Dark sideからの毒霧 -50ページ目

カメの冬眠

出口の見えないトンネルで右往左往していたら、一筋の光が見えた気がした。

その光を目指して一生懸命、少しずつ進んでいたらいつのまにか必死になりすぎて下を向いて進んでた。

まっすぐ前にあったはずの光は顔をあげたらなくなってた。

手も足も出なかったカメは頑張って、勇気を出して進んだのに行く先がわからなくなってまた甲羅に閉じこもった。

ウサギだったカメ。

心はまだウサギのまま。

淋しいと死んでしまうウサギのまま。

でも、甲羅の中で寒い冬を越えるように、この苦境をじっと耐えるんだ。

そうすれば、きっとまた光が見えることを夢見て。

耐えられるかな。

耐えてる間に死んじゃうかも。

次の生には光が溢れることを願って。

無己

自分の心がからっぽって意識してからなんか焦燥感が溢れてくる。

恋愛に事欠かない人にはわからないんだろうな。


オレは誰かに好きと言ってもらったことはない。

今まで付き合ってきた人には言ってもらったけど、自分が片想いをして好きにさせたことはない。


誰かに好意を持って、大した感情の重さはなくともそれがきっかけで相手に自分を意識させることができる人にはわからない悲しみ。


オレは独りだ。


心に誰かがいること。

それは相手にされてなくても、それだけである程度満たされる。

心に何も無い。

ただ素敵だって思うことは恋じゃない。


幸せになれそうって予測。

幸せになりたいって願望。

その願望が強くなり高まって現れた幻想。


それでも、漢字の誤変換は彼女の名前を出してきた。

偶然なのか必然か。

必然だとしたら意味するものは。


答えは誰にもわからない。

オレが死ぬときすべての答えがそこでわかる。

アカシックレコードを自ら見たとき、すべてを知る。


オレは今、幸せなはずだが、自らが理想とする幸せとは思っていない。

そのときが来たらわかるすべて。

でも、今が幸せでありたい。

そんな幸せが真の幸せかどうかなんてわからないが、オレはそれを求めている。


理想がそこにあるのに手に入れることができないジレンマ。

手に入れる資格さえ与えられない。

興味すら持ってもらえない、避けられる自分。

そんな自分に自信など持てぬ。

愛されることから始めればまた同じ事を繰り返す。


思い描く理想と、突きつけられる現実。

オレはどうすれば現状を打開できるのか。

暗中模索の日々はまだ続く。


好きになり方

人はなぜ人を好きになり、一緒にいたいと思うのだろう。

それはおそらく動物学的な本能なのだろう。

だが、人間は高度な知能を持ちしばしば頭でっかちな恋愛をする。


普通、恋をするときに動くものはまず心(気持ち)なはず。

今まではそうであったし、頭でいいなと思い近づいた場合ろくな結果になってない。


オレは今回、心が動いているものだと思っていた。

だが、プライベートで丸一日一緒にいて職場となんら変わり無い関係。

隣に座っている彼女の存在にドキドキしない自分に気付いた。


女性としてのかわいらしさ、内面の強さ、優しさ…

オレから言わせれば完璧に近い人。

そのイメージを頭の中に作り上げ、自分で自分のマインドコントロールを知らないうちにしていたようだ。


かわいいと思うし、素敵だと思う。

好きなのか?と、問われれば好きだと答えるだろう。

一緒に、結婚という意味で、一緒にいられたら必ず幸せになれる女性である。

でも、恋をしているとき特有の緊張というものが一切ない。


気持ちが動く恋愛ではない気がしてくる。

オレの心はどこにある。

自分の心と向き合うことの答えはまだまだ見つかりそうにない。


今、オレは何を求めているのか。

答えは無いのかもしれない。

オレの心は実はからっぽ。

何もない。

これが真実なのかもしれない。