昔ファッションンリーダー、今はええオヤジ。エリック・クラプトン | ONE HIT TO THE BODY

昔ファッションンリーダー、今はええオヤジ。エリック・クラプトン

初めてクラプトンのライブに行ったのは復活の名盤「ジャーニーマン」を引っさげてのツアー、大阪城ホールでした。
この頃はまだ例の「アンプラグド」は出てなくて、コアなファンプラスαという客層だったように思います。最近のライブでは後半の「コカイン」「レイラ」にならないと総立ち状態にはならないんですが、この時は選曲のせいでもあろうかと思うんですが最初からかなりもりあがってたように思います。当然騒ぐの好きな性質なんで最初から立ってましたけど。

エリック・クラプトンという人はそのミュージシャンとして、ことギタリストとしての圧倒的な才能を武器に、もう何十年も第一線で活躍し続けてます。 クリームの頃の聞くものを椅子に押しつけるようなブルージーで攻撃的な演奏、その後ザ・バンドに影響されて以降のレイドバッグした(美しいソロも存分楽しめる)スタイル。80年代は機械かぶれであんまり好きではないんですが、、、

その彼の復活の狼煙をあげたのが「ジャーニーマン」です。
機械の使用もほどほどになり、泣きのギターも十分楽しめます。コンテンポラリー(当時)なバッキングもあまり気にならず、オープニングの「プリテンディング」は渋いボーカルと泣きのギターで決めてくれます。3曲目の「バッド・ラブ」は全体の雰囲気はレイラ、途中のブレイクのギターはバッジという感じでかっこいいです。フィル・コリンズのドラムもこんな感じなら許せます。
続く「ランニン・オン・フェイス」ではこれまたかっこいいドブロを決めてくれています。多分彼のボーカルのお手本であるレイ・チャールズの「ハード・タイムズ」も円熟の極みです。
あとジョージ・ハリソン作の「ラン・ソー・ファー」(彼の遺作にも収録されました)ではジョージの12弦ギター、ボーカルとのレイドバックした感じがいいです。ラストはブルースカバー「ビフォー・ユー・アキューズ・ミー」で、ロバート・クレイとのギターの掛け合いをびしっと決めてくれます。

思うにこの人は昔からずーっとブルースという大きな軸を持ちつつ、結構したい放題且つミーハーだったんだなーという感じがします。ザ・バンドに憧れたときはレイドバックした音を、ボブ・マーリーにはまった時はレゲエを、コンテンポラリーサウンドに興味があったときは機械をいっぱい使い(この時期は嫌いです)という感じで。裏返すとプロデューサー次第でころころ変わるんではないかなと。
次作はジェフ・リンかダニエル・ラノアかドン・ウォズと組んで欲しいな。フィル・コリンズとは縁切ってくださいね。



アーティスト: エリック・クラプトン
タイトル: ジャーニーマン