「アカペラで歌うブルーレイ (Blue Lei) 原曲」
「ポリネシアの歌」
【はじめに】
三月の項「多摩川での カメラ練習 (令和 8年 3月 16日)、現状と予定、そして夢」で申し上げて以来、ひと月以上かけながら、どうやら「ブルーレイ」を背景動画に合わせて歌うことができました。本心を申し上げれば、もう少し納得ができるところまで練習してから歌いたかったところです。しかし、4月も過ぎてしまっては、流石に時間をかけ過ぎだろうと思いましたので、歌うことにしました。既に、前項「原曲で歌う ブルーレイ (Blue Lei)」で申し上げたように、半音階での進行が多く、歌うときの音程が定まりきらないところが沢山あります。前項では、正しい音程で発声できないのは顧みずに弾き語りを行ってみましたが、流石に、それで ウアケアさん達の踊りに合わせる蛮勇はありませんでした。
以下、アカペラで歌った首尾をお示ししてから、難しかった箇所についてご説明いたします。章立てはこうなります。
【アカペラで歌う ブルーレイ】
【歌うにあたって難しい所】
【背景とした動画について】
【終わりにかえて】
【アカペラで歌う ブルーレイ】
歌詞は前項「原曲で歌う ブルーレイ (Blue Lei)」でお示ししたとおりです。
Blue Lei
words by R. Alex Anderson
music by Milton Beamer
You were wearing a blue lei 君がかけていた青いレイ
The day that I first met you あの日初めて会ったとき
And we wandered on the sand そして 共に歩いた 砂浜
By the blue, blue sea そこは青い 青い 海
With not a cloud in the sky 空には 雲ひとつ なく
to distress us 二人を悩ますような
Not a care had you or I 愁 (うれ) いなく 君にも僕にも
to suppress us 二人を抑えるような
I shall always remember 僕はいつも思い出す
The moment when I kissed you その時を 君にキスした瞬間 (とき) を
And the smile upon your lips そして笑みを 君の口唇の
So heavenly sweet そう 天の様に美しい
When your blue eyes looked into mine 君の青い目が見つめたとき 僕を
It was then the sun began to shine その時 太陽が 輝いてきた
That day in May 五月のあの日
You wore a blue, blue lei 君がかけた青い 青い レイ
That day in May 五月のあの日
You wore a blue, blue lei 君がかけた青い 青い レイ
アカペラで歌った結果は以下のようになりました。
前項であげた楽譜を以下に再度お示しします。前項のように歌った後に ハワイアンズでの歌と比較した所、ハワイアンズの女性ボーカルと合わせる (ぶつかり合わないため) には半音で 2度ほど下げる必要があるようでした。それで、半音で 2度音程を下に移調した電子ピアノで練習をしてから、動画に合わせて歌いましたので、楽譜が へ長調に対して、動画の歌は ニ長調になります。結果的には、素人カメラマンにとって無理のない音域になり良かったと思います。
ただし、これも前項「原曲で歌う ブルーレイ : その後」で説明しましたように、動画に合わせて歌うとは申し上げてもメロディが微妙に違いましたので、ベース ギターの音を抽出して拍を定めました。ベースは基本的に 2/2 拍子で拍を刻んでいます。一つの 三バンド イコライザで低音と高音をブーストして、中音をミュートすれば 30デシベル (dB) の中音との音量差ができますので、それを更に3つ直列につないで 90デシベルの差を付けて歌いました。男性ボーカルと違い、女性ボーカルは楽器の中に浮き上がって来ますので、うっかりすると メロディを持って行かれてしまいます。色々と試してみた結果、最終的に三台のイコライザが必要になったのでした。
この話をした時の元職の友人の反応は「 100デシベルは 10の 10乗ですよ。信じられないですね。」通信の世界ですと、絶対に間違いようの無い レベルなのですから、オーディオの世界は怖いです。勿論、これは人の声には周波数の広がりがあるし、イコライザの周波数特性が完全な オン-オフ になっていないからでもあります。
【歌うにあたって難しい所】
「ブルーレイ」を歌いはしましたが、この素人カメラマンが歌い始めたのは、昨年の 舞踏家ウアケア佳奈子との別離に魂を揺すぶられて以降ですから、この面では更に素人です。彼の目的は、日本語で歌うことにより、原語での歌に合わせて踊られるのがもっぱらであった ポリネシア舞踊を日本の芸能として私達のものとし、かの方のような素晴らしい踊り手の演技を私達の世界で楽しむことです。下手な歌では日本語で歌う ポリネシア舞踊の魅力は分かりません。ですから、彼は、できる範囲で最善を尽くさなければなりません。
難しい話はこれまでにします。
この曲は最初の項「青いレイ (ブルー レイ、Blue Lei)」にあるように、パラマウント映画「ワイキキ ウェディング (Waikiki Wedding)」(1937) のために作られたものです。作曲を担当した Milton Beamer は ハワイの音楽一族の Beamer 家の一員とは言え、検索しても特にこれはという音楽活動が見当たりませんので、職業的作曲家ではなく、ステージ ピアニストでもなく、 ラウンジ ピアニストだったのではないかと思います。そうすると、ムードを盛り上げるために最高に高度な技工を駆使して ( Beamer 自身が) 歌うことを考えて作られた可能性があります。その結果、前項「原曲で歌う ブルーレイ : その後」に述べましたように大変に技巧的という評価になっているのでしょう。ですから、この曲は素人が歌いこなすのは無理なのは当然な話です。
全てが難しいのは当然として、最後まで気が抜けず、正しく歌えたか今だに怪しいところが四つほどあります。最初が、7小節目です。
「共に歩いた砂浜」と上がってきて、半音階の経過句「そこは」で一旦下がり、「青い青い」で更に上で継続します。この「そこは」の部分は ピアノで弾けば印象に残りますが、ここを印象的に歌うのは難しいです。正しく歌えれば、美しくきらめくところでしょうね。
次が、13, 14小節目、「憂いなく君にも僕にも ・・・ 」のところです。
音階的に代表的な音符を見ていけば、この部分は「ソ ファ ミ レ」と下がります。問題は、「ソ」と「ファ」の間が下降半音階「ソ #ファ ファ」であることです。この半音下げた「#ファ」を正しく発声するのが難しく、下がり過ぎになり、その結果、次の「ファ」も下がり、「ミ」で始まる「君にも」と衝突して上手く繋げられなくなります。どうやら、「君にも」に繋げられるようになっても、「うれい (憂い) 」の下降音階を美しく響かせるのが難しいです。きらめきを発する様な歌の流れになる想像はできますが、実現するのは難しいです。
次は、21小節目から 24小節目までの「そして、笑みを、君の口唇 (くちびる) の、そう、天のように美しい」です。
楽譜で見れば、「そして 笑みを」から「口唇の」へ続く下降音階「ド シ ♭シ ラ」と、「君の」と「そう、天の様に」の上昇音階「♯ド レ ♯レ 」が交互に現れ、上昇三連符「天の様に」に繋がり、最後に音階の主音「ファ」の音の「 美しい」で解決されます。正しく歌われていれば身震いするように美しいでしょうね。
ここは美しく歌う以前に、拍に合わせて歌うのも難しくて悩みました。ベースが 2/2 拍子で、つまり一小節を二拍で拍を刻みますから、前拍と後拍を丸で囲んで図示してみると以下のようになります。左が前拍、右が後拍、最後の「美しい」が全拍です。
後拍から前拍に移る所が下降音階、前拍から後拍が半音の上昇音階で繋がれています。なかなか リズムが取れなかったのですが、絵を書いて整理すると、なんとか歌えるようにはなりました。
一番難しいのが、29小節目から 30小節目です。「五月 の あの 日」と半音階で下がるところです。
「輝(や)いて来た」までは、音程を保ちながら下降していくのは どうにかできます。しかし、この半音階は最後まで正しく歌えませんでした。ここが美しく終わる大事な締めであることは分かるのですが。
歌う練習を重ねながら、落ち着いた ラウンジで静かに深い声で歌われる「ブルーレイ」を聞いてみたいものだと、しみじみと思いました。その様な場所で、 ウアケアさんの踊りを拝見できたなら、もう他には要らないでしょうね。でも、そのためにはやることがたくさんあります。
【背景とした動画について】
素人カメラマンにとって「ブルーレイ」の美しさは、そのままに、ウアケアさんの踊りの美しさです。この方には体幹の安定性、先天的としか言いようのないバランス感覚、ハンドモーションの柔らかさ、驚くほどのリズム感覚が備わっています。そして、歌に対する表現力にはとても素晴らしいものがあります。踊りを拝見すれば、そのお体の動き、ご表情には歌の心が溢れているのです。
「そこは 青い 青い 海」
グランドステージ 2025.2.18 より
その美しさに浸るのであれば、これで良いのです。しかし、と思うのです。満ち足りている人たちにとってはそれでよろしいでしょう。しかし、多くの人たちは様々な物事を抱えながら生きていかざるを得ません。その人たちには愛が必要です。ウアケアさんの踊りの中には愛がありますが、多くの場合には、私達の心にまで投影されるには至っていないように思えるのです。素人カメラマンが ウアケアさんに求め続けてきたものは、歌の心だけではなく、ウアケアさんのアロハの心だったと思います。そのためには、整った歌の世界を超えて、ウアケアさんがご自身のアロハを持って現れる必要があると思っていました。その様な中、素人カメラマンが最後に拝見した ハワイアンズの グランド ステージでは、ウアケアさんには歌の心に収めきれない何かがあったように思いました。そしてそのときには、それがこの方が次のステップへ進む一つの先触れであるように、思えました。ですから、透徹した踊りの世界よりは、何かを感じさせていただいた、2025年 6月 23日の「ブルーレイ」を背景動画として選びました。
ウアケアさんのことばかり書いたのですが、登場されている アヤカさん、ウイラニさん、プアメリアさんも良く踊っていらっしゃいます。アヤカさんはこの動画の後しばらくしてから ラスト ステージになりました。そのことを意識されていらしたからでしょうか、この「ブルーレイ」ではとても魅力的な踊りを披露されています。プアメリアさんについて論じたことはありませんでしたが、ソリストになられてからでも、踊りがどんどんと良くなってきているように思います。その背丈に合わせて、お体もしっかりとしてきていますし、何よりも、ハンドモーションが格段に良くなっています。以前ですと、掌は掌で、そこに表情をおつけになることはなかったように記憶しています。今はそんなことはありませんね。ウイラニさんはソリストになられてから随分と踊りが良くなってこられたように思います。ウアケアさんとは対象的に、ウイラニさんの踊りにはお持ちの個性が豊かに現れて気持ちが良いです。ただ、アヤカさんが去り、マナミさんもお去りになると 53期ではお一人になります。でも、考えると、 50期では レイイリマさんもお一人ですね。一年も離れると、素人カメラマンの知る ハワイアンズからは大きく変わって行きます。
【終わりにかえて】
ウアケアさんについて、この素人カメラマンが待ち望んだような踊りには向かわれていないかの様な書き方になってしまったかも知れません。でも、それは違います。この方の踊り全般に柔らかさと深みが増して来たのは、この方がお持ちのアロハが踊りと共に現れて来るようになったからです。素人カメラマンは、その思いが強すぎて、かえって見えなくなっていた所もあります。離れてかなり経ってから拝見するとそれがよく分かります。最後に拝見した「ポエ」はその一つです。
ウアケアさんらしい一体感のある踊り、観客を見つめる表情の優しさと深さ、そして「粋」の良さがここにあります。良くここまでに精進されてこられたと思います。観客の少ない サンライト カーニバルであるにも関わらずお客さんの深い反応が伝わってきます。何度拝見しても、この大見得のシーンには息を呑みます。
サンライトカーニバル 2025. 6. 10 より
美しいとしか言いようがありません。最後に拝見した グランドステージでは「タネ イ ムア」を拝見できませんでしたが、歌の心とウアケアさんのアロハの現れた踊りをいつか拝見できることを期待します。
そのためにも、日本語で踊るポリネシアンを目指して精進しましょう。次は「リマタラ」です。「川の流れのように (Me Ke Kahe‘ana O Ke Kahawai )」も歌ってみたいと思っているのですが、素人カメラマンの音域が少し足りないので、もう少し時間が必要になると思います。
サンライトカーニバル フィナーレ
サンライトカーニバル 2025. 6. 10 より
【付録 A : 運指メモ】
前項「原曲で歌う ブルーレイ (Blue Lei)」で申し上げたように、(電子) ピアノで一つの曲を引くというのははじめての経験でしたので、指の運びから検討する必要がありました。そこで、後のための記録として、演奏に使用した運指を残しておきます。右手のみで、親指から 1, 2, ・・・ と番号をふっています。
この中で、「 1B 」等と「 B 」が付加されている指は暫く移動させないでおくのが好ましい所です。例えば、 3小節目の「ファ」にあった親指 (1) は残しておけば、 4小節目で「ミ」を弾く際に横に移動させるだけなので間違いがなくなります。と言いますのも、高い「ド」から低い「ミ」へ移動するときに、押さえる鍵盤を間違えることが多いからです。このように指を同じ場所に起き続けるのは不便なのですが、弾き語りを行う場合には譜面を見るか、マイクに向くかしないといけないため、鍵盤を見ないで引けるようにしておく必要があるからです。ただし、これは電子ピアノの チェンバロ モードだから可能なのかも知れません。ハンマーで叩く動作の入る ピアノでは、それこそ、馴れていないと難しいでしょう。









