(1961年の「オリジナル録音」です)

(1960年9月17日のテレビ番組からです)

(1960年3月30日、スイス・ローザンヌでのライヴからです。この曲の「ライヴ録音」は珍しく、「貴重」です)

(1972年6月、バークレーでの「再録音」です。)

(再掲。こちらは、ジュリエット・グレコによる歌唱です。1972年2月16日、「ボビノ劇場」からのテレビ中継ということで、前回の「vieille "老婦人"」も、この日の映像です)

https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10096189787.html(これまでの記事)

https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10096861753.html(テーマが「ジュリエット・グレコ」の記事)

 

今年は、シャンソン界の「3大巨匠」の1人、ジャック・ブレル(1929-78)の「没後40周年」(「10月9日」が「命日」)、来年は、「生誕90周年」(「4月8日」が誕生日)という「記念の年」に当たります。

 

前回の記事、「vieille "老婦人"」(1963, ジュリエット・グレコ)で、この曲についても少し触れましたので、ここであらためて、採り上げてみたいと思います。

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12401376966.html(前回の記事)

 

今回紹介する曲は、「on n'oublie rien "人は何も忘れない"」(1960-61)という作品です。

 

前回も書いているように、ブレルは、その「最初期」に、ジュリエット・グレコ(1927-)のもとを訪れています。

 

当時のブレルについて、グレコは、「やせて脇腹のくびれた馬のような、ひどく青ざめた顔をした若い男」と、その「自伝」(「グレコ 恋はいのち」1982-84年。中村敬子訳)で書いています。

 

「歌い始めると男は美しくなった」とも書いています。ブレルは、グレコに、「自作のシャンソンを歌ってもらう」ために「来た」のであり、この「出会い」こそが、「シャンソンの歴史」にも残る「伝説」の、「始まり」とも言えるものでした。

 

その後、1959年、ブレルは、再びグレコのもとを訪れました。この時に「同行」したのが、後にグレコの「夫」(1988~2018」)ともなった、「若き日」のジェラール・ジュアネスト(1933-2018, 「5月16日」逝去)です。

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12377159360.html?frm=theme(ジェラール・ジュアネスト「逝去」の記事)

 

1958年、後に「編曲・指揮」を務めることになるフランソワ・ローベール(1933-2003, 当時は「ピアニスト」)を伴って、劇場「トロワ・ボーデ」に出演していたブレルに魅せられ、ためらうことなく、「仲間」に加わったジェラール・ジュアネスト。名曲「ne me quitte pas "行かないで"」(1958-59)は、当時、「SACEM(フランスの「音楽著作権協会」)」にその名を登録していなかったため、現在でも、その名が「作曲者」として掲載されることはありませんが、彼が「作曲」した(手伝った)ことは、ファンの間では、すでに「周知の事実」となっており、「訃報」でも、はっきり、そう伝えられています。

 

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12200998388.html(「行かないで」についての記事)

 

「ジャックはブレルになった」とも、グレコは書いています。

 

この時、ブレルが持って来た曲が、今回の曲、「on n'oublie rien "人は何も忘れない"」(1961年発表)です。

 

「彼は、何も忘れることはなかった。そして、愛する者たちを決して忘れなかった。愛された者たちももちろんである」(ジュリエット・グレコ)

 

ブレルは、ジェラールの音楽に乗せて歌を作るのが「好き」で、その音楽は「イメージ」を作り、アイディアがどんどん進むのを、それが「形」になるのを、そして時にはアイディアが「生まれる」のを「助けた」、とも、グレコは「証言」しています。

 

「on n'oublie rien "人は何も忘れない"」は、「名義上」は、ジェラールの、「最初」の「作曲作品」となります(先述の「理由」のため)。その後、彼は、ブレルの「代表曲」となる「大ヒット作品」を、次から次へと生み出しており、このことが、彼の名を、世に知らしめている「最大の要因」とも言えるものなのです(これらの「偉大な作品」については、また、順を追って紹介していきたいと思います)。

 

この作品は、「同時期」に、「フラマン語(オランダ語の「ベルギー方言」)」でも録音されています。

 

人は何も忘れない

まったく何も忘れない

人は何も忘れない

「慣れてしまう」 ただそれだけ

 

この「指摘」は、とても「鋭い」と思います。

 

「良い意味」にも「悪い意味」にもとれてしまいますが、この短い「ルフラン(リフレイン)」の中に、「真理」が「凝縮」されているように思えます。

 

また、各節の「終わり」では、

 

それらすべてが 世界中の何ひとつも

忘れさせてくれるものなどない

忘れさせることなど出来ない

それは「真実」 地球が「丸い」のと同じくらいに

 

このくだりは、「メッセージ」で、「引用」させていただいたことがありました。こちらも、まさに、「凝縮された真理」だと言えると思います。

 

以下に、その歌詞を載せておくことにいたしましょう。

 

それではまた...。

 

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on n'oublie rien  人は何も忘れない

 

on n'oublie rien de rien

on n'oublie rien du tout

on n'oublie rien de rien

on s'habitue c'est tout

 

人は何も忘れない

まったく何も忘れない

人は何も忘れない

「慣れてしまう」 ただそれだけ

 

ni ces departs ni ces navires

ni ces voyages qui nous chavirent

de paysages en paysages

et de visages en visages

ni tous ces ports ni tous ces bars

ni tous ces attrape-cafard

ou l'on attend le matin gris

au cinema de son whisky

ni tout cela ni rien au monde

ne sait pas nous faire oublier

ne peut pas nous faire oublier

qu'aussi vrai que la terre est ronde

 

あの出発 あの船も

景色から景色へ

顔から顔へと

僕たちの目をまわさせたあの旅も

あの港 あのバーも

ウィスキーの果てにやって来る

灰色の朝の

あの「ふさぎ止め」もみんな

それらすべてが 世界中の何ひとつも

忘れさせてくれるものなどない

忘れさせることなど出来ない

それは「真実」 地球が「丸い」のと同じくらいに

 

on n'oublie rien de rien

on n'oublie rien du tout

on n'oublie rien de rien

on s'habitue c'est tout

 

人は何も忘れない

まったく何も忘れない

人は何も忘れない

「慣れてしまう」 ただそれだけ

 

ni ces jamais ni ces toujours

ni ces je t'aime ni ces amours

que l'on poursuit a travers coeurs

de gris en gris de pleurs en pleurs

ni ces bras blancs d'une seule nuit

collier de femme pour notre ennui

que l'on denoue au petit jour

par des promesses de retour

ni tout cela ni rien au monde

ne sait pas nous faire oublier

ne peut pas nous faire oublier

qu'aussi vrai que la terre est ronde

 

あの「いつか」も あの「ずっと」も

あの「愛してる」も

灰色から灰色へ 涙から涙へと

僕たちが心を通して追い求めるあの恋も

一夜限りのあの白い腕も

「帰って来る」という約束で

朝になるとはずされる

退屈しのぎの女の首飾りも

それらすべてが 世界中の何ひとつも

忘れさせてくれるものなどない

忘れさせることなど出来ない

それは「真実」 地球が「丸い」のと同じくらいに

 

on n'oublie rien de rien

on n'oublie rien du tout

on n'oublie rien de rien

on s'habitue c'est tout

 

人は何も忘れない

まったく何も忘れない

人は何も忘れない

「慣れてしまう」 ただそれだけ

 

ni meme ce temps ou j'aurais fait

mille chansons de mes regrets

ni meme ce temps ou mes souvenirs

prendront mes rides pour un sourire

ni ce grand lit ou mes remords

ont rendez-vous avec la mort

ni ce grand lit que je souhaite

a certains jours comme une fete

ni tout cela ni rien au monde

ne sait pas nous faire oublier

ne peut pas nous faire oublier

qu'aussi vrai que la terre est ronde

 

僕の後悔で

1000もの歌が出来た時でさえ

ひとつの微笑みのために

僕の思い出にしわが出来る時でさえ

僕の悔恨が「死」と出合う

この大きなベッドも

「祭りの日々」のように思いたい

この大きなベッドも

それらすべてが 世界中の何ひとつも

忘れさせてくれるものなどない

忘れさせることなど出来ない

それは「真実」 地球が「丸い」のと同じくらいに

 

on n'oublie rien de rien

on n'oublie rien du tout

on n'oublie rien de rien

on s'habitue c'est tout

 

人は何も忘れない

まったく何も忘れない

人は何も忘れない

「慣れてしまう」 ただそれだけ...

 

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(「ne me quitte pas 」は、こちらの収録です)

 

Ne Me Quitte Pas Ne Me Quitte Pas
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(「オリジナルジャケット」によりますが、こちらは、「文庫版」の全集です)

 

(今月末、「新装版」で「再発売」予定です。まさに「大全集」!!)

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(以下の2点は、「オリジナルジャケット」による「全集」です)

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(daniel-b=フランス専門)