No.326 春の飯田線を空撮旅 | D菩薩の仕事いろいろ趣味いろいろ

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今年は少し遅かった桜の開花。暖かさに誘われて信濃から三河へ飯田線の空撮旅に出かけました。

(ドローンは現地でOKをもらえたときのみ飛行)

 

 

残雪の峰々

今回の旅の北端は、長野県・伊那谷。中央アルプスの山並みを一望します。

 

 

ドローンを180°旋回すると、南アルプス・仙丈ヶ岳が顔をのぞかせます。

 

 

天竜川へと注ぐ支流の鉄橋に差し掛かる下り普通列車。

 

 

同じ鉄橋を46年前は河原から見上げました。

 

 

長篠城

そして旅の南端は、愛知県・長篠城。芝生広がる本丸跡の桜が満開でした。

 

 

飯田線の線路が本丸を突っ切って、鉄橋を渡ります。

 

 

これも46年前、1978年の同じ場所。

 

 

長篠城の南面は、豊川と宇連川が合流する天然の要害です。

 

 

1575年、武田軍に包囲された長篠城から岡崎の徳川家康に援軍を頼むため、城を抜け出して川に飛び込んだ強者がいました。

 

その名は、鳥居強右衛門。

 

岡崎で徳川から援軍の確約を得た強右衛門は、それを長篠城に伝えに戻る途中で武田軍に捕まってしまい、「援軍は来ない、と城に向かって叫べば命を助けてやる」という武田の取引きに応じるふりをして「もうすぐ援軍が来るから頑張れ」と叫んだため、城から見える場所で磔の刑になりました。

 

飢餓で落城寸前だった長篠城は、強右衛門の励ましで持ちこたえ、その直後に織田・徳川連合軍が到着して合戦の場は近くの設楽原に移りました。

 

鳥居強右衛門の磔刑の様子を城内から描いた絵が後世に残り、今はこの合戦のシンボルになっています。

 

 

案内板から少し離れて「磔刑の地」の石碑が建っています。

 

 

上空から見た石碑と本丸の位置関係です。

ちなみに昨年の大河ドラマでは、鳥居強右衛門の長篠城脱出から磔刑までの顛末が丸ごと1回取り上げられ、強右衛門に扮した岡崎体育の好演が印象的でした。

 

 

強右衛門から450年後の平和な長篠城を彩る桜です。

 

 

渡らずの鉄橋

飯田線は辰野から豊橋まで196kmの中間あたりで静岡県に入ります。ここは第6水窪川橋梁。

 

 

10年前の写真では、手前の鉄橋の後ろにもう1本の鉄橋が重なって見えます。

 

 

実はこれ、いちど川を渡ってからまた元の岸に戻る、通称「渡らずの鉄橋」。

当初は写真向かって右岸の山中にトンネルを掘ろうとしたけれど、中央構造線の地盤が軟弱すぎたので、やむなく鉄橋で山を回避した結果だとか。

 

 

半径250m、全長400mの特異な構造になりました。

 

 

昔から撮り鉄に人気のスポットを独自のアングルで。

 

 

里山の桜

同じ静岡県の飯田線も山間部を抜けると、ゆったりのどかな里山になります。

この鉄橋は高校時代からお気に入りのスポット。

 

 

1978年の急行伊那は、上諏訪から飯田線経由で名古屋の先、岐阜まで結んでいました。今では考えられない謎の経路です。

 

 

満開の桜が里山感をこれでもか!と主張します。

 

 

これも日本の原風景…。

 

 

秘境駅

飯田線が文明からいちばん隔絶される天竜川の中流域にいわゆる「秘境駅」が連なります。ここは小和田駅。飯田線でいちばん、全国でも4位の秘境駅です。

 

 

昭和11年築の古い駅舎は、まるで鉄道模型のような作りと色彩。脇には放置されたスーパーカブ?のオブジェです。

 

 

天竜川の岸辺にそっと佇む秘境駅にも満開の桜が1本。

秘境駅の秘境駅たる所以は、車道が通じていないこと。この駅から最寄りの車道まで山道を徒歩で1時間かかるそうです。

 

 

これは3年前に写真を撮りに一瞬だけ降りてみた小和田駅。

ちょうど秘境駅ブームで、たくさんの人が降りて行きました。秘境駅ブームで秘境駅が秘境駅でなくなるシュール。

 

 

コトコト列車がやってきました。あ、こっちにも1本、桜が満開。

 

 

そしてドローンで川面を散策すると、山肌にも野生の桜が咲き乱れています。

ここは秘境ながら、日本地図ですぐわかる場所です。それは長野、静岡、愛知と、3つの県境が交わるポイントだから。

 

 

どこまでも橋も道路もない大河の風情の天竜川。

 

 

1日の列車は 8~9本。乗車人員は3人(2019年)。

 

 

天竜川に向かって咲き誇る桜は、ドローンだけが独占できる世界です。

 

また季節を変えて遊びにきます。(おわり)