石丸伸二の映画を見た!主役は… | 臨床美容師のつぶやき(豊後大野市共育塾)

臨床美容師のつぶやき(豊後大野市共育塾)

いくら良い言葉を並べても、お金がからむと真実が見えない。こころを商品化する社会にも同じ不安を感じる。そんなこころの悩みを和ダンボがつぶやきます。豊後大野市共育塾(場所ココミオ)では、そんな問題をみんなで語り合っています。お問い合わせは美容室WAKOまで。

石丸伸二さんが安芸高田市に帰ってきたのは大規模模買収事件からでした。前法相で衆院議員の河井克行容疑者(57)と妻で参院議員の案里容疑者(46)が公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された事件です。


広島県は大混乱におちいりました。当時の安芸高田市の児玉浩市長(57)が、はじめは賄賂はもらっていないとしていましたが、その後は克行議員からの現金受領を一転して認め辞職しました。一方で次回市長選への立候補については明言を避けました。


事件をめぐり辞職した首長は、安芸太田町長、三原市長に続き3人目でした。そして市議も三人辞職することになりました。そして出直し市長選が行われました。副市長が立候補し、元市長も元副市長を応援しました。 


しかし結果は石丸さんが大差で当選しました。睡眠時間は平均4時間、市長でなく「石丸さん」と呼んでと市民に訴えました。非合理と判断した事業は次々と廃止し、自転車で通勤する姿はとても市長には見えませんでした。


お父さんは信二さんを、子どもの頃から政治に首を突っ込むのでは思っていたそうです。小学生の頃から、先生の注意が適当でないと無視する子でした。逆に納得すれば言うことは聞く一面も持ち合わせていました。


市民には初めから傍聴を呼びかけていました。当時の議長は、居眠りは県議会でも国会でもやっていると反論しました。しかしこの反論はどうでしょう。いびきの件も体調が悪ければ自分で判断すればよいし、子どもじゃないんですから(笑)


議会選挙にSNSを使わないのは、高齢者が多い地域性もあるとの反論もありました。若手二人を除いた議員の平均年齢は65歳以上でした。今回の映画は石丸さんよりも悪い議員が主役のようでしたが、石丸さんは議会の議論にも疑問を感じていました。


質問がイマイチのときがありました。石丸さんは事前通告がよくないと感じ、有効な質疑応答になっていないと訴えました。それでも議員は通ればよいとしらを切る元議長がいました。石丸さんは市民にも必死に訴えました。


副市長は2人制なので、もう1人副市長を全国公募しました。すると副市長には全国から2500人以上が応募しました。その中で元商社社員の女性(34)が候補に決まりました。しかし、議会は前列がないからとプレゼンを聞くことを拒否しました。


そして面識がないといって否決し、話にならない状態にありました。反対した議員も、古いといろいろ掟があると逃げるのでした。是々非々の議論とはほど遠いことがよくわかります。そして反市長派が最大会派をつくりました。


議員発議には市長は意見が言えないそうです。石丸さんはすごく筋道を考え、理論的に考える人でした。しかし女性議員も古い政治家になびき、山根議員は名誉毀損で石丸市長を提訴もしました。石丸さんは根回しをやらずそれが混乱も生みました。


しかし根回しは正しい手順ではないからです。影でコソコソはよくないのです。子どものケンカのようにも見え、国語力がないと言われて腹を立てた議員もいました。とにかく建設的な話し合いができなかったのです。


中国新聞との軋轢もありました。対話が細るなかで出口が見えなかったのです。答えない、と答えられないは違うのです。なぜ中国新聞とは対話ができないのか、それは対話から逃げる卑怯者がいるからだした。数々の軋轢から新たな動きもありました。


若い人たちも誰かに出てと言っていた人が、自分も動かなければダメだと変わっていきました。市民団体も議会との意見交換会をしました。しかし反対議員は出席しませんでした。

 

石丸さんは財政説明会をしました。10年間で人口が約5000人減っていました。人口が減ると商店もなくなります。根本的に足らないのは危機感でした。根拠のない危機感はダメで無駄な事業は廃止しましたが、もちろん地元は廃止を認めたくありません。


安芸高田市もかつて六町が合併をしました。それから20年。逃げきれる世代と、逃げきれない世代があるのです。「とにかく元気を出せ!敵味方でもない、同じ市民だ!」と石丸さんは訴えます。石丸さんはかつては大道芸人にもなりかけたそうです。


今回の映画は、石丸さんが主役というよりも、どこにでもありそうな議会の古い体質が主役でした。この主役がいる限り人口も増えないと思います。なぜなら市の重要な決定は市長ではなく、議会が決定するからです。


あらためて議会は大事と思わせる映画でした。主役は石丸市長ではありません。議員を決めるのは市民です。市民が主役です。市民の力をもっと結集して発揮すべきと、強く思わされた映画でした。ではまた明日。