(9月議会のネタバレです)
6月議会で
子ども1人あたりの保育士を削って待機児を解消したい←詳しくはココ
などという答弁がありました。
そもそも、そんな論理は成立しません。
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いま河内長野市では
(市独自のお金の上乗せをして)
1歳児4人に対し1人の保育士を配置しなければなりません。
(河内長野市に残された唯一宝物のような保育施策)
なるほど一人の保育士で5人の児童を見れるようになれば
単純に1人の待機児が解消しそうに見えます。
でも違います。
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お金の流れはどうか?
お金は、保育士1人に対してではなく児童一人に対して出ています
↑ココ大事
ということは保育園としては配置基準一杯を目指します。
たとえば児童一人に10万円出たとすると、
児童が1人でも4人でも保育士は1人
しかし収入は10万円~40万円になります。
保育士に払う額は児童が1人でも4人でも同じです。
つまり保育所にとっては
配置基準の倍数の児童を受け入れるのが最も効率的になります。
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では実際はどうか
H25年4月1日の在所児童の数です
縦軸は児童数・横軸は年齢
緑は60人定員の保育所
赤は75~90人定員の保育所
青は100~150人定員の保育所です。
赤線の一歳児が4の倍数の16人に張り付いているのが目立ちます。
また4の倍数である8と12に近づこうとしているのが分かります
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なぜ16人に張り付くのか
問題は1歳児だけの配置基準(倍数)では収まりません
1年後には1歳児は2歳児になります
2歳児の配置基準は6対1
3歳児は20対1、4歳5歳児は30対1です
とりあえず90人定員を例に挙げると
3歳児を保育士1人(児童20人)にするためには
2歳児は6の倍数では18人に抑えないといけません
そのためには1歳児を4の倍数で16にしないといけません。
(途中でやめさすわけにはいかないから)
1歳児で20人受け入れると
2歳児の保育士を1人増員しないといけないからです。
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1歳児の配置基準を5対1にすれば
倍数は15です。20は4の倍数でもありますし先の2歳児で問題が発生します。
以上のことより90定員の保育所では
1歳児の受け入れは16人から15人に減る危険性があります
60人定員でも同じことが言え10人に張り付くでしょう。
120定員規模では多少の弾力はありますが
結局配置基準の倍数による選択になると、
4,8,12,16,20,24,28,32
5.10.15.20.25.30
と選択肢が減るのは確実です。
確かに床面積が許せば、チョイスするところで
増える可能性はありますが、
減る可能性も十分あります。
つまり配置基準と受入れは、関連性がありますが
必ず増えるというものではありません。
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次に定員からの側面から見てみます
先ほどの90人定員規模の保育所の一般的な児童数を単純化したものです。
0歳児の受け入れは無し
1歳児の受け入れを16人
2歳児の受け入れを2人
3歳児の受け入れを2人
4歳5歳の受け入れは無し
でシュミレートしています。
この時点で児童数は94人
すでに定員を超えています。
つまり、配置基準に関係なく一杯まできているのが実態です。
実際に市内のほとんどの保育所は定員を超えており
今年の4月1日付けの児童数は
市全体の保育所定員1285人に対し
1349人と104.98%になっています。
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待機児を解消するためには
第一に抜本的な定員増・保育所新設が必要です。
長期的に見れば
1歳児で1人の待機が出ることは
5人の定員増の必要性につながります。
全国的な1歳児の待機児童は増え続けています。
第二に仮に100歩ゆずって、
配置基準の削減で1歳児の受け入れが増えたとしても
定員がすでに100%を超えている今
先5年間の受け入れは破たんします。
また更に100歩ゆずって、
極めて短期的な受け入れを増やすことが目的であれば、
市の負担で保育士を加配すれば、同じ結果が得られます。
その選択肢がないということは
保育に使うお金を
削ることはあっても、増やすことはない
立場であり、手法だというしかありません。
誰が考えても1人の保育士が見る子どもの数は少ない方が良いに決まっています。
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もともこもない話をすれば
はじめから判っていることですが・・・・・
保育士の配置基準の削減は
市の財政サイドからの支出削減案
「財政体質改善プログラム」による提案です。
それをあたかも、
子どもたちの待機児解消につなげようとする
その体質こそ改善してもらいたいものです。