オープンシネマコンソーシアム 第1回作品上映会 感想⑤ | おだんご日和

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Dango茶屋・いちのせの徒然記


『③シンポジウム後半』

シンポジウムの後半は、司会者さんの呼びかけで、技術的な話題を中心に進んで行きました。
それぞれの作品のカメラと編集ソフトウェアは…

「怪獣を呼ぶ男」
通常のロケカメラ(ニュースなんかを撮るカメラ)で撮影して、ラボ(本来は現像室のことだけど、ここでは編集室の意味か?)でフィルムライクに加工している。編集ソフトウェアはファイナルカットプロ(ということは、NHKもMac派なんですね)。

「リア充商店街」
カメラはHDV(おそらくソニーのFX-1か7あたり)で撮影して、編集はプレミアを使っている。ぺっちゃんも同じ機材で撮影、編集されている。

「遠すぎた飛行機雲」
カメラはパナソニックのP2で、編集はMac(ファイナルカットプロってこと?)を使っている。

…との事です。リア充とぺっちゃんは同じ機材なんですね。
シンポジウム後半は時間がなかったらしく、質問しようと思っていたら、終わってしまいました。


【全体の感想】
地域発映画の可能性と、現時点での限界を見たような気がしました。
もちろん作品として面白かったけれど、3M(マン、マテリアル、マネー)がない中で、どう工夫して映画を撮るかというアプローチの仕方がそれぞれで、そういう部分も面白かったです。
つまり、映画を撮る前に、スポンサー(お金だけじゃなくて、機材、人材、その他の協力も含めた意味で)をどこから引っ張ってくるかという大きな問題があって、それをどんなアプローチでクリアしたのか…という視点でも、今回の上映会は面白かったと思うのです。
大雑把にまとめると…

「学校という組織、学生という立場をスポンサーとして作る」
「会社組織をスポンサーとして作る」
「お金とか人とかを節約しながら自力で作る(自分自身がスポンサー)」
「地域をスポンサーとして作る」

…という感じでしょうか。
「怪獣を呼ぶ男」以外の作品は、多かれ少なかれ学校という組織の協力を得て作られています。地域の人たちが協力してくれるのも「学校というブランド・教育という大義名分」の力が大きいのは否定できないでしょう。
これから学生たちが卒業し、仮に佐賀に残ったとして、学校や地域は今と同じだけのサポートをしてくれるのか?
サポートしてくれるような下地作りを学生たち自身はやっているのか?
地域に受け入れられる作品と、制作者の芸術的野心に矛盾は生まれないのか?
本当の勝負は、これからだと思います。


(…おわり)