シャクール・スティーブンソン vs オスカル・バルデス | R I N G C H E C K !

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以前 バルデスの記事は二度と書かない と宣言していたのですが、 破ります ^ 結果から先に言ってしまうと スティーブンソン のワンサイド勝ちでした。 今回ばかりはバルデスの取り巻きも判定操作が出来るようなレベルではありませんでした ( まぁ前回もそうだったんですが … )




▼ シャクール・スティーブンソン vs オスカル・バルデス







スティーブンソンの抜群のミドルレンジキープ力に支配され、バルデスは何も出来ずに大差の判定負け。





バルデスは中間対策に 「 二軸ではない型 」 の、 下肢軸をスライドさせない “ 上体のみで打つ ” ノーモーションの右を用意していましたが … 高い瞬発力で発射されているものの … 精度は低く … スティーブンソンの前では無力。 ならば これを見せてのステップインを多用しインサイドから組み立てる事をすれば良いのに … しない。 何Rになっても変わらないワンサイド展開 … 。





バルデスはファイタータイプに分類される事が多いのですが、 実はスラッガーではあってもファイターではないのです。 元々トップアマであり中間駆け引きの得意な強打者で、一発が当たらなければその次の展開作りが出来ない。 これはアマの時から現在までずっと変わらないので、 今後も変わらないでしょう。 無論スティーブンソンのレンジキープの巧みさ故に入れなかったという見方もありますが、 本物のオリンピアン同士のスキルレベルでレンジやリングジェネラルシップを全くひっくり返せないなんて事はありえません。 リゴンドーやロマチェンコでも そのレベルで鬩ぎ合えば距離を壊される事は間々あります。 今回のようにそれが出来ないのであれば、 どちらかが偽物だという事です。





スティーブンソンにとってはイージーゲームだったと思います。 ショットガンの如き高い瞬発力で放たれる右リードは、 時には触覚に、 時にはプッシングに柔軟に変化させてバルデスの前進を阻む。 特に気になったスキルは 前手触覚の目隠しを残したまま放つ左ボディストレート ( 中間での打ち分けは、 自分が教えている現場のサウスポーボクサーファイター達にとって大きな課題なので、 是非とも参考にして貰いたいスキル。) これが当たるから顔面への返しもクリーンヒットする。





スティーブンソン、 プロ転向直後は線の細さや圧力負けがどうしても気になってしまう選手でしたが、 試合毎に弱点を克服してきており、 上位世界ランカー相手でもスキル負けは勿論、 フィジカル負けする事もなくなりました ( アマ最後の試合、 リオ五輪バンタム級の決勝 以来一回も負けていません。) パンチも試合毎に上げてきていますね。 この高い成長率を保ったまま試合を重ねていけば、 確実にPFPを狙える存在になっていくでしょう。















〇 結果 : スティーブンソン 12R 判定勝利 3-0 ( 117-110、 118-109×2 )