恩
上向きの兆し。
しっかり見えた。
楽しい時間。
久しくなかった時間。
ただ根本は何も改善されてはいない。
だからいつまた落っこちるかわからない。
人はそれぞれいろんなものを抱えてる。
そのせいで辞めてしまっても仕方ない。
むしろ、しんどい状態で続けられても見てられない。
オレが人間的に好きな人。
その人たちの辛そうな姿は見てられない。
だからオレはとめない。
泣きそうだった。
いつもと違う姿が痛々しかった。
無理する必要はない。
自分を大事に。
自分にも愛を。
まわりから愛されている人は、自分も愛していい。
まわりから愛されていない自分は自分を大事にする必要はない。
心に留めておいてほしい。
痛々しい姿を見るだけで涙を流す人間がいることを。
オレは愛を持って接する人には幸せになって欲しい。
それがオレの恩返し。
頑張らなくていいんだよ。
少し楽をしようとして。
支える人はちゃんといるから。
信頼という虚構
嫌われ者はどこまでいっても嫌われてる。
信頼していた人にまで陰口を言われる始末。
社会からの疎外。
そこにいるだけで迷惑な存在。
なぜここにオレはいる。
誰も信じられない。
誰も近寄るな。
淋しいけど、人と接して裏切られるならずっと独りでいたい。
誰もわかってくれないこの心。
温暖化でもなんでもいい、いきつくとこまでいってこの星が消えてしまえばいい。
幸せは誰のもの
帰宅途中、コンビニに入ろうとしたときドアですれ違った浴衣の男。
手には紙パックの飲み物。
コンビニで買い物を終え自転車で家まで漕ぎ出す。
途中さっきの男を追い越そうとしたそのとき。
男は飲み終えた紙パックを路上に捨てた。
おそらくデート帰りなのだろう。
近隣であった花火を見に行った帰りなんだろう。
男が浴衣を着るなんて女性に頼まれなければまずないはず。
若ければ特に。
女性と一緒ならやさしくいい人。
彼女のいないところでは悪行三昧。
そんな人間が幸せでいる現実。
こんな世の中。
ふざけるな。
本当の愛は拒まれ、偽りの愛は受け入れられる。
これが現実だ。
ならば悪に心を売ろう。
純粋に愛しても受け入れられないのであれば、不幸を願おう。
すべての幸せを不幸に。
別れろ。
そしてオレの元へ来い。
さらなる不幸を与えてやる。
オレだけ幸せになり、あなたには最上の不幸をプレゼントしてあげよう。
不幸。
素晴らしいではないか。
悪に染まれば、たとえ愛する相手が不幸でも高笑いしてられる。
オレのいるべきところは悪なのだ。