第6話 出会い
「じゃ、皆さんグラスはもちましたかー。では乾杯!!」
その掛け声とともに、そこら中で一気コールがはじまった。
圧巻だった。すごい勢いだー。
ゆうと幸一は早速席を離れ、女の子のとこにいった。俺は、ヒロとたかしと目の前にあるから揚げを食べながら話をしていた。そこにとおる君がやってきた。
「おい、たかし友達紹介してよ。」
「こっちがヒロで、そのとなりがヒロの友達のけんじです。」とたかしは紹介してくれた。
「二人ともうちのサークルはいってよー。君らみたいなかっこいいいいのがいるともりあがるん
だよねー。それにかわいい子と遊びたい放題だよ。」
とおる君はとにかくテンションが高い。
「いやーまだ自分ら浪人生なんですよー。」とヒロがいった。
「関係ない、関係ない。うちのサークルだって半分学生じゃないからー。ちなにみ俺は2回目の1年生だけど。まあそんな事はおいといて飲んでな!またあとでくる。」
と、いってとおる君はそこらじゅうに飲ませにいった。とおる君の回りには輪ができる。
そんな人だった。
それから、自分達もサークルの人に勧められるがまま一気を何回もした。
俺はどちらかというと酒の強いタイプだと思う。ヒロとたかしはどうもそうではないみたい。
幸一とゆうはもう酔っ払いすぎて、女の子に少しひかれてるんじゃないかという感じだった。
また、とおる君がやってきた。
「お前ら女っけないなー。せっかくの面してんのにもったいねなー。じゃ、こんなかで一番のめそうな・・・けんじ。俺と飲み比べしようぜ!!」
と強引にビールを4杯一気した。なんかすごいいい気分。久々に酔っぱらった気がした。
「けんじ。俺お前のこと気にいった。あそこの二人組の女つまんなそうだから飲ませにいこうぜ。」ととおる君の勢いにつられて、自分も席を移動した。
「あれ、全然のんでないじゃん。飲もう飲もう」ととおる君は一人といきなり肩をくみだして、口説きはじめた。
自分も酒がまわってるせいか、負けてらんねー。そんな気持ちだった。
それで、もう一人と話した。
これが、初めての出会いだった。
「俺けんじ。今年から慶応はいったんだよねー。名前なんていうの?」
「私、ゆき。高田馬場にある富士短だよ。」
ゆきは、かわいかった。酒であんまりよく覚えてないが、スタイルがよくて目が大きくて、色白美人という感じだった。
そのあと、お互いの地元。ゆきの地元は秋田らしい。とか、たわいもないことを話とにかく酒をいっぱいのんだ。楽しかった。なんでもない会話だけど、とにかく楽しかった。
「ガシャ―――ン!!」
何かがわれる音がした。見にいくと、ヒロが暴れていた。スタッフの人に殴りかかっていた。
俺は、ヒロを止めに入った。いつもとは違い、なんかヒロの目がとても怖く感じた。
すこしたつとヒロは落ち着きを取り戻した。
「わりぃ。けんじ。おれ帰るわ。」とヒロは言ってたかしと帰って行った。
「じゃ、そろそろ終わりますので外へ出てくださーい。」とスタッフの声と共に新歓が終了した。幸一とゆうは、もうどうしようもないくらい酔いつぶれていた。
外へ出ると、ゆきが困った顔をして、携帯を鳴らしてた。
なんでも話を聞くと、一緒にきていたまりこちゃんがとおる君と消えて電話にでないらしい。
「そのうちかかってくると思うよ。大丈夫だよ。」と俺は言った。
「そうかなー。でも一人じゃないなら大丈夫だよね。」とゆき。
幸一とゆうは店の前で寝てた。連れて帰らなきゃ、でも、まだゆきと遊びたい。
思い切っていってみた。
「ねえ、ゆき。まだ10時だから、一緒にカラオケいこうよ。」
ゆきは時計をみて。
「そうだよね。まだお酒もあんまりだし。」
うれしかった。こんなにもうまくいくとは思ってもみなかった。
そして二人でカラオケにいった。
ゆきの歌う青山テルマ。俺は、ミスチルやEXILE。
二人で、何杯も梅酒ロックを飲んだ。
「ねえ、けんじは彼女いないの?」とゆきはいった。
俺は、後ろめたさを感じたが、
「いないよ。ゆきは?」
「2か月前に別れた。でももう吹っ切れてるから。」とゆきは笑顔でいった。
そのあと、GREEEENの愛歌が流れた。
その時、ゆきがポロッといった。
「この曲元彼との思い出の曲なんだよねー。」とゆきは遠い目をして言った。
「消す?」
「いや、けんじ歌って。」とゆきはいった。
俺は歌った。この曲は得意だ。
「けんじうまい!」とゆきは喜んだ。
ゆきの笑顔はとてもかわいかった。それよりもこの空間が最高に心地よかった。
それから、何曲も何曲も歌った。携帯が何度もなっていたがでなかった。
「プルルルルー」と5分前の電話がなった。
ゆきは、あゆを歌っていた。間奏の時、ゆきと目が合った。
俺は酔っぱらっていた。
そしていきなりゆきにキスをした。
ゆきは拒まなかった。
3秒くらいの一瞬。
ゆきのやわらかい唇。
なによりもキスをした後の照れるゆきの顔がかわいかった。
「もう、けんじ。チャライよ。」
「そんなことないよ。」
二人とも酔っぱらってるせいか、笑った。
その後カラオケ屋をでて、終電までの駅までの道をあるいた。
新宿の雑踏の中、俺はゆきと手をつないだ。
白く、細い手だった。でも、ぬくもりを感じた。
酒でほのかに赤い雪の顔がかわいかった。
幸せな時。
駅までゆきを送り、メールすると約束して別れた。
駅から家までの帰り道、酒でふらふらする中空を見上げた。
満月だった。月のひかりが照らすもの全て輝いて見えた。
俺は月に向かってジャンプした。