限られた資源をアイデアで豊かに | 第一経営グループ代表 吉村浩平のブログ

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本題の前に・・・またしても年金問題です。老後の暮らしを支える資金として、年金以外に2,000万円以上の蓄えが必要という、金融庁金融審議会のワーキンググループがまとめた報告書が物議をかもしています。政府はその報告書を受け取らないから、その事実も存在しない、ということのようです。麻生大臣のように、そんなバカバカしい言い訳を国会で堂々と発言できるという、今の堕落した政治に「本当に情けない」を感じます。

 

政府が「無いといえば無い、黒いモノでも白いといえば白い」という、森友・加計に象徴される安倍政権の国民をなめているとしか思えない言動ですが、「またか」ということでは済まされないものです。

 

ビジネスの世界でそんなことを言っていたら、誰もまともに相手をしてくれなくなるでしょう。だいたい元からして貧弱な年金制度であることは明らかです。今回は2,000万円という金額が示されたから炎上していますが、厚生年金でなく国民年金ならそれどころでない訳で更に深刻な話です。

 

政府はその社会保障の財源として消費税を上げなきゃいけないと言っているのに、報告書を受けて開き直ることも出来ないのは、ただ参議院選挙が近いから、いろいろ後ろめたいところを争点にしたくないだけのこと?

 

消費税の税率アップで自動車や電機等、輸出大企業へは還付金(補助金?)を自動的に億単位で増やす仕組みになっていること、そして増税分は「世界で一番企業が活躍しやすい国をつくる」ために、頑張って法人税を減税した分の穴埋めにしていることも、少しずつですが世間に知られるようになって来ています。

 

その一方でトランプ大統領には12,000億円ほどのチョットした武器の爆買いを約束していることについて、今更とやかく言われるのを避けたいのでしょうか。一機116億円するF354月に墜落したのは、ベテランパイロットの「操縦ミス」だそうです。その自衛官は亡くなりました。まさかアメリカ政府お墨付きの最新鋭の戦闘機に欠陥があるはずはありません・・・

 

そうです。今回の本題に入りますが「国は私たちを守ってくれないんです」という言葉を、13日に行われた当社のお客様の会“ぐるーぷ1”の第30回総会・記念講演の中で、千葉県の前いすみ鉄道社長の鳥塚亮氏から聞きました。国鉄が分割民営化された時に、赤字路線を廃線・バス路線化するという国の方針に逆らって、第三セクターとして無理やり生き残った鉄道に対して、国の姿勢は「勝手にやれば」というもの以上ではないと・・・

 

鳥塚氏が年金問題とかけて言われていたのではありません。庶民が生き延びるためには自助努力しかないのか、と私は勝手に繋げて考えてしまいました。講演テーマは「限られた資源をアイデアで豊かに」というものです。決して「限られた年金の使い方」という話ではありません。

 

鳥塚氏は言います。国は何も守ってくれない。でも国がやらないなら自分たちがやる。今あるものでいかに勝負するか。そこにあるものを磨いていけば、それが宝石の原石だったことが分かる。そんな“いすみ鉄道”のキャッチフレーズは「ここには『何もない』があります」です。

 

「ここには何もない」という原石をみごとに磨き上げている”いすみ鉄道”の取り組みには色々と気づかされるものがあります。私たちに出来ることは、その原石を見つける目を鍛えること、磨かれた宝石をイメージする発想力を鍛えることであり、それを形にしていく実行力が求められていると思いました。

 

鳥塚さんは地域の人たちとも一体となり、様々なアイデアと鉄道への愛情をもって、いすみ鉄道を観光列車として再生させて来ました。テレビドラマにバラエティなどメディアも次々と来るようになりました。ただ依然として経営が厳しいことに変わりはないと言います。それでもバスに代替せず、地域に鉄道があることの意味を考える必要があると言われます。

 

ローカル鉄道はブランドとして地域のインフラの役目を果たすことができるもの、赤字であっても鉄道が存在することで、地域の様々な産業、そして文化を支えているという役割を考える必要があり、単に鉄道部門だけの採算を見てそれを無くすことの間違いを言われていたように思います。そうした視点は、“ぐるーぷ1”の存在そのものもですが、もしかしたら企業経営の中でも人や部門の配置について、その見えない価値をしっかりと考える必要があることなのかなと思いました。