イチロー選手の引退に思う | 第一経営グループ代表 吉村浩平のブログ

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先週末はテレビを観ていたら、45歳のメジャーリーガー、イチロー選手の引退が突然ニュース速報で流れて来てビックリしました。同時に思うことは、ついに来るべき時が来たというか、多くの人が思ったように、お疲れさまという一言に尽きるものがあります。

 

深夜に行われた記者会見の模様が出勤前の朝のワイドショーで伝えられていましたが、こうした会見でも、彼独特の真面目さと少しとぼけた感じで相変わらずのイチロー節がいいですね。とにかくカッコいい。限界を自覚したところの悲壮感ではなく、やり切る努力をして、その上で人生の一つの区切りを自分で決める潔さに心から拍手です。

 

毎日のルーティンになっているトレーニングを淡々とこなしながら身体をつくり、いつでも対応できるだけの準備をして来て、本当なら最低でも50歳まで現役でいるつもりだったが・・・と言いながら、いま45歳での引退です。

 

もし「最低でも50歳まで現役でいる」という目標をイチロー選手が持っていなかったなら、果たして45歳まで一流の現役でいることが出来ただろうか。そんなことを思います。そうした誰もなしえていない記録に挑戦する高い目標を持って、地道に具体的な努力を重ねていたからこそ、やり切ったという達成感があり、「後悔なんてあろうはずがない」という言葉になるのだろうと思います。

 

この記者会見ではいろいろ重みのある「名言」がありましたが、特に新聞に紹介されていた最後の一言がまたいい。「苦しんだことは多々あったが、その体験は未来の自分にとって大きな支えになると今は思う。つらいこと、しんどいことから逃げたいのは当然だが、元気な時に立ち向かっていくことは人として重要だと感じている。」それに続く「締まったね、最後。」という一言も照れ隠しのような、いやいや真面目だよという感じで、イチロー選手らしくていい。

 

スポーツの世界に限らず、企業経営のところでも世代交代というか、昨今は事業承継ということが大きなテーマになっています。組織の活性化にとって必要不可欠な世代交代を、とりわけトップのところが自分自身の問題としてどのように考えるかが問われる時代になっています。

 

世代交代のやり方や、その後のあり方はそれぞれにしても、出来ることならしっかりと時間の余裕をもって計画をつくり、徐々に準備を進めていくのが望ましいことに変わりありません。組織を維持していくためのBCP(事業継続計画)とも関わるかもしれませんが、トップや経営幹部にいつ何があっても、「イチローが居なくなっても、イチローの経験が生かされる」そんな組織づくり、世代交代を意識しながら経験値の組織的な積み重ねが求められるのだろうと思います。