2023年1月31日 静岡県三島市大宮町の三嶋神社に参拝しました。
彫刻が多いため、2回に分けて掲載します。
・静岡県・三嶋神社 その1/2 総門
・静岡県・三嶋神社 その2/2 拝殿
由緒
創建の時期は不明ですが、古くより三島の地に鎮座し、奈良・平安時代の古書にも記録が残ります。三嶋神は東海随一の神格と考えられ、平安時代中期「延喜の制」では、「名神大」に列格されました。祭神として大山祇命・積羽八重事代主神の二柱の神様をお祀りし、総じて三嶋大神と称します。伊豆一の宮として、源頼朝が挙兵に際し祈願をよせ、緒戦に勝利したことでも有名です。
総門
厳島神社・神池
総門
総門の唐破風・中備(拝殿側)
猩々(鳥居側)
高風という親孝行な人物が、夢の告げに従って酒を商うと繁盛してお金持ちになりました。高風の店にいくら酒を飲んでも顔色の変わることがない不思議な客がいました。名を尋ねると海中に棲む猩々だと名乗りました。ある夜、高風は猩々と海岸で会う約束をしました。酒を持って海岸で猩々を待っていると、猩々が海中より現れます。そして、酒を飲み、無邪気に酒を讃える舞を舞います。猩々は酒のお礼として、高風に汲めども尽きぬ不思議な酒壺を授けたという。
猩々(拝殿側)
中備(鳥居側):李白観瀑
李白は唐代を代表する詩人で、流浪の旅の途中で訪れた盧山の瀧を目の当たりに、自然のあるがままの様子に心打たれてただ立ち尽くしたという。
中備(鳥居側):王延
王延は九歳より曠眞人に仙道を学び、三洞の秘訣を授けられた。周の武帝は彼の名を聞いて召えさせたが、しばらくすると彼は暇を乞いて山へ帰っていった。王延は西岳にいた時、来客がある時には何処からともなく二羽の青鳥が飛んできて、客が訪ねて来ることを前もって彼に告げていた。また、彼の傍には常に虎や豹の猛獣が附ていて王延を守っていた。隋の文帝が位を皇太子に譲られた時、仙都の観に王延を任せていた。仁寿四年の春、王延は門人に近日、西岳へ帰ろうと思っていると話していたが、ある日俄かに死んでしまった。皇帝は彼の死骸を棺に納めて西岳へ送りったが、西岳の藩宅へ到着した時、死骸は棺から何時の間にか消え失せていたという。
参考として、王延 (絵本直指宝 五巻より)
中備(拝殿側):許由と巣父
聖帝尭が自分の天下を譲るという申し出を聞いた許由は、耳が穢れたといって川の水で耳を洗い、箕山に隠れたという。そして巣父は、そんな穢れた川の水を牛に飲ませられないと、牛を牽いて引き返したという。
中備(拝殿側):李鉄拐
八仙の一人。鉄の杖(拐)をついて歩いたとの言い伝えから「鉄枴」の名前が付いたといわれています。逸話に、鉄拐は弟子に「7日経って戻ってこなければ焼いてよい」と告げて、太上老君に会うために自分の魂を肉体から遊離させて崋山へ出かけて行った。6日目、弟子の母が病気になり、弟子は鉄拐の体を焼いて母の元へ行きました。7日目に鉄拐の魂が戻ってきたものの、体は既に焼かれて無く、仕方なく付近にあった乞食の死体に入ったということである。そのため、鉄拐がボロを身に纏い、かつ魂が抜け出している姿で表現されることが多い。
中備(右側):莫月鼎(莫月昂) (左上に太陽と太陽を隠す雲がある)
莫月鼎は潮州の人である。四川省青城山の徐無極より五雷の法を授かった。ある時、西湖に舟を浮かべて客と杯を交わしていると、客が彼に暑くて堪らないので、雲で日差しを遮ってもらえないかと頼んだ。彼は快くし承諾し、木の実の殻を盃の中に浮かすと、見る見るうちに墨雲が湧き出て日光を遮った。また、ある道士が中秋の名月に観月の宴をしようと多数の知人を招いて酒宴を開いた。しかし、雲が出て月を隠してしまい、興ざめになってしまった。道士は莫月鼎を招くのを忘れて、彼の怒りを買たのではと気付き、急いで彼を座敷に招き非を詫びた。莫月鼎は何も言わず片手を上げると雲は失せて無くなり、一座は楽しく観月の宴を続けたという。
参考として、莫月鼎 (諸職画鑑より)
中備(右側):梅妻鶴子
林和靖は、中国北宋の詩人で、生涯官に仕えず、西湖のほとり孤山に庵を編んで自適の生活を送った人物として知られる。妻のかわりに梅の木を、子のかわりに鶴を愛でていたという。
中備(左側):黄安仙人
列仙伝という中国の道教にまつわる説話集で、70人の仙人たちの伝記が載せられている。その一人が黄安。黄安は中国前漢の武帝時代の仙人。家にいる時には三尺程ある大亀に乗っている。逸話に、今年で何歳になるかと聞くと、この亀は三千年に一度顔を出し、今まで五度頭を出しているので一萬五千歳と答えたという。長寿、永遠の象徴となっている。
中備(左側):張果老(瓢箪から駒)
張果老は白い驢馬に乗って各地を廻り歩き、休むときは驢馬を瓢箪の中に収めていたという。
コメント:虎と一緒にいる仙人は、董奉と巨霊人だけだと思っていたのですが、”杏の木”も”川”も無いため、調べ直したところ、王延という仙人がみつかりました。