1961年10月の、オランピア劇場公演からの録音です。
「ストレート」に感情をぶつけていることで、いま聴いても「心が震える」絶唱です。
この公演では、「劇場専属」のオケ(指揮は、ダニエル・ジャニン)が伴奏を務めたため、ジェラール・ジュアネスト(1933-2018)の他に、フランソワ・ローベール(1933-2003)も「ピアノ」を弾いています。
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12148831939.html?frm=theme(参考:「オランピア1961」その1の記事)
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12149616841.html?frm=theme(参考:「オランピア1961」その2)
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12150098449.html?frm=theme(参考:「オランピア1961」その3。この曲を含みます)
「テレビ出演」の映像。こちらは、1961年9月9日放送のものです。
オランピア劇場公演「直前」の映像でもあり、その「演技」も、「注目」すべきものです。
同じく、こちらは、1961年5月31日放送のものです。
こちらが「オリジナル録音」です(1961年2月22日録音)。
最新のブレルの「トリビュート・アルバム」、「CES GENS-LA "あの人たち"」より、若手女性歌手、リヴ・デル・エスタル(1997-)が歌ったバージョンです(彼女は、オーディション番組「The Voice(7thシーズン)」の出身です)。
「歌唱映像」も見つけました。
「若手」ながら、相当の「表現意欲」、「演技力」を感じます。
この映像は、先月末、「3月29日」に公開されたばかりのものです。
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12454468428.html(前回の記事)
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12453818864.html(最新トリビュート・アルバム「CES GENS-LA」の記事)
https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10096189787.html(これまでの記事)
昨年、「没後40周年」(「10月9日」が「命日」)を迎えた、シャンソン界の「3大巨匠」の1人、ジャック・ブレル(1929-78)ですが、今年は「生誕90周年」と、これもまた「記念の年」に当たっています。
その「誕生日」は、「4月8日」でした。
というわけで、「特集」にてお送りしていますが、今回紹介する曲も、最新のトリビュート・アルバム「CES GENS-LA "あの人たち"」に収録された「名作」です。
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「l'ivrogne "酔っぱらい"」(1961)。
今回は、この作品を採り上げてみたいと思います。
この曲、「l'ivrogne "酔っぱらい"」は、すでに紹介している、「le moribond "瀕死のひと(そよ風のバラード)"」や、「on n'oublie rien "人は何も忘れない"」とともに、1961年2月22日、当時のフィリップス社で録音された作品で、この後、最終的に「4月12日」に録音された「Marieke "マリーク"」(「3度目のテイク」)などと合わせ、「アルバム」として発売されましたが、これが、フィリップス社では、「最後のスタジオ録音盤」となりました。
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12366040761.html?frm=theme(参考:「瀕死のひと」の記事)
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12401902108.html?frm=theme(参考:「人は何も忘れない」の記事)
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12367824291.html?frm=theme(参考:「マリーク」の記事)
当時のブレルは、「大ヒット曲」も出ており(それが、「ne me quitte pas "行かないで"」や、「la valse a mille temps "華麗なる千拍子(千拍子のワルツ)"」などであることは、もう、言うまでもありません...)、すでに人気を「確立」していたとも言えるのですが、その10月、「オランピア劇場」に、初の「グランド・ヴデット(真打ちの大スター)」としてステージに上がったことにより、それは「決定的」なものとなりました。これ以降の「活躍」はまた「目覚ましい」ものがあり、まさに、「爆発的」とも言える、「一大センセーション」を巻き起こすことになったのです。
その「前夜」とも言えるのが、この「l'ivrogne "酔っぱらい"」などといった「一連の作品」だと思うのですが、「初期の名作」でありながら、この曲自体は、日本では「あまりよく知られていない」といった感じもします(「バークレー」移籍前の「初期作品」が、日本では、あまり「再販」されていなかったこともあるかと思いますし、この曲は、「再録音」もされていません...)。
この曲は、「内容が内容」なだけに、カバーも「正統派」が「多い」と感じます。また、「初期作品」の中では、「よく採り上げられている」方だとも思います。
こちらは、ヴァレリアン・ルノーという歌手(「TOKIO」の長瀬くん!?...笑)による「熱唱」です。
こちらは、2016年の8月に公開された映像で、「les cinq Jacques(5人のジャック)」というグループによるものです。
ブレルへの「リスペクト」が存分に感じられる動画だと思います。
こちらは「ロック」(プログレ)系のカバーのようです。
ブレルは、こうしたアーティストからも「絶大な支持」を集めています。
この他にも、まだまだ多くの「カバー」が動画サイトで見ることが出来ました。
やはり「名曲」ですね。
こちらは、ピーター・オストロウスキによる「英語版」ということです(詳細は不明です)。
それでは、以下に、「l'ivrogne "酔っぱらい"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。
この曲は、ブレル自身が詞を書いていますが、曲は、何と、ブレル、ジェラール・ジュアネスト(1933-2018)、フランソワ・ローベール(1933-2003)の、豪華な「三者タッグ」による作品です。そのため、大変「ドラマティック」な曲となっています。
ジェラールとフランソワの「共作」は「非常」に珍しく、この曲以外では、1963年4月に録音された作品、「j'aimais "夢多き頃"」しかありません。
こちらです。1963年9月15日のテレビ番組からの映像です。
「l'ivrogne "酔っぱらい"」に話を戻しましょう。
ここでは、女性に「裏切られた」男が、「怒り」も「情熱」も忘れるほどに飲み、最終的には、「希望すらなくなってしまう」と歌っている、聴いていて、とても「切ない」曲です。
この曲は、先に「スタジオ録音」もされていますが、そのパフォーマンスよりも、「ストレート」に感情をぶつけている、オランピア劇場公演の「ライヴ盤」の方が、私は好きです。
「ルフラン(「繰り返し」の部分)」では、本来、「je vais(ジュ・ヴェ)」(俺は行く)というべきところを、「je vas(ジュ・ヴァ)」と言い間違えて、「言い直し」していますが、これは、「ろれつが回らない」様子を「演出」しているものだと解釈出来ます(「vas」は、正しくは、「tu(君は)」に対応する形で、動詞の「原形」は、「aller(行く)」です)。
「古い語法の名残り」という指摘も、一方ではあります(ブレルの場合、このような「破格的語法」を、特に「初期」にはよく使っていました)。しかしながら、この歌の「状況」を考えるとき、やはり、「ろれつが回らない」と解釈する方が「合っている」のではないかと思います。
ブレルには、「酔っぱらい」の曲が、実は「もう1曲」あります。
「カバー」もされていて、一部では「大変有名」な曲のようでもあります...(笑)。
こちらは、どちらかと言えば、「コミック・ソング」ですね(「哀れ」と言えば、「哀れ」ですが...)。そこでのブレルの「酔っぱらい」ぶりも、本当に「堂に入った」ものです。
これですね。「参考」までに...。
「a jeun "素面(しらふ)で"」(1967)。
というわけで...。
それではまた...。
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l'ivrogne 酔っぱらい
ami remplis mon verre
encore un et je vas
encore un et je vais
non je ne pleure pas
je chante et je suis gai
mais j'ai mal d'etre moi
ami remplis mon verre
ami remplis mon verre
友よ...俺のグラスを満たしてくれ
もう1杯 そしたら俺は...
もう1杯だけ...そしたら俺は行く
いや、俺は泣いちゃいない
俺は歌い、そして陽気さ
ただ、自分であることが辛いんだ
友よ...俺のグラスを満たしてくれ
友よ...俺のグラスを満たしてくれ...
buvons a ta sante
toi qui sais si bien dire
que tout peut s'arranger
qu'elle va revenir
tant pis si tu es menteur
tavernier sans tendresse
je serai saoul dans une heure
je serai sans tristesse
buvons a la sante
des amis et des rires
que je vais retrouver
qui vont me revenir
tant pis si ces seigneurs
me laissent a terre
je serai saoul dans une heure
je serai sans colere
君の健康を祝して乾杯...!
君はとても口がうまい
すべては丸く収まって
彼女も戻って来るだろうなんて...
君が「嘘つき」とは残念だ
薄情なマスターよ...
俺はもう少しで(1時間のうちに)酔っぱらっちまう
悲しみも忘れちまう
健康を祝して乾杯...!
仲間たちや笑いを
俺はまた見つけに行く
俺のところに、戻っても来るだろう
残念なことに
領主のダンナたちは、俺をこの地に置き去りにする
俺はもう少しで(1時間のうちに)酔っぱらっちまう
怒りすら忘れちまう...
ami remplis mon verre
encore un et je vas
encore un et je vais
non je ne pleure pas
je chante et je suis gai
mais j'ai mal d'etre moi
ami remplis mon verre
ami remplis mon verre
友よ...俺のグラスを満たしてくれ
もう1杯 そしたら俺は...
もう1杯だけ...そしたら俺は行く
いや、俺は泣いちゃいない
俺は歌い、そして陽気さ
ただ、自分であることが辛いんだ
友よ...俺のグラスを満たしてくれ
友よ...俺のグラスを満たしてくれ...
buvons a ma sante
que l'on boive avec moi
que l'on vienne danser
qu'on partage ma joie
tant pis si(pour) les danseurs
me laissent sous la lune
je(mais) serai saoul dans une heure
je(mais) serai sans rancune
buvons aux jeunes filles
qu'il me reste a aimer
buvons deja aux filles
que je vais faire pleurer
et tant pis pour les fleurs
qu'elles me refuseront
je serai saoul dans une heure
je serai sans passion
俺の健康を祝して乾杯...!
俺と一緒に飲んでくれ
踊りに来てくれ
喜びを分かち合おう
残念なことに(仕方がないが)
ダンサーたちは、俺を月の下に置き去りにする
(でも)俺ははもう少しで(1時間のうちに)酔っぱらっちまう
恨みなんか忘れちまう
若い娘たちのために乾杯...!
俺がまだ愛することの出来る娘たちに
俺がもう
泣かそうとしている娘たちに
彼女たちが俺を拒むのなら
この花たちもかわいそうだ
俺はもう少しで(1時間のうちに)酔っぱらっちまう
情熱すら忘れちまう...
ami remplis mon verre
encore un et je vas
encore un et je vais
non je ne pleure pas
je chante et je suis gai
mais j'ai mal d'etre moi
ami remplis mon verre
ami remplis mon verre
友よ...俺のグラスを満たしてくれ
もう1杯 そしたら俺は...
もう1杯だけ...そしたら俺は行く
いや、俺は泣いちゃいない
俺は歌い、そして陽気さ
ただ、自分であることが辛いんだ
友よ...俺のグラスを満たしてくれ
友よ...俺のグラスを満たしてくれ...
buvons a la putain
qui m'a tordu le coeur
buvons a plein chagrin
buvons a pleines pleurs
et tant pis pour les pleurs
qui me pleuvent ce soir
je serai saoul dans une heure
je serai sans memoire
buvons nuit apres nuit
puisque je serai trop laid
pour la moindre Sylvie
pour le moindre regret
buvons puisqu'il est l'heure
buvons rien que pour boire
je serai bien dans une heure
je serai sans espoir
あの、「いやな女」に乾杯...!
俺の心をねじ曲げた女
あの、たくさんの悲しみに
あの、たくさんの涙に乾杯しよう
今夜俺を泣かせる
この涙には悪いが
俺はもう少しで(1時間のうちに)酔っぱらっちまう
記憶もなくなっちまう
夜ごとに飲もう
俺は、あまりにも醜すぎるだろうから
あんなシルヴィーのために
あんなちっぽけな未練のために
飲むときだから飲もう
飲むためだけに飲もう
俺はあともう少しで(1時間のうちに)
希望すらなくなっちまう!!
ami remplis mon verre
encore un et je vas
encore un et je vais
non je ne pleure pas
je chante et je suis gai
tout s'arrange deja
ami remplis mon verre
ami remplis mon verre
ami remplis mon verre...
友よ...俺のグラスを満たしてくれ
もう1杯 そしたら俺は...
もう1杯だけ...そしたら俺は行く
いや、俺は泣いちゃいない
俺は歌い、そして陽気さ
すべては丸く収まった
友よ...俺のグラスを満たしてくれ
友よ...俺のグラスを満たしてくれ
友よ...俺のグラスを満たしてくれ...
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