「アカペラで歌う ロウ セイ オリアナ (Lo'u Sei Oriana) アップテンポ編」
「アカペラで歌いました : ロウ セイ オリアナ (Lo'u Sei Oriana) バラード編」
「『ロウ セイ オリアナ (Lo'u sei Oriana) 』の歌詞の解析」
「『ロウ セイ オリアナ (Lo'u sei Oriana) 』の歌詞について」
「ポリネシアの歌」
【はじめに】
前回、「ロウ セイ オリアナ」の バラード編 を歌いましたのに続いて、ハワイアンズで歌われている アップテンポ編を、アカペラ風に歌いました。この様な アップテンポの曲が歌われるというのは、元の曲を誰もが知っているからです。逆に言えば、元の バラードを知らなければ、この アップテンポの曲の面白さは分かりません。実際に歌ってみても実感したのは、この曲の持つ美しさは アップテンポ編にはあまり感じられなく、バラードを テンポを変えて歌って見る面白さの面が強いということです。その意味では、大変でしたが バラード編を歌っておいてよかったと思います。ただ、今回の アップテンポ編、公開するのにかなり躊躇しました。この曲の面白さはバラードを面白く歌ってみせる所にあると自分を納得させて公開させていただいた次第です。
【アカペラで歌う ロウ セイ オリアナ : アップテンポ編】
以下のような歌詞で歌ってみました。
私の 花オリアナ
どうぞ 香り来て 下さ い
いらして 住みましょう ここ に
そして 花園に 変えましょう
取り 合う 男と女
目指す 皆の 花飾 り
そぞろ 歩く 月明かり に
そして 歌う オリ アナ に
私の 花オリアナ
お広がり 下さい 此処に
大 きく ならない で
でも 沢山の 枝 を
そして 貴方は 育まれ 来た
時 満つ実り 父母 の
守 られ来た サモアの たか ら (宝)
私の 花オリアナ
歌った結果は以下の通りです。
反省材料は沢山ありますが、日本語歌詞と拍の割付のご説明の後に少し議論したいと思います。
【原歌詞と拍 : アップテンポ編】
ここで歌う部分の原歌詞は以下の通りです。拍は ハワイアンズでの歌い方から定めました。しかし、行 (歌詞) の末尾については正しく拍を取れたかどうかは、あまり自信がありません。「 ● 」は裏拍です。
Lo‘u Sei Oriana
by Jerome Grey
1995 年
1
❍ ❍ ❍ ❍
Lo‘u sei Oriana
❍ ❍ ❍ ❍
Se‘i e sasala mai
❍ ❍ ❍ ❍
E te nofo mai mauga
❍ ❍ ❍ ❍
Ma e fa‘amāliuliu ai
❍ ❍ ❍ ❍
Taufao e teine ma tama
❍ ❍ ❍ ❍
E tau ai o lātou sei
❍ ❍ ❍ ❍
Sāvalivali i le māsina
❍ ❍ ❍ ❍
Ma pepese i le Oriana
2
❍ ❍ ❍ ❍
Lo‘u sei Oriana
❍ ● ❍ ● ❍ ❍
E sosolo i mauga
❍ ● ❍ ❍ ❍
E lē tupu tele
❍ ❍ ❍ ❍
‘Ae taufelefele
❍ ❍ ❍ ❍
Tupua ‘oe mai anamua
❍ ❍ ❍ ❍
Fua mātala o le vao matua
❍ ❍ ❍ ❍
Sa teu ai o Sāmoana
❍ ❍ ❍ ❍
Lo‘u sei Oriana
pus'iina v. to emit, to be difused, as an odour, good or bad; Applied to a
E te nofo mai mauga ここに 来て 住みましょう
Taufao e teine ma tama 取り合う 男と女
Sāvalivali i le māsina そぞろ歩く 月明かりを
Lo‘u sei Oriana 私の 花 オリアナ
E lē tupu tele 大きく なら ないで
Tupua ‘oe mai anamua あれから 貴方は 育まれ来た
Sa teu ai o Sāmoana 守られ来た 宝 サモアの皆の
日本語歌詞を定めたこの段階でも難しさが予見できるのは「私の 花オリアナ」の歌い方です。「Lo'u」に対応する良い日本語が他に見つかりませんでした。例えば「わが花オリアナ」とすれば、原歌詞の調子とよく合います。しかし、ここで変えるとすれば、バラードから変えなければなりませんが、バラードの雰囲気から言って難しいように思います。
【アカペラの背景に用いた動画について】
用いた動画は素人カメラマンが最後にハワイアンズを訪問させていただいたときに収録した サンライト カーニバルの動画から作成した切り抜き動画です。
この動画とアカペラの動画では、共に、レイイリマさんと、ウアケアさん、アヤカさんの シーンから採っています。この御三方が一節目を奥舞台で踊って居られるのですから、動画の構成上は、約半分が御三方のシーンになってしまいます。御三方の踊り方、あるいは、その時のご表情は皆さんの特徴がよく現れていて面白く感じます。今回のアカペラ動画の サムネイルは奥舞台から主舞台にお入りになる所です。
この三年間を通して感じてきた御三方の持ち味がそのままに出ています。特に、ウアケアさんの、踊りに向き合う凛とした雰囲気がとても強く感じられます。このまま衣装を着物に変えても全く違和感がないと思いませんか。ただ、舞台上の動きの中で見る観衆の方々からすれば、期待する ポリネシアンとの差を感じてしまうかも知れません。素人カメラマンとしてはこのままでも良いと思います。でも、観衆との対話という点から考えると、やるべきことはあるようにも思います。この方の踊りの美しさにはまだ奥があるのです。三年間の間、拝見させていただいての上で、なおかつ、この様に感じさせられてしまう方です。ですから、「ロウ セイ オリアナ」の「Sa teu ai o Sāmoana」に思いを馳せてしまうのです。この方は「私たち」の宝です。そして、「Ma e fa‘amāliuliu ai」、そう ポリネシアンの世界を変える方でもあると思うのです。
【おわりに】
最初に書かせていただいたように、今回のアカペラ動画は アップした後、一度非公開に戻し、最終的に公開するまで少し考えざるを得ませんでした。しかし、バラードを アップテンポで歌うというのは、とても技量が要求されることで、当面はこれ以上の録音はできないと観念して公開した次第です。一番問題があると感じている点は、「私の 花オリアナ」の歌い方です。特に、「私 (わたし) 」の発声はとても難しいです。日本語アクセント辞典によれば、アクセントは「た」にありますから、柔らかな発声になって如かるべきなのですが、バラードならいざ知らず、アップテンポの曲で、しかも裏拍から発声するのですから、この素人カメラマンはとても緊張して正しく発声できないのです。「ドゥザフラ」と同じで、歌い慣れた方であれば、印象的に歌えると思います。この行を如何に美しく歌えるかが、バラード編も含めて、この曲の鍵になります。 Jerome が歌っている のを聴いても、最初のこの行でヤンヤの声援が飛んでいます。
【付録 01 : 原歌詞と日本語歌詞 : アップテンポの場合】
1
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Lo‘u sei Oriana 私の 花オリアナ
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
Se‘i e sasala mai どうぞ 香り来て 下さ い
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
E te nofo mai mauga いらして 住みましょう ここ に
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
Ma e fa‘amāliuliu ai そして 花園に 変えましょう
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
Taufao e teine ma tama 取り 合う 男と女
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
E tau ai o lātou sei 目指す 皆の 花飾 り
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
Sāvalivali i le māsina そぞろ 歩く 月明かり に
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
Ma pepese i le Oriana そして 歌う オリ アナ に
2
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Lo‘u sei Oriana 私の 花オリアナ
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
E sosolo i mauga お広がり 下さい 此処に
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
E lē tupu tele 大 きく ならない で
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
‘Ae taufelefele でも 沢山の 枝 を
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Tupua ‘oe mai anamua そして 貴方は 育まれ 来た
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
Fua mātala o le vao matua 時 満つ実り 父母 の
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
Sa teu ai o Sāmoana 守 られ来た サモアの たか ら (宝)
❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍ ❍
Lo‘u sei Oriana 私の 花オリアナ
[1] George Pratt, A Grammar and Dictionary of the Samoan Language, With English
and Samoan Vocabulary. The London Missionary Society, 1893.
[2] G. B. Milner, Samoan Dictionary, Government of Samoa, 1966.

