ケイティ・テイラー vs アマンダ・セラノ | R I N G C H E C K !

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打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
現在は海外ボクシングとムエタイの記事が中心です。
知り合い・近親者向けに書いています。









マディソンスクエアガーデン史上初の女子メインイベント、 ロンドンオリンピック金メダリストでありプロ7戦目で世界奪取し4団体統一、 世界2階級制覇を成し遂げた王者ケイティ・テイラーと、 女子ボクサー史上初の世界7階級制覇を成し遂げた(Sフライ、バンタム、Sバンタム、フェザー、Sフェザー、ライト、Sライト)挑戦者アマンダ・セラノ、 この両者によるトップ・オブ・ザ・トップ究極対決 ! ! WBA、 WBC、 WBO、 IBF 主要4団体ライト級世界王座統一戦 ! ! !




▼ ケイティ・テイラー vs アマンダ・セラノ







初回、 挑戦者セラノはいつも通りのサウスポーファイタースタイルでウォークオン、1~2Rはジワジワとプレス、 3R以降は急チャージも混ぜて上下に振りリズムチェンジを図る。 テイラーは迎え撃つ形の攻撃的オーソアウトボクシングスタイルで、 ボディワーク幅などを駆使する形ではなく、 バックギアで淡々とレンジキープしながら多角的な左リードジャブ、 正面からの右ストレートカウンター、 左フック&ピボット(チェックフックではないオールドスクールなタイプ)でアウトサイドを取り続ける戦術。 ファイター vs アウトボクサー(もしくはアウトボクシング寄りのボクサーファイター)としては伝統的な構図で、 まさに教科書のような展開。





均衡が破れたのが5R、 セラノが一気にギアを上げてチャージを仕掛ける ! テイラーは試合通してヘッドムーブが利かず、 セラノの左ストレート、 ボディアッパー、 アッパーの打ち分けをまともに被弾し、 グロッキー状態になるシーンも見せてしまう ! セラノはクリンチ際やゼロ距離も上手い。 サウスポーの特性を生かし、 テイラーの左前手側を右前手で完全にホールドして隙間隙間に左アッパーをコツコツ入れて削っていく。 リングカットも見事なまでに最短距離を移動しており、 サウスポーファイターとして全く無駄のない素晴らしい展開作りが出来ている。 6RもセラノのR ! !





しかしここから気合を入れ直したテイラーの逆襲が始まる ! 一発で劣る分を手数で補い 猛然と3つ~4つのコンビネーションでセラノの前進を完全に止めてみせるテイラー、 ここまで散々セラノの重いブローで削られてきているはずなのに、 足をしっかりと動かしレンジキープしながら細かいコンビネーションでセラノを押し返し、 打ち終わりに必ずアングルを変えて更なる攻めを狙う
 … その姿は、 これぞまさにオリンピック金メダリストの面目躍如。 テクニック、 スピード、 パワー、 バイオレンス、 この試合にはボクシングの全てが詰まっています ! ! ラストRの壮絶な打ち合いは最早 女版 ガッティウォード でした ! ! !















問題になっている判定結果ですが … 当ブログ管理人の採点は、 テイラーの取ったRが、 1R、 2R、 8R、 9R、 10R、 セラノの取ったRが、 3R、 4R、 5R、 6R、 7R、 つまり 95-95 のドローでした。 まぁ微妙なRをどう付けるかでスプリットになってしまったのも仕方ないかなぁ、 と … 。





結果、 この頂上対決の勝者となったのはテイラー ! ! 試合後、 敗者セラノはリング上でのインタビューで、 「 私たちは素晴らしいショーを見せた。 女でも売れる試合ができる。 女でも戦える。 私たちはショーを見せた ! 」 と語り、 テイラーは 「 またやろう、アマンダ ! 」 と呼びかけ、 セラーノも 「 彼女が望むならなんでも ! 」 と返しました。 本当にこの試合、 女子ボクシングの凄さ、 面白さを世界中に知らしめる為の記念碑的な試合となったと思います。 先述した通りガッティウォード、 パッキャオマルケス、 レナードハーンズ … 今後ラバーマッチとして名勝負数え歌になっていきそうな予感 … この両者の試合なら何度でも見たいです ! ! !















〇 結果 : テイラー 10R 判定勝利 2-1 (97-93、96-93、94-96)