意訳のつくり方 【 冠詞の捉え方 】

 

 

 

 

西洋の言語における冠詞の役割は、下記のいずれかになりますので、

冠詞の表現を訳す場合、直訳して訳すか、具体的な言葉を代入して訳すかのどちらかでなくてはいけません。

 

【 西洋の言語における冠詞の役割 】

冠詞 【 a 】【 The 】の役割

 

1 前後の文章の中の人称代名詞を受けるときに使用する

2 前後の文章の中の言葉を受けるときに使用する

3 前後の文脈の流れから連想できるであろう言葉を受けるときに使用する

4 後ろに掛かる名詞を ある特定のものと断定・限定するときに使用する

5 個数・数量を意味するときに使用する

6 特定の地名や人名に付属するものである

7 直訳して訳しても、意味が通る場合なら直訳で訳す

※ 一部、慣用句になっているところもあります

 

※ 補足説明

冠詞の表現には大きく分けて、二つのパターンが存在しています。

一つ目は省略することができる冠詞、二つ目は省略することができない冠詞です。

 

 

1.省略することができる冠詞

 

【 原 文 】 The legendary sword that no one knows

【 訳 文 】 誰も知らない伝説の剣

 

【 原 文 】 The legendary sword that no one knows

【 文 型 】 【 冠 詞 】【 名 詞 】【 名詞を修飾する形容詞 】

 

上記の場合における冠詞の役割とは、名詞の後ろに掛かる形容詞と同じ役割になります。

数学に例えると、【 冠 詞 】=【 名詞を修飾する形容詞 】みたいな感じになります。

この文型の場合なら、冠詞の表現を省略することができます。

 

 

 

2.省略することができない冠詞

 

 

QUEEN

Coming Soon

まもなく始まる

 

 

The neighbor’s screamin’ when the noise annoys.

彼の騒音が気になるとき 僕の隣人たちが悲鳴を上げる

 

Ooh, Ooh.

 

Somebody naggin’ you when you’re out with the boys.

悪い友人たちと出かけたときに 誰かがキミをしつこい人間にした

 

 

【 QUEEN The Game 】

【 Coming Soonからの引用 】

 

【 原 文 】 The neighbor’s screamin’ when the noise annoys.

【 直 訳 】 その 隣人が 叫び上げる ●●のとき その ノイズが 迷惑

【 並 替 】 その ノイズが 迷惑な とき その 隣人が 叫び上げる

 

【 文 型 】 【 冠 詞 】【 名 詞 】( 名詞を修飾する形容詞が省略されている場合 )

 

上記の場合における冠詞の役割とは、原文から省略されてしまった名詞の後ろに掛かる形容詞と同じ役割になりますので、原文から省略されてしまった名詞の後ろに掛かる形容詞とは、一体どんな言葉であったのかを文脈の流れから読み取り、その言葉を受ける表現として冠詞を訳す必要があります。( 冠詞の表現に具体的な言葉を代入して訳す必要がある。 )

 

 

【 原 文 】 The neighbor’s screamin’ when the noise annoys.

【 並 替 】 その ノイズが 迷惑な とき その 隣人が 叫び上げる

【 要 約 】 フレディの 騒音が 迷惑な とき ロジャーの 隣人( ブライアンとジョン )が 叫び上げる

【 意 訳 】 彼の 騒音が 気になる とき 僕の 隣人たちが 悲鳴を上げる

 

【 この文脈の冠詞の用途 】【 前後の文章の中の人称代名詞を受ける用途 】

 

 

 

 

 

 

 

【 西洋文化における冠詞の定義 】

 

 

QUEEN

Let Me Entertain You

キミ達を楽しませてみせましょう

 

 

Hey, It’s a sellout.

Hey, 今宵も満員御礼さ

 

 

 

Let me welcome you, Ladies and gentlemen.

歓迎しましょう レディース・アンド・ジェントルマン

 

I would like to say hello.

ご挨拶を申し上げさせて頂きます

 

Are you ready for some entertainment ?

これからのエンターテイメントにお付き合い願えますか?

 

Are you ready for a show ?

僕等のショーのための準備はいかがでしょうか?

 

 

 

Gonna rock you, Gonna to roll you.

キミ達の魂を揺さぶって 転がしてみせましょう

 

Get you dancing in the aisles.

是非 会場の通路で踊って貰えませんか

 

Jazz you, Razzamatazz you.

ジャズがキミ達を ラズマタズがキミ達を

 

With a little bit of style.

いつもより少しスタイリッシュにキメて

 

Come on.

 

Let me entertain you.

キミ達を楽しませてみせましょう

 

Let me entertain you.

キミ達を楽しませてみせましょう

 

Let me entertain you.

キミ達を楽しませてみせましょう

 

Let me entertain you.

キミ達を楽しませてみせましょう

 

 

 

I’ve come here to sell you my body.

僕は キミ達に身体を預けるために ここに来ました

 

I can show you some good merchandise.

僕には 数ある自慢の曲を提供することができます

 

I’ll pull you and I’ll pill you.

キミ達を引き抜いて 飛ばしてみせましょう

 

I’ll Cruela De Ville you.

キミ達をクルーエラ・デ・ビルにしてみせましょう

 

And to thrill you, I’ll you any device.

キミ達を高揚させるための仕掛けを準備しておきましょう

 

Ah, Ha, Ha, Ha, Ha.

 

 

 

We’ll give you, Crazy performance.

キミ達に与えましょう クレイジーなパフォーマンスを

 

We’ll give you, Grounds for divorce.

キミ達に与えましょう 失恋の理由を

 

We’ll give you, Piece de resistance.

キミ達に与えましょう 反社会組織の片鱗を

 

And a tour de force.

どれも自慢の力作揃いです

 

Of course.

勿論

 

 

 

We found the right location.

ようやく僕等は あるべき舞台を見つけられました

 

Got a lot of pretty lights.

星の数ほどの華やかなライトに囲まれて

 

The sound and amplification, Listen.

このサウンドと演奏を聴いては貰えませんか

 

Hey.

 

 

 

If you need a fix, If you want a high.

キミ達の人生に修正が必要なら ある種の高揚を求めるのなら

 

Stickells’ll see to that.

このエンブレムが その様子を見届けるでしょう

 

With Elektra and EMI.

エレクトラレコードとEMIと共に

 

We’ll show you where it’s at.

僕等が その境地へとご案内致しましょう

 

So, Come on.

だから おいでよ

 

Let me entertain you.

キミ達を楽しませてみせましょう

 

Let me entertain you.

キミ達を楽しませてみせましょう

 

Let me entertain you.

キミ達を楽しませてみせましょう

 

Let me entertain you.

キミ達を楽しませてみせましょう

 

 

 

 

 

Just take a look, At the menu.

ちょうど今ご覧頂けますか 僕等のメニューを

 

We give you, Rock a la carte.

お届け致しましょう 僕等のロック・アラカルトを

 

We’ll breakfast, At Tiffany’s.

ご注文致しましょう ティファニーでの朝食を

 

We’ll sing to you, In Japanese.

歌い上げましょう 日本語で

 

We’ll only here to entertain you.

僕等は キミ達を楽しませるためだけに ここに存在しています

 

 

 

If you wanna see some action.

キミ達が 僕等に幾つかのアクションを求めるのなら

 

You get nothing but the best.

キミ達は 僕等の最高のパフォーマンスしか手に入れられない

 

The S and M attraction.

この会場のSとMが織りなすアトラクション

 

We’ve got the pleasure chest.

僕等は キミ達の歓喜の胸騒ぎを体感することになるでしょう

 

 

 

Chicago down to New Orleans.

シカゴから ニューオーリンズまで駆け抜ければ

 

We get you on the line.

そのライン上のキミ達を手に入れられるでしょう

 

If you dig the New York scene.

キミ達にニューヨークシーンを掘り下げる気があるのなら

 

We’ll have a son of a bitch of a time.

僕等が( 一人一人の )少年少女のために ( 僕等の )時間を割いてあげましょう

 

Come on.

 

Let me entertain you.

キミ達を楽しませてみせましょう

 

Let me entertain you.

キミ達を楽しませてみせましょう

 

Let me entertain you.

キミ達を楽しませてみせましょう

 

Through the night.

この夜を通して

 

 

 

【 QUEEN Jazz 】

【 Let Me Entertain You からの引用 】

 

 

 

 

 

【 西洋の言語における冠詞の役割 】

冠詞 【 a 】【 The 】の役割が下記の項目3である場合、その文章の読み手ごとに千差万別の解釈が存在しますので、アナタが 『 コレだ! 』 と思った言葉を冠詞に代入できれば、それがアナタの解釈になります。

 

1 前後の文章の中の人称代名詞を受けるときに使用する

2 前後の文章の中の言葉を受けるときに使用する

3 前後の文脈の流れから連想できるであろう言葉を受けるときに使用する

4 後ろに掛かる名詞を ある特定のものと断定・限定するときに使用する

5 個数・数量を意味するときに使用する

6 特定の地名や人名に付属するものである

7 直訳して訳しても、意味が通る場合なら直訳で訳す

※ 一部、慣用句になっているところもあります

 

 

例えば、原文の中で 【 The fire 】が【 地獄の炎 】というニュアンスで使用されていた場合、

【 The fire 】=【 地獄の炎 】【 炎 】【 炎 】【 地獄の火炎 】【 煉獄火炎 】【 魔界の炎 】【 ヘルファイアー 】のどれを選択したとしても、立派な意訳になりますので好きな言葉を選んで訳しましょう!

 

原文の中で 【 The lightning 】が【 神の雷 】というニュアンスで使用されていた場合、

【 The lightning 】=【 裁きの雷 】【 雷 】【 雷 】【 雷 】【  】【  】【 サンダーライトニング 】のどれを選択したとしても、立派な意訳になりますので好きな言葉を選んで訳しましょう!

 

ただ、あまり奇抜な言葉を選びすぎると原文の魅力が損なわれてしまう結果に繋がりますので、できれば広辞苑に載っている言葉を選んで訳しましょう!原文の内容に沿う言葉であれば、イイわけです。

 

 

 

西洋の言語における冠詞の用途は、前の文節の言葉を受ける用途として使用されており、文章の後半、結論の部分に近付くにつれて、その表現が多くなっていく傾向にあります。翻訳対象となる原文を結論の部分まで読み進めるためには、冠詞の表現に文脈の流れから読み取れた具体的な言葉を代入して読み進める必要がありますので、自分なりにどんな言葉を代入して意味を捉えるべきなのかを考えてみましょう!

 

 

 

 

 

【 まとめ 】

 

 

【 直 訳 】 機械翻訳にもできること

冠詞の【 a 】【 the 】を機械的に

 

【 a 】=【 一つの 】【 一人の 】

【 the 】=【 この 】【 その 】【 あの 】と訳す

 

しかし、この訳し方では冠詞の表現が多い原文では何が表現されている文章であるのかが、

訳した本人にも訳文の読み手にも、よく分からない

 

 

 

【 要 約 】 人間の翻訳者にしかできないこと

原文に含まれている冠詞の【 a 】【 the 】の用途が、下記の項目のどれなのかを自分の頭で考えてみる

 

1 前後の文章の中の人称代名詞を受けるときに使用する

2 前後の文章の中の言葉を受けるときに使用する

3 前後の文脈の流れから連想できるであろう言葉を受けるときに使用する

4 後ろに掛かる名詞を ある特定のものと断定・限定するときに使用する

5 個数・数量を意味するときに使用する

6 特定の地名や人名に付属するものである

7 直訳して訳しても、意味が通りそうな場合

8 慣用句の一部になっている場合

 

 

 

【 意 訳 】 人間の翻訳者にしかできないこと

原文に含まれている冠詞の【 a 】【 the 】の用途が、

下記の項目のどれなのか理解して、具体的な言葉を代入して原文を訳す

 

1 前後の文章の中の人称代名詞を受けるときに使用する

2 前後の文章の中の言葉を受けるときに使用する

3 前後の文脈の流れから連想できるであろう言葉を受けるときに使用する

4 後ろに掛かる名詞を ある特定のものと断定・限定するときに使用する

5 個数・数量を意味するときに使用する

6 特定の地名や人名に付属するものである

7 直訳して訳しても、意味が通りそうな場合

8 慣用句の一部になっている場合

 

 

 

【 訳抜け 】 誰にでもできること

原文に含まれている冠詞の【 a 】【 the 】の正しい用途の理解のないまま、

冠詞の【 a 】【 the 】の表現を訳文の中から削除してしまうこと

 

 

 

 

 

実は、この冠詞の表現をどう訳すのかが洋楽和訳の最大の魅力になっています!

皆様なりの自由な発想で解釈するための表現こそ、この冠詞の役割ってことです!!

 

 

 

 

 

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