「ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記」の感想 | おだんご日和

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Dango茶屋・いちのせの徒然記



 藤子・F・不二雄先生が描いた最後の作品だそうです。
 遺作と言って良いのでしょう。

 私がリアルタイムで触れていた大長編ドラえもんは「アニマルプラネット」あたりまでなので、この作品は非常に新鮮な気持ちで見ることができました。
 途中からいなくなる「種をまく者」や、のび太たちよりもずっと積極的に冒険する悪役「熊虎 鬼五郎」など、物語としては疑問点もありましたが、人生の最後に藤子F先生が何を描こうとしたのかと考えると、ちょっと切なくなります。

 私たちは、ねじ巻き都市の動物たちのように賢くなれるのだろうか・・・と。

 今振り返ると、アニマルプラネットのあたりから作風が変化していて、(年齢的なものもあったと思いますが)中学生頃の私は、その変化について行けず、大長編ドラえもんから遠ざかって行ったのかもしれません。

 ユートピアを建設するおもちゃたちや、良心の化身である「ホクロ」によって改心する鬼五郎など、大長編初期の「胸おどる大冒険」とは違う、どことなく哲学的な思索が感じられる作品でした。