こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です。
昨年は、大変痛ましい放火事件がありましたね。
放火をすると、刑法により放火の罪となりますが、放火の罪に対してはとても重い刑罰が科されます。
まず、比較のために、故意ではなく過失で火災を起こしてしまった場合の刑罰を見てみましょう。
過失によって建物火災を起こしてしまった場合は、失火の罪ということで、
50万円以下の罰金となりますが、過失の程度が重い場合や、
業務上の過失による場合は、最高で3年の禁錮が科されます。
★刑法(明治40年法律第45号)
(失火)
第116条第1項
失火により、第108条に規定する物又は他人の所有に係る第109条に規定する物を焼損した者は、50万円以下の罰金に処する。
(業務上失火等)第117条の2
第116条・・・の行為が業務上必要な注意を怠ったことによるとき、又は重大な過失によるときは、3年以下の禁錮又は150万円以下の罰金に処する。
さて、これに対して、故意で火災を起こした場合、どうなるでしょうか。
ニュースでもときどき見かける、「現住建造物放火」、つまり現に人がいる建物に放火した場合は、最も重い場合は死刑になります。最も軽い場合でも、5年以上の懲役となります。
★刑法
(現住建造物等放火)
第108条
(現住建造物等放火)
第108条
火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
放火というのは、たとえ人に危害が及ばなかったとしても、
火災になること自体が大変危険なことのため、このように重い罪が科されるのですが、
上の条文に書かれているように、建物だけでなく、電車や船、炭鉱などに放火した場合も、
建物と同じ罪となります。
(この記事は、2020年1月9日時点の法令情報に基づいています)
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