No.328 春の立山は恋する雷鳥でいっぱい | D菩薩の仕事いろいろ趣味いろいろ

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私はだれでしょう? どこにいるか、わかりますか?

北アルプス・立山に住むオスのライチョウです。

 

 

2024年のゴールデンウィーク後半は、2年前に室堂まで到達しながら吹雪で断念、蝶ヶ岳への転進を強いられた雪辱の北アルプス・立山へ"副隊長"と出撃。今年は雪解けが早いようで、かつ山の週間予報が連日の快晴をほぼ確約していました。

 

 

混雑が予想された後半初日 5/3(金) のアルペンルートは、扇沢駅の始発を"副隊長"が事前にネット予約してくれました。6:30発のため、前夜は扇沢の駐車場で"副隊長"自慢のアウトランダーPHEVに車中泊。

 

標高1500mで迎える朝は、5月でも寒い、寒い…

 

 

前夜はガラ空きだった駐車場も朝にはほぼ満杯。下の方の無料駐車場から順番に埋まっていくようです。

 

 

電気バス、黒部ダム、ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスを経て、8時過ぎには室堂ターミナルに到着。登山客、スキーヤー、観光客が入り乱れて賑わいます。

 

 

今回の荷物は、GoProなど撮影機器に、それぞれの予備&大容量のモバイルバッテリーがかさみ、水なしで23kgの重さになりました。

 

 

みくりが池は、まだほとんど雪の下。

 

 

室堂から30分ほどで、今回初のライチョウに遭遇!

まだ白い冬毛が良い感じで残っています。

 

 

この日は、テント宿泊地の雷鳥沢までわずか1時間で5羽も目撃しました。繁殖期のためか、そのほとんどが夏にはなかなか見かけない目じりが赤い雄です。(冒頭の写真、ハイマツの茂みに潜む白い点)

立山周辺には約300羽が生息しているそうで、そのうち5羽にこの短時間に会えたのはかなり高い確率。

 

 

雷鳥沢が見えてきました。テントが整然と花盛り。

 

 

全体の広さは夏の半分くらいだけど、テントの密度は夏と変わりません。それにしても天気がすごい!

 

 

明日の立山主峰・雄山アタックに備え、早めの晩メシ食って寝ます。

 

 

翌朝も快晴。剣岳方面に向かう早起き登山者のライトがチラチラと斜面を登っていきます。

 

 

我々は雷鳥沢から一ノ越を目指し、サクサクとアイゼンの効きの良い日陰の急登を行きます。

 

 

夏は植生保護でトレイル以外は立入禁止だけど、この季節は一面の雪でみんな自由に好き勝手なルートを選びます。

 

 

相変わらず締まった雪と日陰の冷気が気持ち良い登りです。日中はTシャツ1枚で十分かも。

 

 

一ノ越に到着。槍穂高まで北アルプス全体を一望します。今までここから見た景色でいちばん空気がくっきり鮮明でした。

 

 

標高 3003mの雄山頂上まで残りの高度は300m、コースタイム1時間。全面南向きの斜面に雪はなく、アイゼンを外して夏道を行きます。

 

 

眼下に雷鳥沢テント場。今夜もあそこに泊まります。

 

 

黒部源流の山々を手前に、槍ヶ岳と穂高連峰を遠望。

 

 

「ダイヤモンド雄山」に果敢に挑む"副隊長"の雄姿。紺碧の空にひこうき雲が光っています。

個人的に今回の山のベストショットです。

 

 

2012年以来、12年ぶり6回目の雄山に登頂。

 

 

雄山神社の鳥居はまだ半分以上、雪に埋まっています。

 

 

久々に拝む剱岳の全貌。

 

 

頂上から GoProのスーパーワイドで見た雄山一等三角点(左)、薬師岳(中央)、加賀の白山(右奥)。

 

 

こんな天気の日は1年に何日あるでしょうか? 名残惜しいけど、出発です。

 

 

下りはGoPro録画を回しっ放し。

 

 

室堂から上がってくる行列が、ありんこのようです。

 

 

帰りは強烈な日差しに融けた雪に足を取られて苦戦します。途中、グェ~グェ~と蛙のような声を上げてハイマツからハイマツへ雪面を戯れ飛ぶライチョウのカップルを何度も見ました。立山は今、本格的なライチョウの繁殖期。あんなにしっかり飛行する姿を見たのは初めてです。

 

 

テントに帰還後、昼寝の合間に覗く、隣りの"副隊長"のテント。ぽかぽか平和な昼下がり…

 

 

明日は早くも下山の日。明るいうちから酒盛りを始めます。

これぞ人生の至福、至福…

 

 

最後の朝も快晴。立山の上を三日月がかすめます。

前夜からずっとどこかで夜通しライチョウの声がグェ~グェ~と聞こえていました。まだ天敵も少ない文字どおり「我が世の春」なのかもしれません。

 

 

室堂から始発のバスは8時発。途中、みくりが池山荘の石垣に佇む最後のライチョウに遭遇。

これで今回見たライチョウの数は、10羽を下りません。

 

 

じっと動かず大日連山を望むこの子は、いったい何を思うのでしょう?

 

春の立山は、恋するライチョウたちの素敵な楽園でした。(おわり)