2026年は、世界経済全体として不安定な状態が続く年になると想定されます。
米国景気は減速基調が継続する一方、インフレ率は高止まりしやすく、これにより米国の長期金利の低下は限定的になると見込まれます。
その一方で、政策金利については、トランプ大統領の意向を強く反映した新FRB議長の就任も相まって、2026年後半以降、市場予想を上回るペースでの利下げが実施される可能性が高いと考えています。
2025年の米国株式市場は、2月初旬に高値を付けた後、4月にかけて急落しましたが、2026年も年初から同様の急落局面が訪れる可能性は否定できません。
もっとも、仮に急落が発生した場合でも、あるいは大きな下落が起きなかったとしても、利下げが強化されることで米国株式は下支えされ、最終的には上昇基調に回帰すると見ています。これは、これまで述べてきた「10年サイクル」に沿った動きであると言えるでしょう。
この過程において、米国のイールドカーブはスティープ化(短期金利と長期金利の乖離拡大)が更に進み、為替市場ではドル相場が不安定な展開になりやすいと予想されます。
足元では、「利下げが思うように進まないのではないか」という市場の警戒感からドル高基調が続き、ドルの反落は先送りされています。しかし、年後半にかけて利下げが本格化することで、ドルは次第に下落基調へ転じると見ています。
また、日本銀行についても、政策対応が後手に回る、いわゆる Behind the Curve の状態が続く可能性が高く、結果として年後半には利上げペースを加速せざるを得なくなる局面が想定されます。これも、ドル安・円高を後押しする要因となるでしょう。
日本株式市場の見通し
日本株式市場は、米国株式の大きな変動の影響を受けざるを得ないものの、国内要因としては明るい変化も見られます。
これまで日本政治は混乱が続き、自民党が少数与党に転じるなど不透明感が強まっていましたが、高市首相の誕生により、経済再生を明確に志向する政策運営へと舵が切られつつあります。この点は、中長期的にはポジティブな流れと評価できます。
そのため、日本株式は基調的には高市政権の経済政策、とりわけ重点施策に関連する分野を中心に底堅い展開が期待されます。
もっとも、総裁選で高市氏が勝利してからの2025年は政策期待を背景に日経平均株価が急上昇しましたが、期待先行の買いから実体を伴う「現実買い」へ移行する過程では、一旦期待が剥落し、大きな調整局面を迎える可能性があります。
日経平均株価については、43,000円程度までの下落は想定しておく必要があるでしょう。過去にも、4万円台到達後に30,792円まで下落する局面があったように、上昇トレンドの中で避けられない調整と考えられます。
その後、総選挙を経て自民党が大勝するような展開となれば、下落分を一気に取り戻し、高市経済政策に対する「現実買い」「見直し買い」が進むと考えられます。ただし、急落後の反発局面であるため、2025年ほどの高い上昇率は期待しにくいでしょう。
さらに、もう一つの逆風として、株価が反発に転じる局面では、ドル円相場が急速に円高方向へ動く可能性があり、これが日本株の上昇にブレーキをかける展開も想定されます。
もう一つのシナリオとしては、春までに日経平均の大幅調整の前に総選挙があり自民党が圧勝した場合、日経平均は更なる高みを見ることになり、65,000円という水準も夢ではないと思われます。
為替・商品・暗号資産の見通し
為替市場では、米政策金利が低下しているにもかかわらずドル安に転じにくい背景として、インフレ懸念による米長期金利の高止まりが挙げられます。
しかし、米国景気がさらに減速し、後退懸念が強まるにつれて、米長期金利も次第に低下へ向かうと考えられます。その結果、為替相場はドル安基調へと移行すると見ています。
年後半以降には、日銀は利上げ速度を上げざるを得なくなることも、円高への援軍になるでしょう。
こうした米金利低下とドル安ということもあり、2025年ほどの急騰にはならないとしても、金(GOLD)は引き続き大きく上昇する可能性が高いでしょう。
一方、銀やプラチナについては、2025年は極めて投機色の強い急騰相場となりましたが、2026年はAI関連相場に陰りが見え始めるタイミングで急落するリスクもあり、注意が必要です。2025年の急騰は「行き着くところまで行った相場」であり、その反動としての大幅調整、あるいは暴落も想定されます。
ビットコインについては、4年周期の大相場はすでに終了しており、サイクル通りであれば、今後1年程度をかけて大きな下落局面に入ると予想されます。価格水準としては、25,000ドル〜30,000ドルまでの下落も覚悟しておく必要があるでしょう。
次の本格的な買い場は、2027年半ばと見ています。ただし、ボラティリティは依然として非常に高く、下落過程や反発局面では、一時的に再び10万ドルを超える場面があっても不思議ではありません。
予想年間相場レンジ
日経平均:43000円~60000円(65000円)
NYダウ:40000ドル~55000ドル
S&P500:5200~7600
ナスダック:17000~27000
ドル円:135円~159円
米国10年債利回り:3.25%~4.5%
GOLD(1onz):4150ドル~5900ドル
ビットコイン:32000ドル~100000ドル