何人かの方と話していて、疑問になったのが「拝見のときの帛紗捌き」です。
これは今までの帛紗捌きの話と違い、やり方の違いではなく、「拭く場所」の話です。
拝見に出す際も、使い帛紗で清める訳ですが、この直前に建水で叩いたとはいえ、使い帛紗は抹茶が付いた状態になっています。
つまり「汚れている帛紗」で「拝見前の清め」をすることになるのです。
しかも、捌き方で「汚れが最も付いているところ」で拭くことになるのですね。
ところが、武家茶の点前をつぶさに見ていると「拭く位置が変わっている」ことが分かりました。
これが、「一方捌き」の意味だったんです。
つまり、常の三角捌きの前に一方捌きをすることで、生地を送って場所を変えていたんです。
なるほど!
これは、これが本来であったか、もしくはもっと違う捌き方で違う場所を出していたかのどちらかであったものが、伝承されなくなったのではないか?という話まで出ました。
ここは深堀りしていきたいところですね。
拝見の一方捌き、取り入れたいと思います。



