民主党政府は2020年までに、温暖化ガスを1990年比25パーセント削減することを国際公約した。


ただし次の条件がついている

・削減の国際的枠組みができることが前提であること。

具体的には米国及びと途上国である中国、インド、ブラジル等の排出大国が削減の枠組みに参加すること。


・京都メカニズムといわれる、排出権を他国から買ってくる制度及び外国でのCO2削減を自国での削減としてカウントできる仕組みを利用できること。

すなはち25パーセント全てが国内で削減されるとは限らないこと。


・山林によるCO2吸収分も削減内容に取り入れられる可能性があること。

京都議定書では日本の6パーセント削減義務のうち3、8パーセントは山林吸収分である。


要するに25パーセントは真水とは限らないということである。




それでも進む環境対応!


民主党政府が来年3月までに打ち出す温暖化対応は本格的なものとなる。

さまざまな条件がつくとはいえ、温暖化対応でリーダーシップを取ると国際公約した意味は重い。


12月には2012年以降の温暖化対応の国際的枠組みを決めるコペンハーゲンサミットがある。

ここで日本は国際的リーダーシップをとる構えである。

そのためには少なくともEUが実施している先進的環境制度をすべてとり入れる必要がある。


このままでは2008年から2012年までの平均での6パーセンとト削減(京都議定書での日本の義務)は不可能である。なぜなら現在減るどころか約7パーセント位増えてしまっているからである。



したがって、次のような制度は導入されるはずである。


EU型排出権取引制度の導入。

主な企業にCO2排出量を割り当てて、その基準を下回った場合は余分な部分を売ることができる。

逆に割り当てを超過した企業は市場で排出権を買って基準を満たす。基準をオーバーすればペナルティを課される。


現在CO2は1トン当たり2000円くらいで取引されている。


環境税(炭素税)の導入。

ガソリンにかかる税を撤廃し高速道路を順次無料化する施策は明らかに公共交通利用によるCO2削減の政策と明らかに矛盾する。


環境税で各種環境施策の財源を確保し、さらに車のガソリン使用を抑制できる。


自然エネルギー由来電力を全て(太陽光だけでなく)通常の電気より割高で買い取る制度の導入。

現在は太陽光発電由来電力で、しかも家庭で使った余剰分についてのみ通常の電力料金の2倍で買い取ることになっている。


太陽光だけでなく風力や地熱等も含めた自然エネルギーを通常の電力料金より割高全量(現在は自家消費したあとの余剰分のみ)買い取る制度の導入。


これはドイツで成功(太陽光で日本を抜いて世界1になる。)した仕組みなので、太陽光発電世界1を目指す日本はこの制度を採用せざるを得ない。


エコポイントやエコカー減税などは継続か廃止かは現在判断できない。



経団連も覚悟して対応を考えるようになるはずである。

経済同友会は25パーセント削減を高く評価した。


かくては年末から来年にかけてエコステージは大きく変わることになる。


日本の温暖化対応の枠組みが来年3月までに決まる。





「温暖化ガス25%削減、10年春までに制度設計 増子経産副大臣

 経済産業省の増子輝彦副大臣は9日、仙台市内で開いた民主党宮城県連の会合で、政府が掲げる温暖化ガスを2020年までに1990年比で25%削減する中期目標の達成に向け、

来春までに具体的な制度設計を固める方針を明らかにした。・・・温暖化ガスの25%削減をめぐっては鳩山由紀夫首相が7日に、

目標達成に必要なコストや海外に省エネ技術を提供する枠組みについて年末に骨格を固めるよう関係各省に指示した。

9日の副大臣発言は国民生活への影響や、排出削減の具体的な方法を含めた計画の全体像を来春までに作り終える考えを示したとみられる。」


世界最高の25パーセント削減を打ち出した日本が、その実現に向けてのメニューを3月までに出すという。

現在温暖化対応でトップを行くEUの主要なメニューは全て踏襲するはずである。そうしなければ25パーセント削減は不可能である。


これは世界最先端の温暖化対応策が日本で打ち出されるということである。


日本の企業の意識が根本的に変わる、変わらざるを得ない。

25パーセント削減の国際公約に対して経団連はいまだ斜に構えているが、日経連は覚悟を決めた。


日本の企業活動の土俵が質的に変わるということである。

日本の経済活動の質はCO2本位制に変わるはずである。

排出権取引と環境税の導入である。


これは世界標準になる可能性があるし、またそのように導くべきであるが、ここで問題が生じる。


環境基準を厳しくした場合、日本の企業がハンデーを負うことになる。経団連などは海外移転が始まると恫喝している。一定レベルを越えれば現実化する可能性もある。


対応策。

環境負荷のレベルを輸入関税化することである。すなはち生産過程で排出したCO2量に応じて輸入品に関税をかけるということである。

環境負荷の高い製造工程で安価に製造した製品には輸入段階で関税(環境関税)をかけるということである。


この考えは既にEUにあるわけですが日本が参加すれば世界標準になる可能性が開ける。

環境基準の強化を嫌って企業が海外移転するメリットもなくなり、途上国のCO2削減の枠組み参加を促す武器にもなる。


この点は民主党は認識していない可能性が高い。

ここまで考慮したメニュー作りは来年3月までには無理である。

これから打ち出される民主党の温暖化対応メニューは世界史に残る

内容なる可能性があるということである。


民主党の先生自覚してがんばってください。


前前回(9月15日)市場はミニバブル状況と指摘し、前回25日は2番底を付けることを指摘した。

時期についても下記のように書いた。(赤字部分)



上記の経済状況は、少なくとも2ヶ月以内に市場に反映するはずである。

理由は内外の政府の財政出動効果の限界が見えてくる時期だからである。




世界の救世主として表れた中国の現状はどうか。財政支援による内需が息切れの兆候を見せ、輸出は全く回復していない。


沿海部との格差是正のため内陸部での家電購入に補助金(家電家郷)を付けた。

しかし8月はその販売額が前月比14パーセント減少した。今年初めてのマイナスである。


また中国人民銀行(日本の日本銀行にあたる)は9月29日、最近の金融委員会の内容を発表した.

「外需外需不足の圧力は依然として非常に大きく(8月前年同月比23パーセント減)内需を一段と拡大するには多くの制約をしなければならない」

「国内需要、特に個人消費が経済成長を牽引する力を引き続き強める必要がある」

と指摘。


前回25日にこのブログで指摘した


『中国は完全な(不動産、株式)バブル状態で、しかも医療、環境、公害、腐敗、内陸の貧困などの問題は今回の金融危機でなお一層解決困難になった。


54兆円の政府特需も輸出の構造的減少を内需の拡大で補う橋渡しの役割を果たせそうもない。』

との指摘が確認された。



米国も同様である。

8月の中古住宅販売が5ヶ月ぶりに前月を下回った。

新築住宅販売も5ヶ月ぶりに横ばいとなった(0.7パーセント増)。


失業者もさらに増加データが出たようである。

車への補助も8月打ち切りで、打ち切り後のデータはまだでていないが、ある自動車ディーラーでは打ち切り前の80パーセント減ペースと伝えられた。


これら米国や中国の状況は、財政出動が経済の自律回復と結びついていないという事を示している。



かくして、従来の指摘どうり2番底は避けられない。

15日と25日に指摘したように、楽観シナリオの市場は修正されざるを得ない。