意訳のつくり方 【 西洋文化における擬人法 】

 

 

 

 

西洋の言語における人称代名詞の種類は、だいたいどこの国でも五種類程度にしかなりません。

英語の場合は、【 I 】【 You 】【 He 】【 She 】【 They 】の五種類だけです。

 

 

西洋の言語では、どんなに原文に含まれているキャラクターの総数が多くても、一人称の表現は【 I 】で統一され、二人称の表現は【 You 】で統一されるため、どの【 I 】とどの【 I 】が同一人物で、どの【 I 】とどの【 I 】が別人であるのかの識別ができなければ、まともに文章が読めなくなってしまいます。

 

 

人称代名詞の表現は、これだけでも十分面倒くさい表現なのですが、

さらにこれをめんどくさくしているのが、【 西洋文化における擬人法 】の表現です。

 

 

【 西洋文化における擬人法 】

人称代名詞の【 I 】【 You 】【 He 】【 She 】【 They 】で下記のキャラクターを表現する。

 

1 人間の場合がある 【 擬人法ではない 】

2 人形やペットの場合がある 道具の場合がある 【 西洋文化における擬人法 】

3 車やバイクなどの乗り物の場合がある 【 西洋文化における擬人法 】

4 神様や女神などの抽象的な存在の場合がある 【 西洋文化における擬人法 】

5 光 闇 火 水 土 風 氷 雷 自然災害 天変地異のこと 【 西洋文化における擬人法 】

6 抽象的な概念や自分自身の裏の側面、心の内面の場合がある 【 西洋文化における擬人法 】

 

 

 

 

 

2 人形やペットの場合がある 道具の場合がある 【 西洋文化における擬人法 】

 

 

QUEEN

Radio Ga Ga

ラジオ・ガ・ガ

 

 

I’d sit alone, And watch your light.

僕は一人で座り キミのライトを眺めていた

 

My only friend, Through teenage nights.

僕の唯一の友達 ティーンネイジャーの夜を通して

 

Everything I had to know.

知るべきことの全てを

 

I heard it on my radio.

僕のラジオを通して聴いていた

 

 

 

You gave them all, Those old time stars.

それらの夢の全てを与えてくれた 歴史の時代のスター達を

 

Through wars of worlds, Invaded by Mars.

火星に侵略された 世界の戦争を通して

 

You made’em laugh, You made’em cry.

キミは 世界中の人々に笑顔を与え 泣かせてもくれた

 

You made us feel like we could fly.

キミは 私たちが飛んでいるような心地を感じさせてくれた

 

 

【 I 】=ロジャー・テイラーさん

【 You 】=ラジオ 【 西洋文化における擬人法 】

【 They 】【 'em 】=世界中の人々

 

【 QUEEN The Works 】

【 Radio Ga Ga からの引用 】

 

 

 

 

 

3 車やバイクなどの乗り物の場合がある 【 西洋文化における擬人法 】

 

 

QUEEN

I'm in Love With My Car

僕の愛車に恋焦がれている

 

 

 

 

And the hubcaps all a gleam.

このマシーンの全てのホイールが輝いている

 

When I’m holding your wheel.

僕が キミのハンドルを握っているとき

 

All I hear is your gear.

僕の耳に入るのは キミのギアの声だけ

 

With my hand on your grease gun.

僕の手で キミのグリースガンを

 

 

 

Mm. It’s like a disease son.

Mm, この感覚は 僕が病気の息子であるかのようだ

 

I’m in love with my car.

僕の愛車に恋焦がれている

 

Gotta feel for my automobile.

僕の愛車に夢中になることが定石さ

 

Get a grip on my boy racer rollbar.

僕の少年レーサーの心で掴み取る このマシーンのロールバーを

 

Such a thrill when your radials squeal.

キミのラジアルタイヤが咆えるときこそ そんな僕のスリル

 

 

 

【 I 】=ロジャー・テイラーさん

【 You 】=自慢の愛車 【 西洋文化における擬人法 】

 

 

【 QUEEN A Night At The Opera 】

【 I'm in Love With My Car からの引用 】

 

 

 

 

 

4 神様や女神などの抽象的な存在の場合がある 【 西洋文化における擬人法 】

クラシックミュージック【 魔王 】の魔王も、このタイプの擬人法です。

 

 

QUEEN

Is This The World We Created ?

これが我等の創造した世界ですか?

 

 

You know that every day a helpless child is born.

キミ達も毎日 世界中で無力な赤子が生まれることを知っている

 

Who needs some loving care inside a happy home.

世界中の幸せな家庭で 愛の込められたケアを求めている誰かを

 

Somewhere a wealthy man is sitting on his throne.

どこかの国の裕福な男は 彼の玉座に座り込んで

 

Waiting for life to go by.

人生が過ぎてゆくのをひたすら待っている

 

 

 

Oh, Is this the world we created ?

Oh, これが 我等の創造した世界ですか?

 

We made it on our own.

我等は 自分達の力で この世界を創造しました

 

Is this the world we devastated right to the bone ?

これが 我等が己の骨まで壊滅させた世界なのですか?

 

If there’s a God in the sky looking down.

そこに この世界を見下ろしている神が存在するのなら

 

What can he think of what we’ve done ?

神は 我等が犯した行為に対して 何を思えるのでしょうか?

 

To the world that he created.

神が創造した世界に対して

 

 

【 He 】=神様 【 西洋文化における擬人法 】

 

 

【 QUEEN The Works 】

【 Is This The World We Created ? からの引用 】

 

※ 補足説明

西洋の文化では神様や女神に対する信仰心から、下記のように表現することがあります。

 

【 人間目線の神様 】=【 he 】【 father 】【 daddy 】【 brother 】

【 人間目線の女神 】=【 she 】【 mother 】【 mammy 】【 sister 】

【 人間目線の天使 】=【 baby 】【 boy 】【 girl 】【 children 】

【 神様目線の人類 】=【 son 】【 daughter 】【 baby 】【 children 】

 

洋楽では特にQUEENが、上記の表現を歌詞の中で乱用しています。

 

 

 

 

 

5 光 闇 火 水 土 風 氷 雷 自然災害 天変地異のこと 【 西洋文化における擬人法 】

 

 

THE OFFSPRING

Burn It Up

全てを焼き尽くす

 

 

So many houses, So little time.

燃やしたい家は沢山あるのに 燃やす時間がない

 

So many reasons, I’m not a crime.

多くの理由から オレの犯行とは言えない

 

I’d like to set you up.

オレは キミを点火させることが大好き

 

I’d like to set you up.

オレは キミを点火させることが大好き

 

Oh, Ignition.

おお 着火

 

They call it an obsession.

それは 一つの執着だと言われている

 

I think it’s kinda bitchin’ ?

そんなの ちょっとした不満だろ?

 

I think it’s kinda neat.

気味がイイぜ

 

 

 

Whoa, Yeah, I’m pyro.

おお ああ オレは放火魔

 

Whoa, I want to burn it up.

おお オレは 全てを焼き尽くしたい

 

Whoa, Yeah, I’m pyro.

おお ああ オレは放火魔

 

Whoa, I want to burn it up.

おお オレは 全てを焼き尽くしたい

 

 

【 I 】=放火魔

【 You 】=火・炎・種火 【 西洋文化における擬人法 】

【 They 】=不特定多数の一般人

 

 

【 THE OFFSPRING IGNITION 】

【 Burn It Upからの引用 】

 

 

 

 

 

6 抽象的な概念や自分自身の裏の側面、心の内面の場合がある 【 西洋文化における擬人法 】

 

 

QUEEN

The Invisible Man

透明人間

 

 

Brian May, Brian May.

ブライアン・メイ ブライアン・メイ

 

Now I’m on your track.

今 私は キミの軌道に乗りかかっている

 

And I’m in your mind.

私は キミの精神の内側に潜んでいる

 

And I’m on your back.

私は キミの影を追っている

 

Don’t look behind.

背後を振り返るな

 

I’m your meanest thought.

私は キミの後ろめたい感情

 

I’m your darkest fear.

私は キミのもっとも暗い恐れ

 

But I’ll never get caught.

しかし決して 私を捕えることはできないだろう

 

Can’t shake me, Shake me, Dear.

私を振りきれない 私を振りきれない 親愛なる友よ

 

 

【 I 】=クイーンのメンバー達の心の中に潜む影 【 西洋文化における擬人法 】

【 You 】=ブライアン・メイさん

 

 

【 QUEEN The Miracle 】

【 The Invisible Man からの引用 】

 

 

 

 

 

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