皆さんこんばんはTAKAです。
今や未曾有の大災害となってしまった「東日本大震災」ですが、地震・津波の大きな被害を受けると同時に「電力需給の逼迫」等の要因で、東日本の鉄道事業者も大きな影響を受けました。
その影響からも現在は復旧が進んできていて、関東では殆どの鉄道が復旧してきています。又最大の被災地東北でも鉄道の復旧は着々と進んでいます。
その様な中で、「鉄道が正常になる事が社会にとりどれだけ大切か?」と言う事を感じましたが、同時に「鉄道会社はその努力を上手く広報する事が非常に大切では?」と言う事を、私は感じさせられました。
今回はその話について取り上げたいと思います。
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先ずはJR東日本の話です。
その中で東北地方で大きな被害を受けたJR東日本も、かなりの路線で復旧が進んできて地震から1ヶ月チョットで東北新幹線が福島~盛岡間を除き復旧し同時に東北本線も仙台~一関間を除き復旧、しかも東北新幹線・東北本線ともに「GW前には全線繋がる」所まで復旧の目処が立っています。
今回JR東日本は、「物凄い力」を発揮して鉄道網の復旧に努めていると思います。阪神・淡路大震災とはナカナカ比べられませんが、未曾有の大震災から1ヵ月半ちょっとで大動脈の東北新幹線・東北本線が全面復旧するのは「神業」だと思います。
それに、三陸地方で津波で大きな損害を受けたローカル線に関しても「赤字を理由に復旧しない事はしない。時間は掛かれど復旧させる」と、社長自らが「強いメッセージ」を発しています。
このJR東日本の「素早い鉄道復旧」が被災地の復旧に大きな力になる事は間違いないでしょう。
今回JR東日本は、今回の鉄道の復旧に関して「つなげよう日本」と銘打ってポスター・CMを打っています。
今巷では「がんばろう日本」等々色々なスローガンが溢れていますが、正直言って私は基本的にこう言うのは好きになれません。
でも、このJR東日本の「つなげよう日本」は、JR東日本の被災した鉄道復旧が進んでいると言う「真実」に裏づけされている為に、非常に説得力を持ちます。
実際のところ、JR東日本は今回の災害復旧を「頑張って進めていた」事は間違いありません。JR東日本が被災路線復旧・輸送確保に最大限の努力を払っているのは誰もが知る所です。
しかし、JR東日本は復旧への努力について、「つながろう日本」の広報・CMを行うことで、「鉄道の復旧が被災地の復旧へ光明を照らす」事を社会全般に示したと言えるでしょう。
そういう点で、このJR東日本の広報・CMは「非常に上手い」と言えますし「社会を励ます」と同時に「鉄道の重要性を社会にもう一度示した」とも言えるでしょう。
今回の震災において「鉄道の復旧が社会基盤復旧への大きな足がかりになる」象徴が「つながろう日本」なのかもしれません。
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もう一つは小田急電鉄の話です。
丁度このブログを書いている4月16日は、今まで震災と計画停電の影響で運休していた小田急電鉄のロマンスカーが運行を再開しました。
首都圏有数の観光地である箱根は、震災・原発事故による「自粛」「敬遠」等の影響で観光客が激減していました。
聴いた所の話では、一時期は「土曜日の夜のホテルの宿泊客がゼロ」「芦ノ湖の観光船は空気を運んでいる」「箱根ロープウエイはとある日の利用客が100分の1」と言う状況だったと言い、今でも観光客の7~8割減に苦しんでいます。
『特急「ロマンスカー」運転再開 観光客減少で苦しんでいた箱根も復興の風に沸いています。(FNN) http://p.tl/-fNa 』
其処に「箱根の観光産業復興」に向けて、一筋の光明を照らしたのが「ロマンスカーの運転再開」と言えます。
今日(4/16)のロマンスカー運転再開に際しては、臨時ダイヤで減便運行し、ロマンスカーの車両に「がんばろう日本」のステッカーを貼り、運行再開初日の今日の特急料金に関しては「義捐金として寄付」という試みをしながら、電力事情が厳しい中「何とか上手く優等特急を復活させよう」と言う、小田急電鉄の「慎重な気遣い」を伺う事が出来る「薄氷を踏みながら」の運行再開といえます。
『特急ロマンスカーの運転を一部再開します(小田急プレスリリース) http://p.tl/qDau 』
箱根観光にとって、首都圏からの足である「小田急ロマンスカー」の存在は非常に重要な存在です。
実際、私は今日仕事で新宿~小田原間でロマンスカー臨時57号を使いましたが、この列車は新宿10時9分発の「観光利用のメイン時間帯」と言う事もあり、殆ど満席でしかも大部分が観光客で約3分の2が箱根湯本まで乗り通す利用がありました。
これは、「物事の一面」しか示しておらず、ロマンスカー自体も運行本数を減らしている為、普段の土休日の観光利用客には遠く及ばない利用客しか居なかったと思います。
しかし、今回の震災の余波で大きな経済的被害を受けている「箱根の観光」にとっては、復興へ向けての大きな足がかりとなるのは間違いないでしょう。
しかし今回のロマンスカーの運転再開は、TVニュースなどで取り上げられては居ますが、そんなに注目を集めているとは言えないですし、その「社会的意義」は「初日特急料金の義捐金寄付」と言う仕掛けを作れども、その社会にアピールする効果は乏しかったと言えます。
それは「広報・宣伝の仕方が下手だった」のではないでしょうか?。
上記の様に、JR東日本は「つなげよう日本」の広報・CMで、震災復旧を世間に上手くアピールしていると言えます。
しかし、小田急電鉄には「その様なアピールが無かった」のは間違いありません。
ロマンスカーの復活には、「経済的被害を受けた箱根観光の復興のきっかけ」と言う社会的意義が有りながら、そのアピールが足りなかったと感じるのは、私だけでしょうか?
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今回の東日本大震災は、未曾有の災害であったと言えます。
鉄道は社会的インフラであり、その復旧は社会の正常化・経済の活性化にとって非常に重要な事であると言えます。
それは、被災地のJR東日本各路線も、計画停電で影響を受けている関東のJR・民鉄の各路線も一緒です。
鉄道の復旧が、社会・経済に大きな影響を与えるからこそ、全力・フルスピードで行われるのです。
しかし、社会は復旧が終わってしまえば「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではありませんが、その意義を忘れてしまいますし、もしかしたら復旧前も「不便だ」と不平を言えども、その大切さを認識していない可能性も有ります。
ならば、鉄道事業者の方から積極的に「鉄道が復活する事」に対しての、社会的意義をアピールする必要が有るのかも知れません。
実際、JR東日本は「GW前に東北新幹線復旧を目指す」と表明していますが、「GW前」を目標に据えているのは、「GWに被災地へ帰省する人達の足の確保」と「「被災地以外の北東北(特に青森・秋田)への観光需要を何とか支えたい」と言う意図があるのでは?と感じます。
又小田急のロマンスカーも「臨時ダイヤ」であれど、今復旧したのはやはり「GW前に箱根観光の足を復活させたい」と言う意図が有るのは明らかです。
鉄道は、社会の動脈です。その動脈が機能不全に陥ったとき社会はどうなるか?、それは今回の震災で誰もが痛感させられました。
しかし、その社会の動脈の復旧に関して、一部のマスコミでは「特集 」で取り上げていたりしていますが、総じて社会全般のの認識は「チョット薄いのかな?」と言う気はします。
その様な状況では、事業者自らが「復旧に努める事での社会的貢献」をアピールする必要が増しているのかな?と感じています。
災害を受けることは、インフラ産業である鉄道事業者にとっては「最大級の災難」であり、大きな損害と損失をもたらす物で、企業の存立にも関わる可能性も有ることです。
災害でその様な損害を受けることは、天災である以上避けられる物ではありません。
しかし「災い転じて福となす」では有りませんが、企業としてはその様な災害の中でも「効果的なアピール」をして、企業のCSRを果たしている事をアピールして、それを「利用」と言う収入源に結びつけると同時に、「企業イメージの向上」という目に見えない副次的効果にも結びつける事が必要なのでは?と今回改めて感じました。