この季節に思うこと | 第一経営グループ代表 吉村浩平のブログ

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今年の確定申告も最後の一週間を残すだけとなりました。思えば申告書の作成が手書きの時代からパソコンに代わり効率性が格段に高まったことで、昔のように連日深夜まで残業する姿はほとんど見なくなりました。もちろんこの時期に圧倒的な業務の集中があることに変わりはありませんが、一昔前のちょっとしたお祭りのような高揚した雰囲気は「今は昔」という感じがします。

 

特に315日の最終日に、交通事故や渋滞に気をつけながら二人一組で分担してあちこちの税務署に申告書の提出に行き、すべて提出が終わって全員集合してからの打ち上げは大いに盛り上がったことを思い出します。最近はその提出業務も電子申告になり、以前とは全く様変わりしています。

 

そういえば第一経営が確定申告の電子申告を本格的に始めたのは確か、国税庁のトラブルが少し治まって安定してきたということで2011年頃だったように記憶しています。というのは、私の中では確定申告と東日本大震災の記憶が重なっているからです。

 

地震発生の瞬間、ちょうど私は北大宮駅に向かって歩いていたのですが、あまりの大きな揺れに立ち止まり動けなくなってしまいました。周りの電柱がまさに竹林のように左右に波打つ初めて見る光景でした。電車も止まってしまい、仕方なく事務所に戻ってみると、古いビルから全員が外に避難していました。

 

それでもようやく少し揺れが治まってからみんな仕事に戻り、その日は確か少し早めに8時までの残業として一斉に会社の車に分乗して帰りましたが、道路の両側は列をなして歩いて帰宅する人たちでいっぱいでした。翌日からの計画停電やガソリン不足に四苦八苦しながらも、申告の方は電子申告で助かったと言っていたような記憶が残っています。

 

もう8年前というか、まだ8年というか、ここ数日は震災関連の話題が様ざまな番組で取り上げられています。なんといっても福島の原発事故に関わるところでは、メルトダウンしたデブリの映像が流されていて、どうやら簡単には取り出すことがままならない状況が分かるにつれ、何ともやるせない思いになります。

 

放射能の影響が消えるまで数百年単位という話です。デブリが存在する以上は水をかけて冷やし続けなければならず、放射能の汚染水がたまり続けるといいます。もしもその間にまた大地震があった時、その冷却の仕組みは果たして大丈夫なのでしょうか。もう、ほとんど想像を絶するというか私には理解不能です。

 

今まであった商店街や街並み、田んぼや畑は姿を消し去り、帰還が許されたところでも戻って来られる人は一部です。更には未だ人の立ち入りが規制され、そこにあるのに、見えるのに使うことが出来ないという絶望感と経済的な損失は計り知れないものがあります。

 

こうした状況にあってもなお、日本政府は原発再稼働を進めていく方針に変わりがないといいます。太陽光や風力、地熱といった自然再生エネルギーが、原発何十基にも相当するパワーをもつ時代になっていても、なお原発依存の方針を変えようとしない理解しがたい時代遅れ、原発事故の重大性に対する自覚の薄さを感じないではいられません。

 

来年の東京オリンピックを「復興五輪なんて言わないでほしい」という声が紹介されていました。先週書いた沖縄の基地問題もそうですが、安倍政権の無責任な「言葉あそび」が過ぎるという感じがします。