静岡県・大瀬神社 | 神社に隠れていたモノ

神社に隠れていたモノ

神社の彫刻を見て、何の物語か教えてほしいと思ったことがあり、調べた結果をブログします。タイトル「神社に隠れていたモノ」は覆屋の中にこんな素晴らしい彫刻が隠れていたのかという思いから付けました。

2023年1月31日 静岡県沼津市西浦江梨の大瀬神社に参拝しました。

 

由緒

大瀬神社は正式には「引手力命神社」といいます。創建時期は、白鳳13年(684年)に発生した大地震に伴って海底が突然三百丈余も隆起して「琵琶島」と呼ばれる島が出現しました。そのため、この地震で海没した多くの土地から神が土地を引いてきたのだ、と考えた人々がこの地に引手力命を祀ったのが始まりとも言われています。引手力命は駿河湾の漁民から海の守護神と信仰され、船を新造する時には、必ずこの神社に参詣し、海上の安全を祈願したと言われています。毎年4月4日には大漁旗を揚げた船が集まる例大祭が行われます。

鳥居

 

拝殿

 

懸魚:烏天狗

 

中備:鞍馬天狗「僧正坊」から武術を習う牛若丸(義経)
幼い日の牛若丸(源義経)は、鞍馬山で鞍馬天狗「僧正坊」の指導のもと、夜な夜なカラス天狗達と剣術や妖術を習い、兵法を学んでいたという。

 

木鼻:獅子・獏

 

 

欄間に唐獅子牡丹などの彫刻があります

 

海老虹梁:降龍

 

海老虹梁:昇龍

 

右面の脇障子:新田義貞と稲村ケ崎
新田義貞は鎌倉幕府討幕のため進軍。しかし、鎌倉は三方を山、一方を海に囲まれ、守りやすく攻められにくい天然の要塞ため、攻めあぐみました。義貞は稲村ケ崎で黄金の太刀を海に投げ入れて龍神に祈願すると、潮が大きく引いて、海岸伝いに鎌倉へ攻め入ることが出来、勝利したと伝えられる。

 

左面の脇障子:北条高時?  (右面の新田義貞と対する武将から、鎌倉幕府討幕時の鎌倉幕府の事実上のトップ[鎌倉幕府第14代執権]である北条高時と推測)

 

  * 執権とは鎌倉殿(鎌倉幕府の棟梁)を助け、政務を統轄する役割であった。しかし、鎌倉幕府の将軍が3代目の源実朝で途絶えると、摂関家・皇族から名目上の鎌倉殿を迎え、その下で執権が幕府の事実上の最高責任者となる体制となり、次第に執権の権力が増大していった。
 
海上の安全を祈願して、”赤いふんどし”を奉納する風習があるらしい

 

 

神池には拝観料100円が必要。

神池
神池は最長部の直径が100メートルほどの淡水池がある。大瀬崎に囲まれており、最も近いところだと海との距離はわずか15m。コイやフナといった淡水魚がこの池には生息している。

 

 

推定樹齢1500年以上のビャクシンの御神木。幹周約7m。

 

ビャクシン樹林
境内には百数十本ほどのビャクシンがあり、全て神木とされる。国指定天然記念物となっている。

 

コメント:大地震に伴って海底が隆起して出来た場所に作られた神社。中備の鞍馬天狗の彫刻が好きです。

 

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