今年は、閏六月(本日は閏六月七日)がある年で、太陰太陽暦では、およそ三年に一度閏月が挿入され、一年十三ヶ月となります。

 

 これは、太陰暦が小の月(29日)と大の月(30日)が交互に来る太陰暦では、年間11日ほど少ないため、三年で一ヶ月ほどのズレが生じることによる補完法です。

 

 19年に7回閏月を加えるとほぼ誤差なく暦を運用出来ることは古代から知られていました。この周期をメトン周期というそうですが、東洋では「章」という言い方をします。

 

 閏月は二十四節気がズレて該当する月に含まれなくなる箇所に挿入するというルールがあり、その上、二至二分の該当月を担保します。

 

 一月 ⇒ 節気/立春 中気/雨水

 二月 ⇒ 節気/啓蟄 中気/春分

 三月 ⇒ 節気/清明 中気/穀雨

 四月 ⇒ 節気/立夏 中気/小満

 五月 ⇒ 節気/芒種 中気/夏至

 六月 ⇒ 節気/小暑 中気/大暑

 七月 ⇒ 節気/立秋 中気/処暑

 八月 ⇒ 節気/白露 中気/秋分

 九月 ⇒ 節気/寒露 中気/霜降

 十月 ⇒ 節気/立冬 中気/小雪

十一月 ⇒ 節気/大雪 中気/冬至

十二月 ⇒ 節気/小寒 中気/大寒

 

 今年は、このまま閏月がないと秋分が七月、冬至が十二月に入ってしまうため、閏六月が差し込まれることになりました。

 

 ただ、茶道の世界だと閏の道具というのは特にないため、同じ月が2回重なるということになり、大変困ったことになりますが、今年は9月~10月をお休みするので、前倒しできるのがありがたいですね。

 ちなみに閏月のある年は暑いというジンクスがあります。

 昨日の話の続きですが、宇喜多能家(和泉守)に細川高国が名馬一匹と茶釜を送ったというエピソードで、面白い組み合わせだな~と感じる一方、得心出来る部分もあります。

 

 実は、当時茶の湯は、大名や武将の間で大流行していたんです。

 

 これは寿命が短い当時の人たち(ほとんどが鉛中毒と結核と言われています)からすると、寿命が延びると言われる抹茶はまさに憧れる妙薬だったのではないかと。

 

 まさしく「茶是長寿友」を求めての茶の湯だったのではないかと。

 

 他にも朝倉宗滴を去らせるのに、茶入を送って細川高国を疑心暗鬼に陥れるという計略を盛り込みましたが、ここでも茶道具を鍵にしています。

 

 茶会を描くことはなかなかに難しいこともあり、実際に茶道具が売り買いされたり贈られたりしたエピソードを元に、小説として盛り上がる話にしているかと思います。

 

 こうした話は、実際の歴史にも残っていたりします。

 

 今よりも茶道具は高価だったので、贈り物としては最適だったのでしょう。

 

 私も多分茶道具を贈られると喜びますwwww

 利休の小説だというのに、利休が出てこないじゃないか!というご意見もあるでしょう。

 

 ですが、利休を主人公としてはいるものの、『数寄の長者』は利休の物語ではありません。

 

 歴史に散りばめられた茶の湯の話を歴史小説に如何に取り入れるか?ということが主眼になります。

 

 現在、第廿六服を校閲中ですが、ここに登場する浦上氏という一族がいます。

 

 この一族は茶の湯ではほとんど知られていないのですが、とても茶の湯とは深い関わりのある一族です。

 

 というのは、浦上氏出身の宗峰妙超(大燈国師)が、正和4年(1315年)(元応元年=1319年とも)、叔父の赤松則村(円心)の帰依を受け、洛北紫野の地に小堂「大徳庵」を建立したのが「大徳寺」の起源だからです。

 

 大徳寺は、言わずと知れた茶の湯とは切っても切れない関係にある禅寺です。

 

 この宗峰妙超が浦上庄を寄進され、一族に分配したのが浦上氏の始まりということで、実は非常に密接な関係であったことが分かります。

 

 赤松氏も一族で臨済宗に帰依しており、浦上氏とともに臨済宗を支えていきます。

 

 こうした歴史を茶の湯の世界の人に知ってもらうことが『数寄の長者』の意義と考えています。

 

 ちなみに、私の創作ではありますが、第廿六服には古天明の「唐犬釜」が登場します。

 

 歴史は苦手!と言わず、一度読んでみていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 本日は旧暦六月廿八日、二十四節気の第十二「大暑」です。

 一年の中で最も暑い時期です。気温が上がることもありますが、湿度が高く、寝苦しい日が多いのが特徴です。ちなみに気温だけでいうと、秋の方が高かったりしますが、秋になると湿度が下がるので涼しく感じることが多くなるんですね♪


 我が家では打ち水はずっとやっていますが、今年はあっという間に乾いてしまいます(驚)

 

 そして、今朝は草熅れ(くさいきれ)がムワッと……流石大暑!

 『暦便覧』には「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されていて、やはり暑さの代名詞になっています。

 暑中見舞いは大暑に入ってから送るものとされますが、暑中見舞いを出しそびれたら処暑までに残暑見舞いを送るものとされています♪


 これは立春を過ぎてから送る「余寒見舞い」と同じですね☆彡

 着物としては、麻が大活躍!

 五つ紋で第一正装にもなる白麻から、一つ紋で略礼装になる無地の麻や小千谷縮も礼装で大活躍ですね♪

 茶道具では、釣瓶水指や氷点前や洗い茶巾、穂出し茶筌(平茶盌)、裏千家さんでは葉蓋の点前、表千家さんでは真夏の筒茶盌など、各流派が工夫を凝らして涼を添える時期でもあります。

 また、義山(ギヤマン)の道具もよく見かける時期でもあります♪ 私も師匠から母がいただいた水指使いましょうか!★彡

 この時期の掛軸としては「心月水月涼」とか「涼風入草堂」、「清風在竹林」など涼しさを演出できるものがいいですね。瀧などもいいとされています♪

 

 

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「お茶は食事とお酒とお茶が揃ってこそ!」
 

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 お茶事に抱くイメージってどんなものがありますか?
 

 お茶事ってどんなもの?
 

 茶道ってどんなことしてるの?
 

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 茶道の醍醐味といえば「茶事」。
 

 茶事というのは、まず懐石があり、お酒があり、そして最後に濃茶と薄茶をいただくというもの。
 

 そう、本来のお茶とは食事とお酒とお茶がセットになったもてなしのことなんです。
 

 月桑庵の「お茶事へ行こう」は、本格的なお茶事とは違い、炭点前がありません。あくまでお稽古です。
 

 懐石に慣れることを目的としておりますので、少々ゆっくり目に時間を取らせていただいております。
 

 さらに、自分たちだけのために用意された小さな美術館として、日本の伝統工芸に身近に触れられます。陶器、漆器、指物、竹工、金工、羽細工、鋳物、織物、染物、建築、造園、書や香などが所せましとそこにあります。
 

 そして着物で出掛ける場所としてこれほど相応しい場所もありません。
 

 ご興味ございましたら是非お出掛けください(*˘︶˘*).。.:*♡

 

 8月17日は旧暦閏六月廿四日。少々早いですが、七夕の設えで(今年は8月29日が七夕です)いたします。松花堂弁当(中身は自家製ですよ!)に煮物椀をお付けした形での懐石です♪

 

 濃茶 
 薄茶 氷点前(冷水点て)
 

 定員5名(別途手伝い枠3名)
 

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■日時
 令和7年8月17日(日)
 懐石:12:00~14:00
 八寸:14:00~15:00
 濃茶:15:30~16:30
 薄茶:17:00~18:00


 開始15分前までにお越しください。
 

 時間はあくまで目安です(席が分かれていて途中参加できるわけではございません)。また、予定時間通りに終わるとは限りませんのでご理解ください。
 

 茶事終了後、お時間のある方はお残りください。お凌ぎがございます。

 

※濃茶【こいちゃ】
 本来のお茶。一般的に思い浮かべる抹茶よりもどろっとして濃い抹茶。菓子は上生菓子を添える。

 

※薄茶【うすちゃ】
 一般的に抹茶といわれると思い浮かべる抹茶。菓子は干菓子または半生菓子を三種以上添える。
 

大寄せでは上生菓子にてお出しすることも多いです(笑) 

 

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■会費
 9000円(懐石・八寸・濃茶・薄茶)
 会費は当日封筒に入れてお出しください。
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■参加方法
下記予約ボタンより予約をお願いいたします。

 

STORES 予約 から予約する

応募期間終了後は

darkpent@gmail.com

まで


■申し込み締め切り
 定員になり次第募集終了です。
 また、菓子の都合もありますので、一週間前には締め切らせていただきます。ご注意ください。
 加えて、キャンセルもそれまでの受付とさせていただきます。キャンセル料は全額お支払いいただきますので、ご了承ください。


■ご新規さまへのお願い
 当日キャンセル後、ご連絡取れない方が多いため、ご新規さまにつきまして会費の事前振込をお願いすることになりました。何卒ご協力おねがいいたします。


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■服装
 洋装OKです。
 ただし、できるだけゆったりとした【外出着】でお越しください。ジーンズやミニスカートはお控えください(できるだけ膝丈より長いもの)。カジュアルすぎる物はお避け下さい。
 男性は七分裾などの短いものはNGです。
 また、当会はお稽古会ですので、お着物の場合は小紋、浴衣、絣など普段着や紬などの普段着・お洒落着(無紋の訪問着)でOKです。
※通常のお茶会は色無地紋付以上の礼装となります。

 

■ご用意いただくもの
・懐紙【かいし】
 お菓子を頂いたりする際に用います。
 

・菓子切り【かしきり】
 菓子を着る金属や竹などでできた楊枝です。金楊枝ともいいます。
 

・扇子【せんす】
 茶道用の扇子です。礼をする際などに必要です。五寸、五寸五分、六寸、六寸五分があります。
 

・帛紗【ふくさ】
 茶道用の帛紗。点前をする際に亭主が腰につけ、道具を清めるのに用います。
 ※習われている方以外は不要です。
 

・小帛紗【こぶくさ】または出し帛紗【だしぶくさ】など
 茶盌(ちゃわん)が熱いときや道具を拝見する際に用います。濃茶には必須です。
 ※お貸しいたします。
 

 以上のものにつきましては、
 ・薄茶席の方はできるだけお持ちください。
 ・濃茶席の方はお持ちください。
※ご用意のない場合はお貸しいたします(未経験の方)。
 

・替え白足袋または白靴下
 足袋カバーをお脱ぎいただいても構いません。洋装の方は履き替えていただきますので、必ずご持参ください。
 

・封筒
 会費は封筒に入れてお名前をお書き添えの上、ご持参ください