愛犬が逝って四十九日が過ぎた。
僕は、
今も、
会えると思い込んでいる。
会いたい。
会いたくて会いたくてたまらない。
とても寒い夜だった…
高架沿いを宛ても無く歩いていると、少しずつ賑やかになって来たらしい。
難波に来ていたのだ。
ひろしさんは人の少ない暗い道を選んで進んだ。
寒い夜だった…
寒くて寒くて寒くて仕方無かったと言う。
寒さが限界に来た時、
ふと見上げると
白い看板が目に入ったと言う。
そして、
吸い込まれる様に階段を下りてしまったと言う。
そこにあったのが僕のお店だったのだ。
僕はひろしさんに、
何でそんな事したか聞いた。
断る事は出来ないとひろしさんは答えた。
ひろしさんは仕返しされないのか聞いた。
わからないと答えた。
僕は又怖くなった。
話を少しそらしたかったので
「ご飯は?」と聞いた。
食べてないと答えたので、お通しに作っていたおでんの残りを出すと、
「美味しい、美味しい」と繰り返しながらペロッと平らげた。
たくさんあったので
又お皿におでんをのせた。
あまりにも美味しそうに食べるので僕も食べたくなり二人で一緒におでんを肴に今度は熱燗を呑んだ。
僕は日本酒が極めて弱く、酔っ払うと大変なんです。
日本酒のせいで気が大きくなってしまった僕は、飲めや歌えや食えやとひろしさんにすすめた。
ひろしさんは遠慮等全くせず「ありがたい、ありがたい」と何度も言いながらゴクゴク呑んだ。
とっくに夜は明けていた。
…つづく
高架沿いを宛ても無く歩いていると、少しずつ賑やかになって来たらしい。
難波に来ていたのだ。
ひろしさんは人の少ない暗い道を選んで進んだ。
寒い夜だった…
寒くて寒くて寒くて仕方無かったと言う。
寒さが限界に来た時、
ふと見上げると
白い看板が目に入ったと言う。
そして、
吸い込まれる様に階段を下りてしまったと言う。
そこにあったのが僕のお店だったのだ。
僕はひろしさんに、
何でそんな事したか聞いた。
断る事は出来ないとひろしさんは答えた。
ひろしさんは仕返しされないのか聞いた。
わからないと答えた。
僕は又怖くなった。
話を少しそらしたかったので
「ご飯は?」と聞いた。
食べてないと答えたので、お通しに作っていたおでんの残りを出すと、
「美味しい、美味しい」と繰り返しながらペロッと平らげた。
たくさんあったので
又お皿におでんをのせた。
あまりにも美味しそうに食べるので僕も食べたくなり二人で一緒におでんを肴に今度は熱燗を呑んだ。
僕は日本酒が極めて弱く、酔っ払うと大変なんです。
日本酒のせいで気が大きくなってしまった僕は、飲めや歌えや食えやとひろしさんにすすめた。
ひろしさんは遠慮等全くせず「ありがたい、ありがたい」と何度も言いながらゴクゴク呑んだ。
とっくに夜は明けていた。
…つづく
お店の中からは、何の音も聞こえて来なかった。
恐る恐る扉を開けた…
そこには…




















大きな大きな背中がぁ
ひろしさんはまだ居た。
僕はカウンターに入り、何故か又ビールを抜いた。
そして話の続きを聞いた。
高架沿いの真っ暗な道を歩いている時急に涙が出て来たと言う。
寒くて、お腹が空いて、
そして、
ただただ、淋しくて、
涙が止まらかったと言う。
その時、母親を思い出し、声を出して泣いたと言う。
一人大声を出して泣いたと言う。
その後は、悪い考えは消えてしまっていたと目を丸くして僕に訴えかけた。
「お母さんがひろしさんを助けてくれたんですよ…罪を重ねてほしくないんですよ。」と僕は言った。
ひろしさんの目は潤んでいた。
(僕はついさっきまでひろしさんに罪を犯させる作戦を考えていたのによくもそんな事が言えたものだ。)(けれど本当にそう思った。)
ひろしさんは、よく見ると優しい目をしていた。
ひろしさんは、刑務所に入っている間に母親を亡くした事を悔やんだ。
(僕の実の母親は、僕が小学校二年生の時に癌で亡くなった。)
その時の事をひろしさんに話した。
ひろしさんは僕の話を聞きながら、
「かわいそうに、かわいそうに、」と何度も繰り返し、涙をポロポロと流し、声を出して泣いていた。
つられて僕も泣いた。
しばらく二人で泣き続けた。
……………
いつの間にか
ビールからウイスキーに変わっていた。
そして、僕も酔っ払っていた。
~つづく
恐る恐る扉を開けた…
そこには…




















大きな大きな背中がぁ

ひろしさんはまだ居た。
僕はカウンターに入り、何故か又ビールを抜いた。
そして話の続きを聞いた。
高架沿いの真っ暗な道を歩いている時急に涙が出て来たと言う。
寒くて、お腹が空いて、
そして、
ただただ、淋しくて、
涙が止まらかったと言う。
その時、母親を思い出し、声を出して泣いたと言う。
一人大声を出して泣いたと言う。
その後は、悪い考えは消えてしまっていたと目を丸くして僕に訴えかけた。
「お母さんがひろしさんを助けてくれたんですよ…罪を重ねてほしくないんですよ。」と僕は言った。
ひろしさんの目は潤んでいた。
(僕はついさっきまでひろしさんに罪を犯させる作戦を考えていたのによくもそんな事が言えたものだ。)(けれど本当にそう思った。)
ひろしさんは、よく見ると優しい目をしていた。
ひろしさんは、刑務所に入っている間に母親を亡くした事を悔やんだ。
(僕の実の母親は、僕が小学校二年生の時に癌で亡くなった。)
その時の事をひろしさんに話した。
ひろしさんは僕の話を聞きながら、
「かわいそうに、かわいそうに、」と何度も繰り返し、涙をポロポロと流し、声を出して泣いていた。
つられて僕も泣いた。
しばらく二人で泣き続けた。
……………
いつの間にか
ビールからウイスキーに変わっていた。
そして、僕も酔っ払っていた。
~つづく