄目な僕」。うねうねとした変なコード進行に乗せて、この上もなく美しいボーカルメロディがのります。
それ以外の曲もポップなんですが普通に進行する曲は、唯一のカバー「スループ・ジョン・B」だけで、他は転調を繰り返したりでヘンです。
しかしそれを、きちんとしたポップソングとしてるのはビーチボーイズの素晴らしいコーラスワークです。美しいボーカルなくしてはここまでの名盤とはなりえなかったでしょう。「神のみぞ知る」のラストのおっかけコーラスは美しすぎです!!
もうひとつ、曲のオケはロックバンドのバックトラックではなく、オーケストラ編成であるということです。ただオーケストラの特徴的なストリングスとホーンはメインではなく、パーカッションなどの打楽器が非常に効果的に使われています。
「待ったこの日」「少しの間」でのティンパニー、「神のみぞ知る」の鈴?の音色などその曲をキメるほど印象的です。
ブライアン・ウィルソンは、ほとんどを一人で(作詞はしてませんが)このアルバムの曲を作り、アレンジし、プロデュースし、このアルバムをものにしたんです。その代わりこれ以降おかしくなっちゃいますが、、、

新しい音楽を知りたいと思われる方、是非このアルバムを聞いてみてください。
ちなみに1曲目の「素敵じゃないか」も素晴らしい構成の曲です、一番好きかも。


アーティスト: The Beach Boys
タイトル: Pet Sounds

肉体と精神

極めて親しい友人を除いて、このブログの更新を楽しみ?にしてる方はほとんどいないと思います。

この週末は飲みすぎ食べすぎ遊びすぎで、私的に忙しかったのでネタが思いつきません
おまけに昨晩から持病の扁桃腺の具合も少し痛くてハレ気味、熱でたらいややな。
私はへなちょこ人間なんでこんな風にちょっと体調が悪いだけでものすごーくブルーになります。いまさっきサザエさんも終わってブルーになる要素満載です。

こんなとき、人間の心と体の関係って密接につながってるなーとつくづく感じます。気持ちがブルーになればなるほど体調も今まで気にならなかった事が気になりだし、また些細なことで落ち込んでしまったりして、悪循環に陥ってしまう、、、、、あああああ、いかんいかん、落ち込んできたぞ。

私の好きなロックミュージシャンの中にも「この人もひょっとしてへなちょこ人間なんじゃないか?」と思ってしまう人が何人かいます。
ものすごく失礼なんですが、ブライアン・ウィルソンってかなり精神的に弱い方であろうと(ものすごく尊敬してますが)。
彼はビーチボーイズの中心的存在で、ほとんどの曲の制作・プロデュースを手がけています。その彼は超名盤の「ペットサウンズ」の頃からツアーには出ず、ずっとスタジオに引きこもって一人で作曲と演奏(スタジオミュージシャンを使って)を完成させ、他のメンバーがツアーから帰ってきたときには歌いれだけさせたというのは有名な話です。
さらにこの頃からへービーなドラッグ中毒かつ過食症になりこれ以降、幻の「スマイル」制作中止等のごちゃごちゃに追いこめられ20年以上?も廃人のような人生をおくってしまいます。
この頃の彼の話を本で読んだのですが、いくら天才ミュージシャンとして世界中の人から尊敬され、大金持ちになっても人の心はそれだけでは満たされないものなんだなーと、人にとって幸せって???と、ちょっと考えてしまいました。答えはわかりませんが。

そのブライアンも80年代末期に見事復活をとげ、それ以降は素晴らしい音楽を届けてくれていますが彼の音楽の話はまた別に機会に。
負けないで頑張らねば。


アーティスト: The Beach Boys
タイトル: Pet Sounds

コクがあるのにキレがある、LET IT BLEED

高校生の時からずーっと洋楽ファンをやってます。
好きなアーティストは一杯いますが一番ライブを見たいアーティストは?と聞かれると迷わずローリング・ストーンズと答えます。
理由はというと単純に大好きだからという答えしかないのですが、そのストーンズの一番のピークと思われる時期にでたアルバムが「LET IT BLEED」です。
この頃のストーンズはメンバーは薬でぼろぼろ、初期のリーダーのブライアン・ジョーンズにいたってはほとんど演奏もできないという状態でした。(その後、亡くなってしまうのですが)後任のミック・テイラーも参加しています。
にもかかわらずこのテンションの高さ!!ライ・クーダーをはじめ外部のミュージシャンの力を借り(パクリ)まさにロック史に残る名盤に仕上がっています。
アルバムのテーマはアメリカ南部。それにキースがこの頃つるんでいたグラハム・パーソンズの影響でカントリーというところでしょう。
オープニングの「GIMMIE SHELTER」のイントロのギター、その後に続くまるで呪術のようなコーラス、ミックの悪魔のようなボーカル、全てが完璧です。さすが憧れの不良バンド!!
続くロバート・ジョンソンの絶品カバー「LOVE IN VAIN」、ホンキー・トンク・ウィメンのカントリーバージョンの「COUNTRY HONK」とアコースティックなブルース&カントリーナンバーが続きます。
タイトル曲の「LET IT BLEED」でのタメのきいたドラムと転がるようなピアノの美しさ、それとこれ以降ライブでのハイライトになる「MIDNIGHT RAMBLER」。緩急をつけながらぐいぐい引っ張るミックのボーカルとブルースハープ、チャーリーのドラムは他のバンドには出来ない独特のコクとグルーブ感です。この曲何度かライブで見ましたが、ストーンズというバンドの本質を見た気がしました。ある意味ホワイトブルースの頂点だと思います。
そしてジャンキーのことを歌った痙攣する快感の「MONKEY MAN」、荘厳なコーラスで始まりフレンチホルン、キースのギターが印象的な「YOU CAN'T ALWAYS GET WHAT YOU WANT」は ドラマティックな展開で終わります。
バンドとしてはめちゃめちゃな状態にありながらも、薬の勢いと才能でこういう作品を作り上げたストーンはやっぱりバケモノです。おそるべし、ジャンキーパワー!!




アーティスト: ザ・ローリング・ストーンズ
タイトル: レット・イット・ブリード

ロックバンドの理想、U2

気の合う友人と飲んだり遊びに行ったり温泉に行ったり、はたまた共通の趣味
があればそれについて時を忘れ語り合う、、、楽しいですよね?

でも、ことそれが仕事の話となると別。いくら仲がよくたってみんなで役割を持って仕事をしてる以上、それなりの能力が必要とされるわけです。
誰かひとりが極端に劣ってたりすると、他の人にはそのしわ寄せが来るわけで、それがみんなの怒りを買いその挙句、今までの友情なんか無くなって嫌悪感に変わると。社会って厳しいなー。

ロックバンドも例外ではなくて、最初は例えば幼馴染とか学校のメンバー募集のチラシを見たりとかベースとドラムがおらへんから誰でもいいから入ってもらったりとかで結成されたりします。
みんなで一緒に演奏するのが楽しくてはじめのうちは上手くいってたりするのですが、曲を作るメンバーの一人が、理想とする演奏をギタリストができなかったり、細かなリズムをドラムが叩けなかったりすると「もうお前らとはやってられん!もっと上手い奴入れるわ」ということになったりして仲良しバンドも崩壊ということになる訳です。

U2というバンドは結成されてから20年以上経つのですがメンバーチェンジは一切無し。曲と詩の美しさはいうに及ばず、独特のシャカシャカ刻むリズムギターと強靭なリズムセクション、ボーカルのボノのまっすぐ心に突き刺さる唄で何年もトップバンドであり続けてます。
きっとメンバー全員の理想がそのメンバー自身であるという稀有なバンドなのでしょう。

昨年出た「HOW TO DISMANTLE AN ATOMIC BOMB」も実に素晴らしいアルバムです。
1曲目「VERTIGO」の疾走感、ディストーションの効いたギターでつかみはOK。
続く「MIRACLE DRAG」の美しいメロディと間奏の登りつめるギターソロ。ある意味ギターポップだと思えるんですが。
ボノの父に捧げられた「SOMETIMES YOU CAN'T MAKE IT ON YOUR OWN」の一節、
”あなたに伝えたいんだ
一人で頑張る必要はないんだってこと”
は感涙です。
8曲目「CRUMBS FROM YOUR TABLE」では
”住んでる場所によって
生きるか死ぬか決まるのはおかしい”

と歌い、それまで人間関係について言及していたと思われるこのアルバムの中で、もっと広義な意味での人のあり方を語っています。やはりU2はいつまでも信頼できるバンドです。
全曲捨て曲なし、名盤です。



アーティスト: U2
タイトル: ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム (DVD付 初回限定盤)

不良のあり方、ストーンズ初体験

男なら誰しも不良にあこがれたり悪の魅力に取り付かれる事があるはず。
中にはあこがれるだけではなく、本当に悪の道に入ってしまう人も、、、、
自分も高校生当時は不良にあこがれながらも、あー、でも不良になったら喧嘩弱いけど喧嘩せなあかんし、おかんに怒られるし無理やなーと思いせいぜい机の引き出しに灰皿代わりのコーラの空き缶をしまってたり、連れの家でビールは苦くて飲めへんから赤玉パンチ飲んでたりと。
しょぼい反抗してました。(理由なしよ、まさに)

そんな不良にあこがれてた自分とローリング・ストーンズとの出会いはヒットチャートの1曲としてでした。
1986年、「ワン・ヒット」という曲がシングルになり、たまたまMTVかなんかで見たんですが、その内容はボーカルのミック・ジャガーとギターのキース・リチャーズが喧嘩しながら演奏するというものだったんですが不良にあこがれ募ってる自分にはめちゃめちゃかっこよく映りました。
けどこのギターの奴、悪そーやなー。
麻薬パンパンやってたり下手したら人を殺しとってもおかしない顔しとるなー、これがホンマの不良の顔やなー、ちと怖いと、今思うと(失礼ながら)あたらずとも、、、な感想を抱きました。

今聞くと、ストーンズの作品の中ではそんな傑作という事はありませんが、バラードを除いてかなりテンション高め。
特に1曲目の「ワン・ヒット」から4曲目の「ホールド・バック」まではたたきつけるようなミックのボーカルがかっこいいしプロデューサーのスティーブ・リリホワイトの作った地雷ドラムがズンズン響きます。
ラストのキースの歌うバラード「スリープ・トゥナイト」の渋さは今現在のキースの幽玄なバラードの原点かなと思います。トム・ウェイツのピアノも泣けます。
全体としてはヨタヨタしながらもガンガン突っ走る結構暴力的なアルバムだと自分としては思います。不良にあこがれる男子は是非聞いてみては。あ、タイトルは「ダーティー・ワーク」。まさに不良にぴったり!!



アーティスト: The Rolling Stones
タイトル: Dirty Work