聖帝サウザーについて | 北斗の拳好きすぎるブログ

北斗の拳好きすぎるブログ

北斗の拳を心から敬愛するブログ。

たまに他のアニメも語っちゃいます。



聖帝様の謎は、身体だけではない。



孤児のサウザーが将星の拳を伝承



サウザーは孤児であり、先代伝承者オウガイとの間に血の繋がりはないとされている。
しかし、北斗封じとなるあの特異体質を持つサウザーが、南斗最強の拳を伝承したことが果たして本当に偶然だったのだろうか。オウガイの「サウザーの瞳の中に極星を見た」という発言も謎である。どこの誰の子かもわからない赤子の瞳に、極星など見えるのだろうか。

そもそも、南斗最強である南斗鳳凰拳伝承者の宿星は「将星」。将星というのは独裁の星、帝王の星とされる「極星」。つまり南斗六聖拳のトップにあたり、他の五星では倒すことが出来ないとされているのだ。更には北斗神拳同様一子相伝であり、師父を倒すことで継承できるという厳しい儀式もある。

これはもう南斗の将と同じく、凡人の子孫が継承出来るものではないと思う。

不思議な力でケンシロウを導くリンが天帝の子だったように、バットが北斗神拳の伝承者になれないように、『北斗の拳』は血筋が大切である。

やはり、オウガイがサウザーを拾ったのは偶然ではなかったと言えるだろう。
つまりサウザーは、南斗鳳凰拳を伝承する為にオウガイの元へ送られたということ。

となると、オウガイ以外の南斗鳳凰拳伝承者と、サウザーが血縁関係になくてはならない。そこで考えられるのが、オウガイの先代伝承者である

この先代伝承者には他にも子がいて、そこからの男児の誕生(オウガイの先代にとって孫にあたる)が渇望され、オウガイは次代への継承まで生き延びなければならず、山奥での隠居生活が強いられる。そこへようやく生まれた男児、サウザーが送られた。

だが、鳳凰拳を伝承するには屈強な精神力が必要とされ、親である師を倒す師匠越えの儀式をクリアしなえればならない。それは、サウザーにとってオウガイが親同等の存在となる必要があり、実の親の存在は伏せられたのだ。

これによりサウザーは、南斗鳳凰拳伝承者として南斗聖拳を率いる南斗最強の男となり、北斗と共に天帝を護衛すべく闘う…はずだった。
そう、非情の帝王になどならなければ、南斗鳳凰拳が潰えることはなかったのだ。
しかし、孤児の自分を我が子のように育ててくれたオウガイのぬくもりを、自らの手で葬ったという現実をサウザーは受け入れられなかったのだ。そして、底知れぬ苦しみを生む情愛を否定するしかなく、その非情さゆえに愛を背負うケンシロウに敗れる結果となってしまった。

ケンシロウはサウザーを「誰よりも愛深きゆえに」と言っている。誰よりも愛深き男があんな酷い事するのか、と思うのもわかるが、これはあながち間違いではない。

南斗鳳凰拳伝承者はこれまでそのようにして継承されてきたが、サウザーは、心が壊れてしまうほどその愛が深かったのである。将星の本来の宿命を誤るほどに、オウガイのぬくもりを大切にし、必要とし、オウガイを敬愛していたのである。



少し話は逸れたが、サウザーが鳳凰拳と一切無関係の孤児ではないと言えるのは、やはりあの特異体質だ。
サウザー登場までは、北斗神拳と南斗聖拳が互角というには無理があった。

レイはラオウを馬から降ろすことも出来なかったのだ。だが、南斗の帝王として登場した彼はケンシロウに圧勝。それは極星十字拳を見てわかるように、ケンシロウが意識を失う程の破壊力がある。その効果を発揮するには特異体質が必要であり、身体と拳、両方を持って南斗聖拳最強、将星となるのだろう。

これによりようやく、北斗と南斗が互角であると証明され、北斗神拳の真髄が愛や哀しみであるということも、強く認識されるのである。




帝王の星とは



南斗聖拳最強ではあるが、そもそも南斗六聖拳とは、皇帝の居城を守る六つの門の衛将とされている。つまり帝王とはならない。オウガイからも「帝王」という発言はなく、オウガイ自身に帝王の要素は全く見受けられなかった。

これはおそらく、サウザー自身が目覚めた星なのだろう。

サウザーの瞳に極星を見たというのは確かである。南斗聖拳の極みである、特異体質を持つ鳳凰拳の男であるという仮説が本当だとすれば、生まれ持った宿命なのだ。
しかしサウザーは、本来の鳳凰拳の宿命を生きることが出来なくなってしまった。それはつまり、別の道、別の宿命を見出したことになり、それこそが「帝王の星」なのである。

愛を捨てる決意によって目覚めた、非情の帝王の宿命を自ら創り上げ、一切の情愛を葬るための聖帝十字陵を建設。こうして彼は、苦しみや悲しみから逃れるべ聖帝サウザーを完成させたのである。