こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です
あさって7月1日は「国民安全の日」だそうです。
この「国民安全の日」には、交通安全や災害などに対する国民の意識を高めるために、
広報活動や、功労者の表彰、応急措置の訓練などの行事が行われます。
※参考:内閣府ホームページ(http://www.cao.go.jp/others/soumu/kokuminanzen/kokuminanzen.html)
さて、国民の安全の中の大事なひとつが、「交通安全」です。
この交通安全、実は法律で決められています。
どういうことでしょうか。
○「交通の安全」の定義
「交通安全対策基本法」という法律があります。
この法律は、交通の安全を守るために、
国や地方公共団体、運転者などが取り組むことがらを定めているものですが、
その中に「交通の安全」という言葉の定義が書かれています。
★交通安全対策基本法(昭和45年法律第110号)
(国の責務)
第3条
「交通安全」というと、自動車のことが頭に浮かびますが、この法律では、陸上だけでなく、海と空の交通の安全も含めて、「交通の安全」としています。
そして、「陸上交通」には、道路のほかに、鉄道なども含まれます。
★交通安全対策基本法
第2条
○歩行者が守らなければならないこと
この法律には、歩行者が守らなければならないことも定められています。
それによると、道路を歩くときは、
法律を守ること、交通に危険を生じさせないようにすることが、
歩行者の努めることとして書かれています。
★交通安全対策基本法
(歩行者の責務)
第9条
○住民が守らなければならないこと
また、この法律には、住民が守らなければならないことも定められています。
それによると、
国や地方公共団体の行う交通安全のための施策への協力などに努めることとされています。
★交通安全対策基本法
(住民の責務)
第10条
○交通安全のために、科学技術を振興しよう
「交通安全対策基本法」には、科学技術を振興させようということも書かれています。
条文を見てみましょう。
★交通安全対策基本法
(科学技術の振興等)
第36条第1項
第2項
このように、交通の安全に関する科学技術を振興させるため、
研究開発の推進、交通事故の原因を科学的に究明することなどが、
国に義務づけられています。
近年、自動車の衝突時の安全を守る機能や、
自動車の衝突を回避する機能がずいぶん向上していますし、
後部座席のシートベルトが義務付けられるなど、法令上の対策も進められています。
その効果もあってか、平成29年の交通事故による死者の数は、
昭和23年以降最少の3,694人だったとのことです。
※参考:警察庁ホームページ(http://www.npa.go.jp/news/release/2018/20180103001nenntyuu.html)
「交通安全対策基本法」が作られた1970(昭和45)年には、
交通事故による死者数が16,765人でした。
※参考:警察庁ホームページ(https://www.npa.go.jp/hakusyo/h09/h090201.html)
今は、それに比べるとおよそ5分の1になっており、
交通の安全が驚くほど進んでいることがわかりますね。
(この記事は、2018年6月14日時点の法令情報に基づいています)
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いかがでしたでしょうか。
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是非、次回もお楽しみに
by 第一法規 法律トリビア編集担当