はーい! プラスチック探偵のナオでーす。

 

 久々に日本発のエンプラの話でーす。 やったニャ!

 ポリアリレート(Polyarylate、PAR)は、日本の繊維メーカー ユニチカが、世界で一番早く開発を成功させた芳香族ポリエステル樹脂の一種です。

 

ポリアリレート(Polyarylate, PAR)

 

開発の歴史

  ユニチカが、昭和40年代後半から開発を進めていたポリアリレート樹脂 Uポリマー” は、1974年に中間プラントの建設を終え、1975年2月Uポリマー開発部が発足したのです。 

 この熱可塑性ポリアリレート樹脂は、アメリカのUCCやベルギーのSolvay技術輸出され、輸出先でも開発が行なわれました。

 

合成法

 ポリアリレートの繰り返し単位は、エステル基(化学式-CO-O-)と芳香環で構成されています。

 それらは、ジカルボン酸の二酸塩化物誘導体フェノール化合物との重縮合によって生成されます。

 ジカルボン酸は、通常、テレフタル酸またはイソフタル酸であり、フェノール化合物ビスフェノールAまたはその誘導体が用いられます。

 

 最も一般的な2つのポリアリレートは、ポリビスフェノール-A-テレ/イソフタレートポリ(p-ヒドロキシベンゾエート)です。

 これらのポリアリレートの化学構造を以下に示します。

 

Poly(bisphenol-A-tere/isophthalate)

Poly(p-hydroxybenzoate)

 
PAR(ポリアリレート)の特徴
 
 プラスチックの連続使用温度  *PARを探してね!
佐藤鉄工㈱HPよりお借りしました。

長所
 優れた耐熱性 連続耐熱  140℃
        荷重たわみ 175℃
        ガラス転移 193℃
 透明性 89% ポリカーボネートと同等の全光線透過率
 機械的性質  高強度、高降伏伸度、耐クリープ特性
        耐衝撃性、高弾性
 優れた耐候性 紫外線遮蔽性
 耐薬品性
 難燃性    UL94V-0
短所
 強酸・強アルカリには侵食される
 成形時の流動性が悪い
 
用途

 高い耐熱性を活かして

  電気部品関係のスイッチやソケット、コネクターなどに使用されております。また、ランプカバーやカメラ部品、自動車ドア部品、薬品容器、洗面具、義歯などの用途にも使われています。

 

 優れた機械的電気的特性化学的安定性により

  自動車、精密および医療機器、電子ディスプレイおよびその他の電気部品、半導体成形化合物、装飾ディスプレイ、保護カバーなど、さまざまな用途に使用されています。

 

 耐紫外線特性により

  太陽エネルギーパネルにも用途があります。

 

 Arylate-PTFEブレンドとして

  自己潤滑ベアリング、Oリングシール、およびポンプベーンとして使用されます。

 

 高強度・高耐久性繊維として

  ロープ、ケーブル、高度な複合材料の強化繊維としてよく使用されます。

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以上のように淡々と記述してきましたが、なんだか日本発らしいなあって感じましたね。ニコニコ

 

アメリカ発って、発明物語があって、発明者の名前が明示されていたり、独特のアピールポイント防弾チョッキとか宇宙服とか)があったりしますよね。

 

個人名が表に出ないという日本独特の奥ゆかしさなのかもしれませんが、世界を相手にする場合、積極的なアプローチも必要なんじゃないかなって思ったりします。グラサン

はい。今回はここまでです。

次回は、同じポリアリレートで、やはり日本発のエンプラのお話でーす。

 

それじゃあ、またね。