はーい! プラスチック探偵のナオでーす。
以前、仮装研の女 ナオ シリーズで、ノンアイロンのことを取り上げました。
その時、ノンアイロンの技術として、VP (Vapor Phase) 加工 というのをご紹介しました。
VP加工
衣服にホルマリンガスを浸透させ、強固なメチレン結合を作ることにより形態を安定化させる方法
”ホルマリン”というのは、”ホルムアルデヒド”の水溶液の事なので、”ホルマリンガス”は、”ホルムアルデヒド”そのものみたいなものですね。
ホルムアルデヒド
EIP HPよりお借りしました。
ホルムアルデヒドは、「シックハウス症候群」を引き起こす
VOC(揮発性物質)の一つというだけでなく、2004年、国際がん研究機関(IARC)によって「発がん性物質」として警告されている有機化合物です。
それもこれも、ホルムアルデヒドの抜きんでた高い反応性に依るものなのです。
この高い反応性を利用して、ホルムアルデヒドは多彩な化学反応に用いられています。
プラスチック合成にだって同じです。
既にご紹介したポリオキシメチレン(POM)もそうです。
そして、有名な熱硬化性樹脂(サーモセットレジン)である、フェノール樹脂や尿素樹脂、メラミン樹脂だってそうなんです。
フェノール樹脂
尿素樹脂とメラミン樹脂
化学のグルメHPよりお借りしました。
原子力発電や水素エネルギー、ワクチンなどもそうですが、科学・化学の歴史って、危険なもの・活性の高いものを如何にして制御して使いやすくしてきたかの歴史だと思います。
ホルムアルデヒドは現在、塩ビと同様にイメージが悪く、悪者扱いにされていますが、実は私たちの生活を支えてくれている大事なものであることは確かなんですね。
ということで、次回は、フェノール樹脂についてご紹介しましょうね。
それじゃあ、またね。