12月のCOP15(京都議定書後の温暖化ガス削減の枠組みを決める国際会議)をめぐる情勢。


担当事務局長が今年の会議は政治的同意(方向を決めるのみ)のみで具体的数値は来年に持ち越しの方向を表明した。

理由は先進国と途上国の合意が困難という事である。


しかし今年のCOP15はおそらく国際的枠ぐみの方向を決定ずけるものとなると思われる。

国益と今後の国際的リーダーシップをかけた戦いである。


インドネシア、韓国など現在排出義務のない数カ国が具体的削減数値を発表し始めた。


国は環境局を環境省に格上げし、上海万博は実質所のテーマは環境技術展の様相である。

中国は温暖化対応という巨大トレンドを明確に意識している。

環境対応を本格化する上で日本など先進国から環境技術を如何に安く(できれば無料で)手に入れるかだけが課題である。


中国は、EUまたは米国と温暖化対応の国際的枠組みの提案をする可能性もある。


日本にはまだ国益をかけた枠組み提案という視点がない。


いずれにしても温暖化対応は大きく前進する。12月のCOP15までにどこか(中国+?)が動くはずである。



温暖化対応は劇的に進展する可能性があるが、それでも間に合わない可能性が高い。

既に触れたことであるがなぜ間に合わないかを次回述べます。



□市場

不気味な日本売り。


円高はドル(米国)に対してのみで、ほぼ全てのそのほかの通貨に対しては円安である。

世界的円売りが静かにすすんでいるのである。


日本の財政赤字が世界でもGDP費で突出して高い事が嫌気されているとすれば、国債価格の暴落、金利上昇で利払いの上昇等構造的問題が現実のものになることを視野に入れたものか。


可能性としては現在静かに進行している世界的ドル離れが"円離れ"を伴なうのではないかということである。

ドルとの心中である。


自民党政権では間違いなくそうなっていただろう。

民主政権の無駄仕分けが筋肉質の政府を作り、メリハリのある成長戦略がきちんと描けるかが破綻回避の希望というところだろう。

成長戦略を描ける人材が民主党ブレーンの中にいるのかが心配である。


成長戦略は何を柱に描くべきか?

近いうちに触れる予定です。



政府『戦略室』は本年中に「成長戦略」を発表する予定である。

環境、介護、雇用が柱という。


環境は思い切った施策が出るか。

必ず出る。


・関係する裾野が広く、輸出関係でもあるのは環境しかない。


・世界のトレンドに合致しオバマグリーンニューディールへの対応、日本が25パーセント削減を公約した以上後に引けない。


・このままでは京都議定書の数値(1990年比6パーセント削減)を達成できない。

2008年から2012年の平均で6パーセント減らすという内容だがいまだに達成できていない。予定では真ん中の2010年に6パーセント削減を実現し、それ以降(2011,2012)はさらに削減して、2008~2012平均で6パーセント削減にしようという筋書きであった。


かくて戦略の柱は環境になる。排出権取引、炭素税、自然エネルギー比率の大幅引き上げ(自公政権の作った目標は2014年までに1.64パーセントが目標)が3点セットになる。

環境団体の求める数値は2020年までに20パーセントの比率である。


太陽光だけでなく風力、地熱、バイオ等のエネルギーも全量(通常電気代の2倍など割高で)買取となるだろう。

国民の負担はそれでも500円(1ヶ月)程度である。


□市場


まず現在進行中の大きなトレンドの確認。


静かにドル離れすること。

ドル暴落は誰の利益にもならない。価値の目減りするカードを静かに減らしていく作業が進行中である。


中国だけでなく中東、EUも。そしておそらくはこれからは日本も戦略なしに米国債を買いますことはないだろう。

金価格の上昇はまさにドル離れの象徴である。


遠くない将来(2年程度)臨界点を迎えるだろう。対応の取れた国とそうでない国が出るだろう。日本の舵取りは難しい。


世界でもオーストラリア以外は出口戦略(国の財政出動や中央銀行の低金利政策、コマーシャルペーパーの直接買い入れ等をやめる手順)に着手できないでいる。

2番底懸念があるからである。


日本は国債の金利が目に見えて上昇してきた。

それに伴い住宅ローンの金利引き上げも始まった。

景気対策をにらんだ国債の発行に足かせが架せられつつある。


来年度予算編成で国債発行を40兆円以下ぐらいに抑えれば、ポジティブサプライズとなるだろう。しかしそのような数値は現在の民主党には視野に入っていない。


このままではジレンマ(景気は自律回復せず、景気対策のための財政出動もできない)である。


ジレンマは市場が最も嫌う事態であり、現在の市場の低迷はこのような事態を懸念しているからであろう。


打つ手は限られた予算の賢い使用ということになる。


民主党はその意思を持つかもしれないが、能力が伴うかは分からない。







迷えるトヨタ!


一言で言えばこれが現在のトヨタの姿だろう。


軸足をハイブリッドに置きながら腰の引けた姿で電気自動車も少しは手がける。


電気自動車への巨大な流れを感じてプラグインハイブリッドに力を入れ始めている。

これはハイブリッドより電気自動車に近いもので電気モーターが主で長距離走行の保険として補助的にガソリンエンジンがつくというものである。


説明としては、一気に電気自動車の時代は来ない。ハイブリッドとプラグインハイブリッド時代が主流となり、来るとしてもその後で電気の時代が来るという読みであろう。


電気への切り替えはいつでもできるようプラグインハイブリッドを重視するというわけである。


一見まともな説明のようであるが、ここには強者の弱点がはっきりと示されている。


米国、中国の電気自動車ベンチャーにはグーグル、バフェット等の資金がいち早く投じられている。

日産やその他既存の自動車メーカーも電気シフトを本格化させている。世界の自動車業界のトレンドは明らかに"電気自動車"を軸に動き出している。


トヨタは冷徹に客観的動きを捕らえるのではなく、ハイブリッド関係の技術の優位性を生かしたいという願望を優先させているように見える。


もし冷徹に現状を受け入れるならば、トヨタのとるべき戦略は次のようになるべきである。


・(当面いかに小さい市場であっても)現在目の前で繰り広げられようとしている電気自動車市場で他を圧倒する地位を確保する。


そのことが結果的に、電気自動車の普及を早め、現在優位性を持つハイブリッド関係技術のスクラップ化を早めようとも、それを受け入れる覚悟をする。


これしかトヨタが世界トップの地位を維持する(可能かどうかは分からないが)方法はないだろう。


このままでは自動車業界は、(ゼロサムか縮小する市場規模での)ガラガラポンの戦国時代突入は避けられないだろう。