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全てを手に入れるには(ハボ夢)


隣りで静かに眠る君。

君が眠ってからも
私が暫く起きてるってこと、知ってた?


私の頭の下に差し込まれた逞しい腕、

鍛え上げられた胸板、私のすぐ傍で肺呼吸によって上下している。

煙草の匂い、君の匂い、

穏やかな心音、
包み込むような体温、

暗闇の中でも、月に照らされてキラキラ光る金髪、

ちょっと突き出た喉仏、
そこから発せられる心地いい声、

今は瞼が閉じてあるから見えないけれど、綺麗な碧い瞳、

少し前に、訓練中に創ってしまったと言っていた、今も赤く滲んでる頬の掠り傷

血の、赤…



君の全部が欲しいのに、

君が生きる目的は、私以外の所にもあるんだね。

それを知ってるから、ちょっと切なくなる。


でも、その目的の為に生きる君は輝いて見えるから
不思議だね、
そんな所も含めて愛しいんだ。


《全てを手に入れるには
あまりにも小さすぎる掌》

end

私の為だけに生きてほしいだなんて
なんとも野暮な願いだね。

飾られた余裕(ハボック夢・微裏)

「お前さ、自分が何回イったか分かるか?」


情事のあと、いいムードの欠片もなく、彼は突然聞いてきた。


「んな訳無いじゃない…数える余裕なんてないもん」

「五回」

「嘘、数えてたの!?」


彼の答えた具体的な数字に、血が引く。

思わず身を起こしてしまい、それがさっきの行為で痛めた腰に響いた。

おとなしく、元のベッドの位置に収まる。


「ってか、五回って…」

「お前も相当体力ついたな。俺のお陰?」


そう言いながら、彼はイヤらしい笑顔を浮かべた。


「変なこと言わないでよ!」


恥ずかしくなった私は、軽くジャンの背を叩く。

でも彼は、ただ笑ってるだけだった。



他に気が回らなくなるほど、余裕ないのは、私だけなのかな

ちょっと、いやかなり、悔しいかも…


少し泣きそうになったけど堪え、そのまま笑い続けるジャンを放っといて眠りについた。




* * * * *



「五回なんて嘘だよ」


静かに寝息を立て始めた彼女の髪を撫でながら、静かに呟く。

彼女のそれは、俺のと違ってひどく柔らかい。


「余裕なんて、あるわけないし…お前を相手に」

それこそ、自分でも笑えるほど…


先程漏れ出した笑いを止める術は無かった。


俺の言動で、彼女が頬を染めたり、恥ずかしがって、焦って…

それが嬉しいだなんて、まだまだ俺もガキだな。


彼女は、俺が笑った本当の理由なんて分からないだろう。



でも、それでいい。

俺だけ余裕がなくなるなんて、やっぱ悔しいから。



イった回数数える暇あったら、
お前に触れてる瞬間を大切にするよ


だから俺は、彼女に触れてる間はいつも満たされた気持ちでいられるだ





end


この肌に刻まれるくらいに、
お前の温もりを覚えていたい

冬の寒さと、君の温もり(ハボ夢/過去拍手文)

「うひゃ~、すっかり冬だね…寒っ!」


司令部から出てすぐ、鼻先を冷やす風に当てられる

思わず身を縮め込めながら、隣りを歩く彼と家路を急ぐ


「あー、明日からコートとかいるな…」

「ってか、この時期になっても着て来ないあんたが不思議よ」


私なんか数週間前からコートを羽織って出勤してるってのに、同僚のハボックは未だに黒Tに軍服を着ただけ…


「寒くないの?」

「肌寒い程度かな…」

「マジで?」


肉体派は身体のつくりが違うのかしら?


そう思いながら、ふと、手持ち無沙汰な彼の手を見る

手袋も嵌められず、素肌を晒した大きな掌

一方、私の手には、自分サイズの手袋


左手の分だけ外してみせると、左隣りを歩くハボックは訝しげにこちらを見た

そんな彼に、外した手袋を差し出す


「はい」

「え?」

「使いなさいよ」

「え…いやー、入んねぇだろお前の手の大きさじゃ」

「文句言わないの」

「無理なもんは無理だって」


私の好意を無下にして、彼は断ろうとする


「おい…」


問答無用で彼の手を取り、私は無理矢理それを嵌め込む

まるで、母親が子どもの面倒を見るように…
決して、恋人がするようなものではない


本当の彼女だったら、もっと優しく接するのに…


そんなことを考えながら、少しずつ嵌めていった

手袋が入るギリギリの所まで入れてみても、彼の手首が、はみ出した部分から不格好に見えていた


「…無いよりはマシでしょ」


一人納得して、止めていた歩みを再び進める

しかし、ハボックは自分の手に嵌められた私の手袋を見つめたまま、一向に歩こうとしない

私はひとつ白い溜め息を吐いて
彼の方に、曝け出された左手を差し出す


「ほら、何惚けてんの。早く帰ろう」


急かすように言うと、彼は面食らったかのように顔を上げ、
そして、私の差し出した手を見て、少しだけ笑った


その顔に、私は少しだけ照れ臭くなる


もしも恋人同士だったら、
こんな間怠っこしいことしなくて済むのに…


「お前、本当に手が小せぇな」


彼の右手が、私の左手に触れる

ごく自然に繋がれたけど彼に手を引かれながらも、思わぬ展開に脈拍が速くなってるのは、きっと私だけだ


私のこと、意識してるんだったら、こんな簡単に許すはずがない


わざと何とも無い振りをして、私はいつも通りに話し出した


「人肌が恋しい季節だね」

「…本当にそれだけ?」

「え…?どういう意味?」


ハボックの言葉の意図が掴めなくて聞き返すと、真剣な表情で彼は答えた


「俺じゃなくても、誰かが傍にいたら
こんなふうに手、繋いでた…?」



再び立ち止まり、まっすぐに私を射抜く、蒼の視線


これ以上、隠し通すことはできない

あなたの温もりを求めた、私の想いを…



どうすべきか分からなくなって
恥ずかしさで彼の顔を見れず俯いた私に、彼は言った…



「俺は、…お前じゃなきゃ、嫌だ」


繋がれた手に、力が込められた





end


ただ、きっかけが欲しかったんだ
キミと繋がりをもつための、その掌の温度
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