シンプルで豊かなスウェーデンの暮らし、その基本は家
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45 スウェーデンの家を支える素材達 玄関ドア-2

日本人の体格も随分と良くなりましたが、スウェーデン人は男性も女性も日本人より10㎝以上は背が高いようです。横幅もアメリカ人ほどではありませんが、骨格のしっかりした人やふくよかな方がいっぱいいらっしゃいます。彼らの玄関ドアの標準は、幅がドアの枠の開口で1m、高さは2.1mです。

 

ところが、日本では、2.2~2.4mの高さや親扉の幅で満足せず小扉もつけるケースが少なくありません。いろいろ理由はありますが、スウェ-デンでは長きにわたり安心して開閉できるサイズ、大柄な人でもストレスなく出入りできるサイズ、熱が逃げにくい構造やサイズを考えるうちにこのサイズになったようです。

 

日本で家を建てるときに玄関ドアのサイズをどのくらいにするか、ドアの性能をどのくらいにするか語りはじめるのはいつになるでしょうか? ちなみに外開きが常です。外から北風が吹き付けても、気密シールを圧縮してより隙間風が入りにくい構造です。イソップ童話にあるように、南の国に行くと太陽に暖められて風通しがいいような気密の低い引違のドアや、親子の大きな開口を求める文化とは異なります。

 

もっとも温暖化で、窓やドアを開放して暮らせるような恵まれた地域がなくなってきましたよね!加えて、密集した地域では気候が良くても開けっ放しにはできなくなりつつあるのが、現在の日本の都市構造になってきているようです。

 

密集地に建てる家、温暖化で亜熱帯化した気候、古来育まれてきた日本の家のあるべき姿に明らかに変化を求める時代になりました。その変化が、高性能化であったり、開口部のありかたであったり、オープンプランニングの採用であったりする必然性がクローズアップされてきています。バランスよく導入する必要が重要です。

PH Snowball comes

プロジェクトで長らく部屋のデコレーションも投げやりだったのですが、時間ができたので春以来、少しづついじりはじめました。

 

昨年ストックホルムの主婦ご用達の生地屋さんで買い求めた生地を階段室にスクリーンとしてかけたり、階段室の照明を変更したり、2月にアグネータフロックさんの家を訪れたときわけてもらった切り絵を額装して、スティグリンドベリの赤のLustgardenの上に飾ったり、いろいろ効果を試し始めました。

 

そして以前より、チャンスがあったら換えようとしていたリビングの主照明にチャンスが訪れ、Sweden製ではありませんが、縁あってlouis poulsen(Denmark)のPH Snowballが我が家にやってきました。

 

まだ気に入った色と明るさの省エネ電球が見つかっていませんが、効果は抜群です。しばらく満足感に浸れそうなこと太鼓判でした。

 

ホスピタルとデザイン展

久しぶりの復活です。長いこと病院のプロジェクトに忙殺され、更新できませんでしたと、取りあえず言い訳から始まることをお許しください。今日の話題は、まさに病院プロジェクト中に知り合いましたデザイナーの赤羽みわさん、彼女はスウェーデンの大学で学び、帰国直前に応募したストックホルムの病院のアートのコンペを勝ち、昨年、そのプロジェクトを終了した集大成として、来週から六本木で展覧会を開催します。

 

私も、国内事例をコーディネートさせていただきました。お近くへお越しの節はぜひ見学ください。


44 スウェーデンの家を支える素材達 玄関ドア-1

日本に輸入されているスウェーデンの大半の玄関ドアは、仕上げがチークやパインです。ところがスウェーデンの一般的な家ではあまり使われていません。古来(海外でも日本でも)外部の木製の仕上げを利用する場合、必ず塗装をします。
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アメリカでさえ、リーガルサスペンスの巨匠ジョングリシャムの著書の「ペインテッドハウス」に、主人公のルークが自分の家は貧乏だから家にペンキが塗られていない、大きくなったら家にペンキを塗れるくらい稼げるような大人になると誓う日々をベースの物語が書かれています。

ララミー牧場のスミスは休日になるとはしごに乗って家や納屋のペンキ塗りをいつもしていました。(古い!!)
<閑話休題>
わざと荒く仕上げた木部にたっぷり塗膜をつくり、重厚な色合いと共に豊かな質感、そして最も重要な、厳しい日射や風雨に耐える外部仕上げとなります。国内でも40年くらい前に木製玄関ドアのブームがありましたが、すぐにすたれました。外部に木を使う王道から外れていたからです。

どうしても塗装仕上げでなく木の仕上げのドアを使いたいという要望が時々ありますが、その時は年に数回必ず手入れをしなさいと条件をつけます。それ以外は、美しい仕上げの塗装のドアをすすめます。今、輸入している玄関ドアはスウェーデンの北方にある小さな会社ですが、初めて訪れたとき、最大の売りは大手の最先端の塗装設備に負けない塗装技術ですとアピールされ、まさにその通りだったのでその会社から買うことにしました。

写真は私が輸入しているオリジナルドアです。

43 スウェーデンの家を支える素材達 窓-3

スウェーデンの窓の代表 ***突き出し回転窓***

window02
典型的なスウェーデンの窓は、窓の下部にあるハンドルを回し、つきだすと上部が窓枠に沿って下にスライドしてくる方式です。概ね中間地点でガラスは水平になり、もっと回していくと180℃近く回転します。トップメーカーのエリートフェンスター社が開発した窓で、水平軸回転窓(H-Window)と呼ばれ、長きにわたってスウェーデンの代表的窓として愛されているモデルです。その理由は下記にあげられます。

気密が高く安定して維持しやすい高い性能
遮音性が高い
実質的断熱力を高めやすい
防犯性を高めやすい
1枚窓でもガラスの反対側の掃除が容易
様々な換気ポジション

なお、窓の仕上げは、玄関ドア以上に塗装仕上げがポピュラーです。日本向け以外では90%以上が白塗装、数%が他の色の塗装、数%が含浸性のある着色仕上げ(ステイン)などすべてが工場で仕上げた製品が出荷されています。日本に輸出される窓だけが未塗装品です。引き渡し後きわめて短い期間で見るも無残な状態になったり、維持管理が大変だったりしています。
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