今更ながら、「半分、青い」を振り返りたくなりました。
ネット上には、アンチの方もいたようですが、我が家は十二分に楽しみました。(特に妻は)
ストーリーが暗いという意見もあったようですが、「純と愛」に比べたら、断然明るいです。(ちなみに妻は「純と愛」も好き)
ただ、ところどころ引っかかるところがあって、何なのかなぁと思いつつ、よくわからないでいました。
先日、気付いたのだけれど、「半分、青い」は、そのストーリーや登場人物たちの根本原理に「金(生活のたし)にならないことは、やったらイカン!」という強固な意志がある。
明確に言葉(セリフ)としては表現されていないけれど、だからこそ自明の原理として、登場人物たちの行動を縛っているのではないか。
主人公が漫画家を辞めるか、悩んでいる時に、誰ひとりとして「プロの漫画家じゃなくても、漫画は描けるよ」とは言わない。
(同じ朝ドラの「ちりとてちん」の時は、落語家を目指す主人公に「落語家にならなくても落語をやることはできるんやで」と言ってくれる先輩落語家がいた)
このドラマの中で、主人公が何かを始める時は、いつも生きるか死ぬかの賭けとして描かれ、主人公はいつも賭けに負けて、落ちぶれて行く。
人生を賭けるのではなく、もっと気楽に、のんびりやって行く方法もあるんじゃないかと、私なんかは心のどこかで思っていたのだろう。
稼げないことを一生懸命やって楽しんでいる人をたくさん知っているので、「稼げないことをやっちゃいけないって道理はないだろう」と。
・・・と言いつつ、稼げないことを一生懸命にやって、疲れ果てて、やせ細って行く人もたくさん見てきたので、「半分、青い」の言い分もわかるけれど。
脚本家の人生観が出ているのだろうか。