私は演劇が好きで、時々、佐賀市内の地方劇団の公演を見に行きます。
ここ数年は、自分のアニメーションの脚本を書くのに精神力を使ってしまい、なかなか演劇を見たいと思えなかったのですが、最近ちょこちょこ見に行くようになりました。
できれば短編を見たいのですが、金曜ショー劇場が終わってからは、長編、いわゆる本公演しか見られないので、残念に思っています。
本公演が面白かったという経験が私には、ほとんどありません。20~30代の頃は、そのつまらなさを肴に酒を飲んだり、ブログを書いたり、自分がアニメーションを作る時の勉強になったり、いつか面白い作品に出会えるかもしれないという期待もあったり、それなりの楽しみを見い出していたのですが、最近は齢のせいか「観劇疲れ」の方が先に来てしまうので、観劇自体を避け気味です。
アンケートも正直に書く方なので、申し訳ないな、傷付けてしまうだろうな、と思いつつ「あまり面白くなかった」とか書いてしまって、風のウワサで、やっぱり傷ついたらしいと聞いたり、だったら見なけりゃ良かったと、こっちも後悔したりするわけです。
好きなだけに、愛憎があって、文章にすると辛辣になってしまうのです。
しかし、ウソをついて「面白かった」とも書けないので、なぜ面白くなかったのかをきっちり書きたいと思うと、私がどのような基準で劇を見ているのか、それはナゼなのか、どういう経緯でそのような基準を持つに至ったのか、あれやこれやを事前に説明しなければ、意図が伝わらず、「あんまり好みじゃなかったんだね」で終わってしまう気がする。
また、自分自身の表現手法であるアニメーションや映像、脚本についても触れざるを得なくなる。
そうなると、「誰がこんなもん読むんだ?」という長文になってしまいます。
私の評価基準を明確にするため、そして私自身の考えを整理し、記録する意味を込めて、長い長い説明文を書いてみたいと思います。つまり、読まれることを期待するのではなく、私の備忘録というコトです。
また、演劇に限らず、映画、本、アニメ、特撮、現実での出来事、私が目を通したあらゆる事柄をネタバレ・批判・思い込みしまくりながら引用して説明することになるので、そういったことが苦手な方は読まない方が良いだろうと思います。
更に、すべてが「私の視点」で「私中心主義」に書かれる「私語り」になると思われますので、私の活動とか、作品とかに興味がない方には意味不明で不快な文章になると思います。ご注意ください。
それでも読んでみようという方がいらっしゃれば、私としてはそれだけでうれしいことです。
まぁ、最近はブログをほとんどアップしておらず、読んでいる人もいないと思うので、苦情が来ることはないだろうと安心してはおりますが・・・。
(苦情が来たら、むしろ嬉しいかも)
さて、はじまりは9年前になります。
私は、「高橋宗太郎と雨の殺人事件(以下、「雨」と表記します)」を公開してから、不安と無力感に苛まれていました。シアターシエマでの公開こそ、たくさんの方に来場していただいたものの、その後に出品したコンペでは軒並み落選していたからです。
前作にあたる「高橋宗太郎と地獄の古本屋(以下、「古本屋」と表記)」は、メジャーコンぺでこそ白星はありませんでしたが、地方主催のビデオコンテストや小規模なアニメーションのコンぺでは最低でも入選、入賞や優勝もありました。その数倍のクオリティで制作し、自信を持って公開した「雨」が黒星の連続で、私は自分の制作ノウハウを根本から見つめ直す必要に迫られていたのです。
(つづく)