全てを手に入れるには(ハボ夢)
隣りで静かに眠る君。
君が眠ってからも
私が暫く起きてるってこと、知ってた?
私の頭の下に差し込まれた逞しい腕、
鍛え上げられた胸板、私のすぐ傍で肺呼吸によって上下している。
煙草の匂い、君の匂い、
穏やかな心音、
包み込むような体温、
暗闇の中でも、月に照らされてキラキラ光る金髪、
ちょっと突き出た喉仏、
そこから発せられる心地いい声、
今は瞼が閉じてあるから見えないけれど、綺麗な碧い瞳、
少し前に、訓練中に創ってしまったと言っていた、今も赤く滲んでる頬の掠り傷
血の、赤…
君の全部が欲しいのに、
君が生きる目的は、私以外の所にもあるんだね。
それを知ってるから、ちょっと切なくなる。
でも、その目的の為に生きる君は輝いて見えるから
不思議だね、
そんな所も含めて愛しいんだ。
《全てを手に入れるには
あまりにも小さすぎる掌》
end
私の為だけに生きてほしいだなんて
なんとも野暮な願いだね。
