こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です
先日、夜の繁華街を歩いていたら、
おまわりさんが、道端の若者に職務質問をしようとしているのを見かけました。
職務質問というと、昔の刑事ドラマの記憶のためか、
「おいキミ、ちょっと聞きたいんだが」
みたいに相手を呼び止めるのかと思っていたのですが、
そのおまわりさんは、「こんばんは、◯◯警察署の◯◯と申します、
ちょっとお話を伺ってもよろしいですか?」と、とても丁寧な口調で、
にこやかに近づいていきました。
若者の方もちょっと意表をつかれた様子で「あ、はい!」と返事をしていました。
その光景を見ていて、
「そういえば、職務質問というのは、おまわりさんが自由にできるのかな?」と思い、調べてみました。
(私が夜の繁華街を歩いていたことは、カミさんには内緒でお願いします・・・)
◯「職務質問」は、法律に根拠がある
すると、どういう場合に「職務質問」ができるのかが、ちゃんと法律に書かれていました。
「警察官職務執行法」という法律をご紹介しましょう。
(質問)
第2条第1項
このように、
・異常な挙動をしているなどの事情がある
・何か犯罪を犯したか、犯そうとしているかと疑えるような理由がある
などの条件を満たしている人がいる場合に、質問をすることができる、とされています。
◯「ちょっと署まで来てください」というのも、法律に書かれている
次に、その場で職務質問をすると本人に不利だったり、交通の妨げになったりするときは、近くの警察署や派出所へ来てもらうように求めることができる、と書かれています。
(質問)
第2条第2項
最後に、職務質問に関する裁判の事例をご紹介します。
昭和30年の最高裁判所の判決に、こんな事例がありました。
夜9時頃に、職務質問を受けていた人が突然逃げ出したので、
巡査がさらに職務質問をしようとして追跡した、という事例です。
ここで、さらに職務質問をしようとして追跡した行為が、警察官の職務として適法だったかどうか、
ということが一つのポイントとなったのですが、この判決では、適法だとされました。
「・・・被告人は・・・午後9時頃・・・A遊園地において、外三名の者と密談中のところ、折から犯罪捜査のため警羅中の・・・両巡査から挙動不審者として職務質問を受け、被告人の所持品につき応答中、最寄の・・・派出所まで同行方を求められるや、突如その場を逃走したので、両巡査が更に職務質問をしようとして近寄つた途端、被告人は矢庭に右両巡査を足蹴にして暴行を加え、両巡査に傷害を負わせ以て右両巡査の公務の執行を妨害した・・・」
「巡査から挙動不審者として職務質問を受け派出所まで任意同行を求められた者が突如逃走した場合に、巡査が更に職務質問をしようとして追跡しただけでは、人の自由を拘束したものではなく、巡査の職務行為として適法である・・・」
とにかく、人に疑われるような行動はしないのが大事ですね。
(この記事は、2018年7月29日時点の法令情報に基づいています)
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いかがでしたでしょうか。
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是非、次回もお楽しみに