流派:北斗琉拳
修羅の国創始者・第一の羅将
ラオウ、トキ、サヤカの兄
幼少期、ケンシロウとヒョウを助ける為に母が犠牲となり、母を失った悲しみから逃れようと悪に生きることを決意。一切の情愛を捨て去るため、愛犬リュウを殺し、心を痛める度に自ら体に傷を刻んだ。
宗家の為に母が死んだだけでなく、宗家の為に負けを強要されるなどの扱いを受けたカイオウは、宗家に対する恨みを募らせる。
その激しい気性がゆえ北斗神拳伝承者候補には選ばれず、ヒョウと共に修羅の国に残ることとなった。
しかしその後、時代を不安視したジュウケイから北斗琉拳を学び体得。そして北斗琉拳の敵となる宗家の秘拳を封じるため、ヒョウの記憶を完全に封印した。
核戦争後、国を制圧したカイオウは強き者だけが生き残れる『修羅の国』を創設。国を統べる王となり、拳の力で絶対王政を成立させた。
しかし、数年ぶりに再会したラオウはそのやり方に反対。いずれ拳を交える約束をした後、弟ラオウへの情愛と決別するため自ら『ラオウ伝説』を修羅の国に広めた。
リンを追って海を渡ってきたケンシロウとの初戦では、魔闘気によって無想転生を破り圧倒。
瀕死状態となったケンシロウを救いにきたシャチや赤鯱に妨害を受けるも追い詰めることに成功する。
しかし、北斗宗家の血によって覚醒したケンシロウの闘気に圧倒され、呼吸困難となり逃がすこととなった。
その後、ヒョウとケンシロウを闘わせ宗家の血を抹殺することを画策したカイオウは、実の妹であるサヤカを殺し、ヒョウにケンシロウの仕業だと偽ることでヒョウを魔界へ堕とす。
その思惑通りヒョウとケンシロウの兄弟対決が始まったが、シャチが間に入ったことで決着がつき、ヒョウの記憶が蘇ったことを知ったカイオウはその怒りの矛先をシャチに向けた。
泰聖殿にてシャチを瀕死状態へと追い込んだカイオウだったが、宗家の秘拳(女人像)が発見され、愛のために闘うシャチに女人像の力が憑依。
愛を主張する宗家に激怒したカイオウは、悪こそが最強であると証明するため、あえて秘拳を手に入れたケンシロウと闘うことを決めた。
しかし再戦では、互角からの劣勢となり最後の攻撃も通じず、とどめの一撃を受け敗北。
敗者である自分にさえ情けをかけるケンシロウを認め、瀕死の状態でかけつけたヒョウとも和解し、最期はヒョウを抱え溶岩の中で絶命した。
毎回この経歴的なのいらないと思いつつ、他のキャラも書いてきたのにこの人だけ書かないとかなんか嫌だという変なこだわりで書いてしまう。
で、書いてる途中で思う。
じゃあ全員消したろかなって。
でも、北斗の拳をよく知らない人にもこれだけの濃いキャラと濃いストーリーがあるってことは伝えたい。
ので、誰に頼まれたわけわけでもないのにめんどくさいしまとまらないし嫌になって毎回愚痴るかもしれないが、自分のこだわりのために書き続けます。
カイオウの悪
北斗の世界には様々な悪(役)が存在する。
ジャギやアミバのような逆恨みもいいところな悪だったり、ユダのように妬み嫉み、固執した悪、サウザーのような悲しい過去を背負うがゆえのトラウマによる悪や、初期のシンのようなユリア愛強すぎて遮二無二暴走してしまった悪もある。
ちなみにヒルカのような悪は芯のない雑魚い悪なので、弱い。
悪にも色々あるのだ。
(「ヒルカ」を「ヒソカ」と間違えてたので訂正しました。ヒソカて。それHUNTER × HUNTERやしHUNTER × HUNTER知らんからヒソカが悪かどうかも知らんや。)
だがそんな中、悪の頂点とも言えるのがカイオウの悪だ。圧倒的悪。
他の比にならない。
なぜなら、憎しみや恨みを根源に悪を追求し続け、自ら悪そのものになろうとしていたからだ。
これほど『悪』に生きた人はいない。
あの世界に斎藤一がいたら一目散に「悪・即・斬」を打ち込んでいただろう。
大体みんな、何かをきっかけに心が悪に染まるか、心を悪に染め悪として生きていくわけだが、カイオウは違う。
カイオウは、母の死をきっかけに心が悪を欲したのだ。
良心をねじ伏せながら心が痛む度に身体的痛みで紛らわし、あのような傷跡を残してまで。
そして、北斗琉拳を伝承し、長きに渡り虐げられてきた屈辱を晴らさんと更なる悪を手に入れたカイオウは、全ての恨みを根源とし最強の魔神となる。
北斗神拳究極奥義である無想転生を見破るほどの魔神を前にした、ケンシロウのあの絶望的な顔を私は忘れられない。
圧倒的悪を前にすると、ケンシロウはちょっと絶望してしまうのだ。
サウザーとの違い
なぜカイオウの悪が圧倒的なのか。
同じ『悪』としてケンシロウをボッコボコにした強敵と言えばシンとサウザーだが、シンがガチ悪ではないことは言わずもがな。
だがサウザーはカイオウと同じく愛を否定し、非情に徹した男。究極のヒールである。
ケンシロウを瀕死の状態へ追い込み、絶望させ、圧倒的力の差を見せつけた強敵という点は同じだ。
しかし、サウザーはあくまで『非情』。サウザーの根っこには愛があり、愛ゆえの苦しみから逃れる為非情という名の悪への道へと進んだのである。
一方、カイオウは愛ゆえの苦しみではなく、愛そのものをねじ伏せ悪を欲し、悪そのものを目指していた。
これが大きな違いである。
非情となるためサウザーは堂々と卑怯さを前面に出すが、悪を極めるカイオウは姑息な手を使う。なぜなら悪だから。
サヤカを手にかけたりシャチを狙うあたりめっちゃ悪。
サウザーがシュウを殺すのとはわけが違う。
カイオウが殺す理由は『悪』なのだ。
ケンシロウの最大の敵
2000年前に作られた石碑に刻まれていた北斗宗家の秘拳だが、ジュウケイは、ケンシロウは秘拳なくしてカイオウは倒せないと断言していた。
ラオウならいけたけどケンシロウは無理やで、と。
これはラオウよりケンシロウの方が弱いとかではなく、血筋の問題である。
カイオウは北斗琉拳創始者であるリュウオウの血筋であり、ケンシロウは北斗神拳創始者であるシュケンの血筋。
つまり、1800年という時を超えたシュケンとリュウオウの決着であり、カイオウにとってケンシロウは自身の力を最大限に引き出せる相手だったのだ。
それに対しケンシロウが勝てる唯一の方法が、まさに秘拳。
その秘拳には、北斗神拳創始者の凄絶なる生涯と大いなる遺言が刻まれていた。
「母に捨てられしリュウオウの子孫は
愛を失い愛に彷徨しよう
誰かが…誰かが愛を説かねばならぬ
それが北斗神拳伝承者の宿命と知れ」
と。
つまり、秘拳とはリュウオウの子孫に愛を説くこと。
これを知らずにカイオウと闘うと、あの初戦のように完膚なきまでに打ちのめされるというわけだ。
ところが、ケンシロウは打倒カイオウの切り札とされた秘拳の正体を「受け技の伝授」と言っていた。
さすがケンシロウである。
どういうことかと言うと、ケンシロウにとっては愛を説くなどもはやデフォルト。そんなことは言われなくても当たり前にあるため、シュケンの生涯を体験しただけで勝手にそうなった。
なので、ケンシロウからすればそこではなく『受け技』が秘拳だという解釈になったのだ。
ちょっとまだ書きたいけど長すぎるから一旦終わります。