ロックバンドの理想、U2 | ONE HIT TO THE BODY

ロックバンドの理想、U2

気の合う友人と飲んだり遊びに行ったり温泉に行ったり、はたまた共通の趣味
があればそれについて時を忘れ語り合う、、、楽しいですよね?

でも、ことそれが仕事の話となると別。いくら仲がよくたってみんなで役割を持って仕事をしてる以上、それなりの能力が必要とされるわけです。
誰かひとりが極端に劣ってたりすると、他の人にはそのしわ寄せが来るわけで、それがみんなの怒りを買いその挙句、今までの友情なんか無くなって嫌悪感に変わると。社会って厳しいなー。

ロックバンドも例外ではなくて、最初は例えば幼馴染とか学校のメンバー募集のチラシを見たりとかベースとドラムがおらへんから誰でもいいから入ってもらったりとかで結成されたりします。
みんなで一緒に演奏するのが楽しくてはじめのうちは上手くいってたりするのですが、曲を作るメンバーの一人が、理想とする演奏をギタリストができなかったり、細かなリズムをドラムが叩けなかったりすると「もうお前らとはやってられん!もっと上手い奴入れるわ」ということになったりして仲良しバンドも崩壊ということになる訳です。

U2というバンドは結成されてから20年以上経つのですがメンバーチェンジは一切無し。曲と詩の美しさはいうに及ばず、独特のシャカシャカ刻むリズムギターと強靭なリズムセクション、ボーカルのボノのまっすぐ心に突き刺さる唄で何年もトップバンドであり続けてます。
きっとメンバー全員の理想がそのメンバー自身であるという稀有なバンドなのでしょう。

昨年出た「HOW TO DISMANTLE AN ATOMIC BOMB」も実に素晴らしいアルバムです。
1曲目「VERTIGO」の疾走感、ディストーションの効いたギターでつかみはOK。
続く「MIRACLE DRAG」の美しいメロディと間奏の登りつめるギターソロ。ある意味ギターポップだと思えるんですが。
ボノの父に捧げられた「SOMETIMES YOU CAN'T MAKE IT ON YOUR OWN」の一節、
”あなたに伝えたいんだ
一人で頑張る必要はないんだってこと”
は感涙です。
8曲目「CRUMBS FROM YOUR TABLE」では
”住んでる場所によって
生きるか死ぬか決まるのはおかしい”

と歌い、それまで人間関係について言及していたと思われるこのアルバムの中で、もっと広義な意味での人のあり方を語っています。やはりU2はいつまでも信頼できるバンドです。
全曲捨て曲なし、名盤です。



アーティスト: U2
タイトル: ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム (DVD付 初回限定盤)