こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です
誰かが自分の名前で勝手に借金の契約書を作ってお金を借りてしまうと、
貸した人から自分のところに「金返せ!」と来られてしまい、大変なことになりますね。
そのように、他人の名前で勝手に書類を作った場合は、文書偽造罪という犯罪になります。
(私文書偽造等)
第159条第1項
さて、この文書偽造罪ですが、「文書」という言葉をみると、
紙に書かれた書類が対象になるように思えます。
しかし、紙に限られるわけでもないのです。
かつて裁判で、文書偽造罪の「文書」にあたるとされた物を見てみましょう。
明治時代の事件ですが、他人の名前で、入札用の陶器の皿に入札額を書いて提出した人が、
文書偽造罪に問われた事件がありました。
このとき、広島控訴院(広島高等裁判所の前身)は、これは文書ではないと判断しました。
これに対して、上告審である大審院(最高裁判所の前身)は、明治43年、
これは「文書」であると判決しました。
その判決では、
と述べ、
文書とは文字などを使い、永続する状態で、物体の上に記載した意思表示のことをいう
としています。
そして、
と述べ、どんな物に書くかは制限されておらず、入札用の陶器に書いた以上、文
書偽造罪にあたるとしています。
ということで、陶器に書いても「文書」なのですね。
それからもう一つ驚いたのですが、昔は入札するときに陶器が使われていたのですね!
(この記事は、2019年1月21日時点の法令情報に基づいています)
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いかがでしたでしょうか。
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是非、次回もお楽しみに
by 第一法規 法律トリビア編集担当