「っつーか、何で武が綺羅先輩と樹里亜先輩を知ってんだよ?」


「ん?あの二人、有名なのか・・・?」


 と事も無げに武はヤスに疑問を投げかける。すると彼はブレザーの胸ポケットよりメモを取り出す。情報通の彼にとってはこのメモは必須アイテムである。


「有名っちゃあ有名だな。あの二人、二年の美人コンビで通ってるからな~。樹里亜先輩は『踏まれたい女ランキング』で一位!毒舌だけど意外と優しいツンデレお姉さまの代表だ!んで、綺羅先輩は気さくでボーイッシュで美人ときちゃー、うちの学年の女子までもが黙っちゃ居ない。男女共に大人気だとか・・・・。」


「よ・・・よく知ってるな・・・。っつーか、ヤス、時間がヤバいぞ・・・学校までダッシュだ!」


 そういって二人は急いで学校に入る。ギリギリ始業のチャイムには間に合い、一限目の授業が始まる。武が教科書を鞄から出そうとした瞬間、一枚のメモ書きが入っていることに気付く。


『放課後、アジトで待ってます。綺羅。』


 メモに書かれたとおりに、武は放課後COAのアジトへ向かう。すると綺羅が駆け寄ってきて武の手を握る。


「ねねっ!武、武、これ出てよ、これ~。」


 そういって見せられた紙には『校内アナザーバトルコンテスト!』と大きく書かれている。


「これね~、賞金が出たりするんだよ~。それで、噂によるとうちの学校の四天王って言われてる人の一人が出るらしいのね!だから、武も出よ?」


「お・・・・・おう!」


「やった♪そう言ってくれると思って私もう登録しといたんだ~、来週の月曜だから今日から毎日特訓ね~!」


 無茶を言っていると解りつつも、武は拒まなかった。何故か、彼女に言われると、不思議と期待にこたえたくなる自分が居ることに、武は戸惑っていた。

『意外な結末ですねぇ・・・・。高橋の戦闘不能により勝負終了!勝者、武!』


 アートレスの勝ち名乗りを受けて武はその場にへたり込む。


「強ぇ・・・若干汚え勝ち方だったけどな・・・・。にしても・・・・なんでアイツアナザーをかばったんだ?」


「オメーもわかってるだろ・・・?アナザーは道具じゃないんだよ・・・・俺らにとって『大切な存在』なんだよ。」


 横からナオトが話しかけてくる。


「このチームは、そういう、大切なものに命を張れる奴らの集まりだからな・・・。根は言い奴ばっかだぜ!」


「大切な存在・・・・・。この猿がなぁ・・・・・・。」


『ぬ・・・?お主・・・・我を馬鹿にしたな?間の抜けた面のくせに・・・・。』


 そういうと武と悟空は喧嘩を始める。そしてしばらくして武は家に帰った。そして彼の顔は満足の表情が浮かんでいた。




 月曜日の朝、武は友人のヤスと二人で登校する。すると武の前に現れたのは、彼と同じ学校の制服に身を包んだ綺羅と樹里亜であった。


「なっ!?なんで綺羅と樹里亜が・・・・!?」


「へっへ~ん、この学校の生徒なんだから当然でしょ~?」


「ていうか、アンタ、私達二年なんだから敬語使いなさい!」


 と樹里亜は厳しい言葉を残して綺羅と共にその場を去っていった。

 ひょんな事から高橋と戦うことになった俺は悟空を呼び出し、如意棒に変える。ステージは『お菓子の国』という別の亜空間で、建物全てがファンシーで甘いにおいが漂ってくる。


『では・・・・私がジャッジを・・・・。Ready Fight!』


 アートレスの掛け声と共に俺は高橋に向かって走り出す。


「先手必勝!」


「で・・・出てきて・・・メイちゃん!」


 高橋がそう叫ぶと高橋の一歩前の床から、ショートカットのメイドが現れた。そしてその右手をガトリングに変化させてエネルギー弾を発射する。武の腹部に見事命中し、彼は後方へ吹き飛ぶ。


『御呼びになられましたか、ご主人様・・・。本日はどのようなご用件で・・・?』


「い・・・今吹っ飛ばした彼をやっつけて・・・!」


 するとメイは右手を刃に変えて武に襲い掛かる。メイの斬撃を如意棒で受け止め、武は彼女の腹に蹴りを放つ。その後も武とメイの一進一退の攻防は続いた。


「しゃーねー、汚い気もするが・・・・。」


 そういって武はメイに襲い掛かる。メイはそれを防御する構えに入るが武の攻撃は来なかった。武はメイをスルーして高橋本人に襲い掛かる。しかし、彼の動きは想像以上に機敏で、三撃目の蹴りが入ったと思った瞬間にメイのパンチに飛ばされる。


『大丈夫ですか・・・ご主人様?』


「ってー・・・。アイツ自身もそこそこ動けるのかよ・・・。お手上げだ・・・・正々堂々と斬ってくれ・・・・。」


 武が負けを悟るとメイは彼の首根っこを掴んで持ち上げる。そして余った腕を刃に変える。


『これで終わりです・・・・。』


「・・・びろ・・・・ぼう・・・。」


 武が何やらつぶやいた瞬間、地面に落ちていた超小型化された如意棒が伸び出し始める。それはメイの鳩尾を突きつつも伸び続け、壁にぶつかる。


『ァ・・・・カッ・・・・・。』


「形勢逆転だな・・・。戻れ、如意棒・・・!」


 武の掛け声と共に如意棒は縮みだし、普段の大きさに戻る。そして力なく落ちてくるメイにむかって武は渾身の一撃を放つ。しかしそれは間に割って入った高橋が直撃し、彼は気絶する。その瞬間、武の勝ちが確定した。