今回からスプリングの調整について書いて行きたいと思いますが、前回のテイクバックを使わない奏法についても書いておく必要があると思ったので、予定を変更して書かせて頂きます。
ヒールダウン奏法や、踵や膝が上がるのと同時に音が出るような奏法は踵がプレートに着いた状態からショットする事になる為、前回のブログで書いたテイクバックをほとんど使いません。
このような奏法を使う場合はビーターの初期位置(音を出す前のレディポジションでのビーターの位置)で音量に差が出てしまいます。
テイクバックがほぼ無いので、極端な例で例えるとビーターとバスドラムの打面との距離が4〜5センチの場合、かなり初速を上げて重心をかけたとしても、そこまで音量は出ません。
逆にビーターと打面の角度が90度以上開いた状態からショットすればそこそこの音を出す事が出来ます。
このようなショットを使う場合は、レディポジションでのビーターの角度を事前に調整しておかないと、音量を上げたくても上がらない状況になってしまいます。
つまり、ペダルのプレートの角度と、ビーターの角度の初期設定をきっちり決めておき、その上でスプリングの強さを調整する必要があります。
ビーターが打面に近い状態でスプリングを強くしてしまうと、戻ろうとする力も強くなってしまうので、ますます音量は下がります。
ですので、この奏法を使い、ビーターの初期位置が打面に近い状態で演奏しようと考えた場合は必然的にスプリングの強さは弱めになります。
次にこの奏法でビーターと打面の角度を大きく取る場合は、スプリングが弱すぎると、行きは良いですがビーターの戻りに影響が出てしまいます。
スプリングが弱いと戻る力が弱いためビーターが戻りきるのに時間がかかってしまうのです。
これにより、テンポの速い曲などではビーターが戻る前にショット動作を行なってしまうケースも出てしまいます。
これでは折角の初期位置が台無しになってしまいます。
ですので、スプリングは少し強めに設定しておく事で初期位置に戻るスピードも上がり次の動作をスムーズに行う事が出来ます。
同時にスプリングが強ければ、多少プレートに足を乗せておいても戻ろうとする力が強い為、レディポジションを作る筋肉の負担も減ります。
ですが、スプリングが強い分、初速と重心には注意する必要がある事を忘れない様に心掛ける必要があります。
次回は、当初書く予定であったテイクバックがある奏法のスプリングの調整について書いて行きたいと思います。
「座る」について
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