皆さん、着物と浴衣の違いってなんだかご存知ですか?
素材? 柄? 形は一緒ですね。
実は「襟」が違います。
といってもこれは女物だけの話なんですが。
女物は、礼装用や御洒落着は「広襟」、普段着は「撥襟」で仕立てられていますが、浴衣は男物と同じ「棒襟」というのが本来の襟になります。
ところが、大正ぐらいから、撥襟で仕立てる人が出始めます。これが「外行着としての浴衣の始まり」とされています。
そもそも浴衣というのは、屋内着で一年中着ていいもので、風呂上がりの汗取り着です。それを着て夕涼みに出かけるようになったのが、外着としての始まりですが、あくまで夕涼みの時間帯に歩いていける距離の範疇でのことになります。
ところが、大正時代ぐらいから、初詣の習慣が生まれると、祭りに遠出するということが始まります。
この頃に仕立てられた浴衣に撥襟の浴衣があり、「半襟を付けて出かけた」と言われています。
そして昭和になり、呉服屋さんが「着物としても着られますから」と撥襟で仕立てる事を勧め始めます。
こうして、棒襟ではないお仕立ての浴衣と棒襟の吊るしの浴衣が生まれます。
男物は、礼装から浴衣まで全て棒襟のため、基本見分けがつきません(笑)
褝(単衣)の着物にしては生地が薄いというのはあるのですが、まぁ、着物として着るのは可能です。私はどちらかというと寝間着にしてしまっていますが。
ま、普段着の一つですから、そんなことはどうでもいいことなんですけれどもね。知っておいて損はないと思います。