人の命と暮らしに寄り添うということ | 第一経営グループ代表 吉村浩平のブログ

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今日623日、1945年に非戦闘員を含め20万人超の犠牲者を出した沖縄戦が終結して74というニュースがありました。糸満市の平和祈念公園で行われた式典では、安倍首相の「沖縄の基地負担を減らすため最大限の努力をしていく」という挨拶にかぶせて「嘘つくな!」という幾つものヤジが聞こえていました。

 

ジャーナリストの金平茂紀さんが先週、都内で行った講演の中で、ここ最近大きな話題になっている、香港から中国本土への容疑者引き渡しを可能にする条例改正の動きに触れて、香港の高度な自治を認める「一国二制度」を形骸化させる中国の強行姿勢と米軍の辺野古基地建設を強引に押し進める日本政府を「同じだ。香港の出来事は人ごとではない」と話されたというニュースもありました。

 

地方自治という民主主義の基本を、一国の政府が一切の聞く耳を持とうとせず一方的に踏みにじる様は、確かに両者それぞれ重なるものを感じます。「沖縄に寄り添う」とペーパーを読み、そして県民の反対の声をダンプカーで踏みつけながら、美ら海の埋め立て工事が進められています。そもそもまともに使える代物になるのかさえ定かでないにもかかわらず、とにかく基地建設反対運動を諦めさせようとする強引なやり方、既成事実を積み重ねていくやり方のどこに民主主義があるのでしょう。

 

秋田県の陸上自衛隊新屋演習場にイージスアショアを配備することで色々と不手際が問題になっていましたが、それでも政府がその地域にこだわりを持つ理由について、新屋演習場が北朝鮮とハワイを結ぶ直線上にあり、もう一つ配備が予定されている山口県の萩市はグアムを結ぶ直線上にあるからではないかという指摘があります。仮に戦時になれば最初に攻撃目標にされる施設の一つであることが確実なものですが、安倍首相にとって犠牲が出ても守りたいもの、どこに寄り添い、誰のご機嫌を気にしているのか、なんとも露骨に見えてくる気がします。

 

ところでこの週末に医療生協さいたまの第39回通常総代会があり、私も参加して来ました。医療生協の組合員さんが県内各地で取り組まれている地道な活動について、発言交流されるのを聞いていると本当に頭が下がるというか、ただただ感動するものがありました。

 

高齢化社会、孤独、貧困といった特徴を持つ今の時代にあって、それぞれの地域で健康や安心といったキーワードに文字通りこだわりを持ち活動をされています。とりわけ印象的な発言で、詐欺にあって無一文になったお年寄りが、社会福祉協議会から所沢診療所が行っているフードドライブを紹介されて来られた話など、人の命を医療行為だけでなく生活のレベルで支える取り組みとして行われていることの凄さを感じました。ちなみにその方は医療生協との出会いで元気になり、その後に清掃のパートの仕事を見つけ、初任給でまず医療生協に加入されたそうです。

 

今回の総代会では、医療生協さいたまの基幹病院である埼玉協同病院の建替えリニューアル計画1426,000万円が承認されました。自己資金7億円と1356,000万円の借入計画です。これまで一年以上の長期にわたる議論を続け、そして当日にも賛成する方と懸念する方双方から発言がありましたが、こうした全体の合意をつくる努力、プロセスの民主主義を感じました。

 

ちなみに安倍首相がトランプ大統領との約束で100機も爆買いしようとしているF351機が116億円、またイージスアショアは2基で6,000億円超と言われています。明らかなことは、こうした大量の武器購入の目的が人の命と暮らしを守るというよりも非常にうさん臭いこと、そしてこれらすべて税金であるということです。